#1344 アルバム論107|MORAL / BOØWY(1982)
アルバム論、以前に「THIS BOØWY」というベストアルバムを紹介したのですが、やはりBOØWYのオリジナルアルバムも紹介したくなってしまったので、今回よりアルバム論にて、BOØWYのアルバムを紹介してきましょう。
てなわけで本日は1stアルバム「MORAL」を紹介します。
BOØWYとは?

もはや説明不要と思いますが・・・
BOØWYは日本のロックシーンに変革をもたらした伝説のバンドとしてその地位を確固たるものとしています。
ロックとポップスを融合させて、「カッコいいだけじゃなくてキャッチ―」みたいな感じで、武道館でライブを行い、アルバムでオリコン1位を獲得し、シングルでも1位を獲得し、人気絶頂の中で解散!!
GLAYが20万人ライブをやって解散するとか、ももクロが国立でライブをやって解散するとか、それくらいの潔さというか、美学がありました。
そして、僕らの世代にとっては、当時1995年くらいの邦楽でブイブイ言わせていた、氷室京介と布袋寅泰という最高にカッコいいロックンローラー2人が、同じバンドを組んでいたという情報はあまりにも衝撃でした。
そんなBOØWYはリアルタイムではないながらも、ロックに興味を持った中学校時代、遡ってメッチャ聞いてましたね。
MORALとは?

リリースは1982年という・・・私が生まれる1年前でした。
当時BOØWYは6人組で、ギターがもう1人、サックスが1人いたんですね。
そしてこの頃は横浜銀蝿に対抗して群馬暴威という恐ろしくダサいバンド名を提案されたようですが恐らく秒で断り、色色あってBOØWYとなったようですが、このバンド名は本当にカッコいいですね。
そんな感じでレコーディングされた1stアルバムのMORALは、歌詞に問題があるという理由でなかなかリリースまでに時間を要したようですが・・・そんな苦難の末1982年3月にリリースされました。
本作は前述の通りオリコン1位になる時期のBOØWYと比べると、歌詞も割と軽い感じだったり、楽曲もかなり粗削りというか、ジャパニーズ・ハードコア的な感じなんですが、それでもラストライブで最後に演奏されたNo New York(ちょっとアレンジ違い)が収録されていたり、当時からバリバリにセンスが光る曲も収録されています。
MORAL+3とは?

MORALは13曲収録なんですけど、解散後にデビュー期の未発表曲3曲を追加した「MORAL+3」がリリースされまして、僕は中古でこのアルバムを購入しました(確か1996年でした)
既にSINGLESとかを聞いていたので、初めて聞いた時はTHE 違和感という感じでしたが、聞けば聞くうちに好きになりました。
同時期にBOØWYにハマったサッカー部の友人に贈呈したのですが、今聞いても当時を思い出してメロウになる、そんな作品ですね。
MORAL+3 渾身の全曲解説
1. INTRODUCTION
まずアルバムの最初を飾るのは布袋が作ったイントロですが、かなりエッジが効いていて、この時代で考えるとかなり最先端なサウンドです。
そんな感じで尺も30秒と短いんですけど、所狭しとと音が暴れ狂う感じで、まさに暴威という感じで、カッコいいです。
ニューウェイブとロックが融合していて、なかなかシャレオツなイントロで余韻を残しこのアルバムは始まります。
2. IMAGE D0WN
初期の大大代表曲ですね。
この曲がいかに市民権を得ているかは、アルバム収録曲に関わらずwikipedeiaで単独ページがあることが物語っているでしょう。
後に「ライブハウス武道館へようこそ!」とう名言を生み出した時に演奏していた曲だったりします。
BOØWY結成後最初に作られた歌のようですが、とにかくその盛り上がりまくる展開故に、解散するまで愛され演奏され続けた曲ですね。
とにかく簡単ですがエッジの聞いたリフは印象的であり、イントロの時点で相当カッコいいです。
Aメロのメロディもシンプルで良いし、コーラスの「フー!フー!」も好みです。そしてBメロへの流れもいいし、IMAGE DOWNと曲名を連呼するサビも分かりやすくて盛り上がっていいですね。
あとは特筆すべきは歌詞でしょう。所謂ビッチさんの曲ですね。
この歌詞の主人公は心も体もバラ売りしている尻軽ティーンガールで、
英語数学まるでダメだけど、あっちの方はインテリジェンスという感じで、BOØWY後期の氷室だったら絶対書かないような歌詞なんですけど、それでもIMAGE DOWNというくらいなんで、一見まともに見える女性の曲なんでしょう。
当時を知らないですが、ロックな見た目で、カッコよくてメロディアスなサウンドで、こんな楽しい歌詞書いてるバンドいたらマジで惚れるでしょうね。
3. SCHOOL OUT
SCHOOL OUは中退の意味で、この曲は「退学」の意味で、なかなか攻撃的なタイトルです。
曲も攻撃的なパンクな感じですが、この曲はなんといっても歌詞でしょう。「SCHOOL OUT やっちまえ今すぐ!」という感じなんですが、それを真に受けたキッズ達が「氷室さん、俺も氷室さんの言う通り学校辞めたっス!」みたいな感じで行動してしまい・・・氷室は表現者としての言葉の重さを知ったようです。
まさに初期という感じの曲ですね。
4. ELITE
エリートと読みます。SAXが良い感じにイカした曲ですね。
ヤリマン→高校の不良と続いて、今度はイケてるサラリーマンを題材にしているんですが、どちらかというと「他を蹴落とす」「脚を引っ張る」という悪いタイプのエリートサラリーマンを皮肉る感じの曲で、ちょっと後に紹介するMORALにも通じる曲です。
歌詞はまさにこの時期のBOØWYにしか書けない感じでして、「住宅ローン」から始まりますからね笑
5. GIVE IT TO ME
そして次はヤリチンの曲です。
IMAGE DOWNの兄弟分的な曲ですね笑
とにかく歌詞が鬼畜で、令和の今だったらフェミが飛びつくでしょう笑
体がなきゃ誰が お前を
体がなきゃ誰が お前を
この時期は氷室も布袋もヒモのような生活を送っていたようなので、とにかくイケイケですね笑
サウンドはスカ調でなかなか好みです。
6. NO N.Y.
この曲はニューヨークの立ちんぼの曲と推察されますが・・・
後の代表曲「No.NEW YORK」のプロトタイプ版ですね
この後に再録されるバージョンの方が圧倒的に有名なんですが、大枠はほぼ変わらないです。
氷室の「WOW」とか「BEAUTY」とかの音階や、AメロとBメロのブリッジ、間奏が若干違ったりするんですが、90%くらいは原曲の通りであり、この時点で洗練されており、完成されていたことが分かります。
なんだかんだでこのアルバムのベストソングはこの曲ですね。
この曲は「ロックンロールの基礎」みたいなものがありますね。
ベースもギターもドラムも簡単なんですけど、合わせるとカッコいいし、ライブでやったら盛り上がるという、王道 of 王道。
楽器を始めたら、まずこの曲から覚えるのが良いでしょう。
7. OUT
これはMORALではなく「+3」の方に収録されている曲です。
「自慢話の男 いつもスーツを着込み さりげなく吹かしてる 洋モクもこれ見よがし」みたいな感じで、恐らく氷室の当時嫌いだった人がモデルの歌詞なんんだろうと思っていたら、所属事務所の社長の弟だったようです笑
アウトってタイトルな位ですし、アウトな弟だったんでしょうね笑
8. LET’S THINK
この曲も「+3」に収録されている曲です。
この曲はよく分からない曲だったので、13歳の僕はスキップしていた曲なんですけど、ある程度大人になってから聞いたらカッコ良さを感じる曲です。
イントロがこれまでのゴリゴリのエイトビートと違ってオシャレな感じで、Bメロ(サビ?)の布袋のギターが刻みまくるのが非常に秀逸。
玄人好みのカッコいい曲ですね。
9. MASS AGE
MESSAGEではなく「MASS AGE」
このMASSは大衆ではなくマスをかくのMASSで、マスターベイション・エイジの略のようです。つまり10代後半からのほぼ全ての男性が対象ということですね笑
かなりいい感じのエイトビートで、初めて聴いた時からかなり好きな方な曲でした。
熱くなる事も知らねェ奴の機嫌をとって
右手を挙げて下さいなんて言いたかねェぜ
大した事も出来ねェくせに気取った奴ら
そんな奴らはどこかに消えな邪魔になるだけ
いい感じにパンキッシュな曲です。
今の価値観でもライブで盛り上がる曲でしょう。
10. WATCH YOUR BOY
実際にあった悲しい事件をモチーフにした曲です。
両親が息子に金属バットで殺されるという痛ましい軍鶏的な事件だったようで、そんな過保護な家庭を否定し、しっかりとYOUR BOYをWATCHしておけ!という曲です。
歌詞がダークな割にはサウンドは割とゴキゲンな感じで、ライブでも盛り上がる感じの曲ですね。盛りあがっちゃいけないんですが・・・
11. RATS
この曲もいい感じにロックな曲で、好きな曲の1つですね。
最初のリフのまま進む感じで、僕の中ではこの手のパターンの曲はミッシェルとかハイロウズが浮かぶんですが、BOØWYにはあんま無い感じがします。
そしてサビもいい感じにポップで、なかなかの名曲です。
12. MORAL
アルバムの表題曲にして、なかなかの問題曲ですね。
とにかくこの歌詞が全てを集約しているでしょう。
人の不幸は大好きサ
人の不幸は大好きサ
人間の二面性を歌っている曲で、人が死んだり、誰かと誰かが別れた時に、ニヤッとしたけれどその場では可哀想な顔をするのがモラルという、なかなかの闇を歌った曲ですね。令和の今だったらかなり叩かれたでしょう(この時期でも十分問題視されていたと思いますが)
曲は布袋の裏打ちのスカのギターがとにかく印象的で、思い歌詞の割にサウンドは軽い、そんな感じの曲ですね。
流石に13歳の僕にはなかなか衝撃でしたね。
13. GUERRILLA
この曲はBOØWY史上、もっと軽い歌詞というか、最高にふざけた曲です笑サラリーマンが毎朝通勤して、仕事が終わったら飲んだり、おっパブ的な所に行ったり、土日はゴルフに行ったりと・・・まるで下々の我々の生活を見ているかのような歌詞の曲です笑
あとは加山雄三風の語りが入ったりで、とにかくふざけた歌詞の曲ですね。
それに呼応してサウンドもかなりポップでご機嫌で、聴いていてメチャクチャ楽しい曲ですし、何気に大好きだったりします。
ライブとかで聴いたら死ぬほど盛り上がったことでしょう。後期の硬派なBOØWYでは絶対やらない曲でしょうが・・・笑
14. ON MY BEAT
かつてBEST10を書いた時にも紹介しましたが、大好きな曲です。
このアルバムではNO.N.Yと張るくらい好きですね。
とにかく速く、このアルバムで一番BPM速めな曲と推察しますが、ライブでも最高に盛り上がる感じで大好きな曲ですね。
以前に氷室が全曲BOØWYを演奏したライブに行きましたが、まさかこの曲を演奏するとは思わず、非常にテンションが上がったものでした。
自分を守るのは何かを残したあとだぜ
形にこだわっちゃ古びたものしか見えない
やたらと計算するのは棺桶に近くなってからでも
十分できるぜ Life is on my beat
ここの歌詞は今見ても新鮮ですね。素晴らしいです。
そして以前にも紹介してますが、この曲は小島のカバーも最高にカッコいいです。小島は本当にカヴァーが上手ですね。
15. ENDLESS
MORALのラストソングで、アウトロ的な曲です。
最後にエンドレス(終わらない)というタイトルの曲を持ってくるのがなかなか渋いです。
淡々と氷室がHow many trains must travel onと言うだけの曲と思っていた、ら!なんとYouTubeに超高速バージョンが転がってました。
これはなかなかカッコいいですね。
16. DAKARA
「+3」のラストソングですね。この曲も大好きでした。
この曲は解散後にシングルとしてリリースもされている曲だったりして、なかなか存在感のある曲です。
もう6人の頃のBOØWYを象徴するような曲で、とにかく深沢のSAXが暴れ狂っています。
メロディも非常にメロウで、このアルバムで一番後期のBOØWYっぽい曲はこの曲だと個人的には思っています。
奇しくもつい先日、大黒摩季のDA・KA・RAも紹介しましたが、それに匹敵するメロウで素晴らしい曲ですね。
MORALの氷室曲と布袋曲

ブルーハーツとハイロウズのアルバム論でもやっていましたが、BOØWYにも氷室と布袋という優れたソングメーカーが2人いるので、アルバムごとに見ていきたいと思います。
MORALは氷室が7曲、布袋が9曲作曲しています。
イントロとENDLESSを除けば、7曲vs7曲でイーブンですね。
氷室の曲(7曲)
SCHOOL OUT、ELITE、GIVE IT TO ME、OUT、RATS、MORAL、DAKARA
布袋の曲(9曲)
INTRODUCTION、IMAGE DOWN、NO N.Y、LET'S THINK、MASS AGE、WATCH YOUR BOY、GUERRILLA、ON MY BEAT、ENDLESS
やはりIMAGE DOWN、NO N.Y.、ON MY BEATというこのアルバムで最後までライブで愛された御三家が強いので、このアルバムは布袋の曲の方が印象が強いですね。
まとめ
そんな感じでMORAL、流石に時代を感じますが、それでも布袋と氷室とルーツですので、ファンの方は是非聞いてみましょう。
そんな感じで何気に結構な分量で書いてしまったBOØWYですが、次回のINSTANT LOVEも結構思い入れがあるんですよね・・・
次も長くなりそうな予感です!
