3️⃣【決定版】人材育成のトリセツ(取扱説明書)――第3回研修の効果は、なぜ測れないのか
【決定版】人材育成のトリセツ(取扱説明書)――第3回
研修の効果は、なぜ測れないのか
――私が「5つの把握」に行き着いた理由
研修の効果をどう測るか。
これは、人材育成に関わる人間にとって、
永遠のテーマだ。
多くの企業では、研修後にこうする。
• アンケートを取る
• 満足度を見る
• 自由記述を読む
• 報告書を書く
そして、だいたいこう締めくくられる。
「概ね好評でした」
私は、このやり方にずっと違和感を持っていた。
満足度は「結果」ではない
誤解を恐れずに言う。
研修の満足度は、
研修の効果そのものではない。
• 楽しかった
• 分かりやすかった
• 講師が良かった
これらはすべて、
その場の体験の評価だ。
だが、私が知りたかったのは、そこではない。
• その人は、何を持ち帰ったのか
• 何を試そうとしているのか
• 行動は変わるのか
研修をきっかけに、何が起きるのか。
ここを見ずに、
研修の価値は語れない。
私が辿り着いた結論
試行錯誤の末、
私は一つの結論に行き着いた。
研修の効果は、
一つの指標では測れない。
見るべきものは、
研修の前、
研修の最中、
研修の後、
そして現場。
そこで私は、
研修の効果を5つに分けて把握することにした。
効果把握①:研修前 ―― 心の準備はできているか
最初に見るのは、
研修が始まる前だ。
• 研修の趣旨を理解しているか
• 自分の課題を考えているか
• 向き合う姿勢があるか
これは知識ではない。
マインドセットの確認だ。
ここで分かる。
• そもそも、この研修は届く状態か
• 何を調整すべきか
この時点で、
すでに研修は始まっている。
効果把握②:研修中 ―― 今、集中できているか
次に見るのは、
研修の最中だ。
• 目は輝いているか
• 仕事のことを考えていないか
• 疲れていないか
• レベルは合っているか
ここで見ているのは、
講師の評価ではない。
こちらの設計品質の確認
だ。
• ペルソナは合っているか
• 進め方は適切か
研修は生き物だ。
ズレていれば、
その場で調整する。
効果把握③:研修直後 ―― 何を持ち帰ったか
研修が終わった直後に見るのは、
変化の芽だ。
• 何を学んだか
• 何に気づいたか
• 何を試そうとしているか
ここで問うのは、
正解ではない。
本気だったかどうか
もし本気でなかったなら、
研修の内容ではなく、
企画そのものを見直す。
効果把握④:研修としての成功 ―― 有益だったか
ここで、
ようやく一般的な評価が出てくる。
• アンケート
• 講師所感
• 運営所感
これは、日本企業で広く行われている、
普遍的な評価だ。
ただし、私は
「満足度」ではなく、
研修有益度を見る。
• 実践できそうか
• 継続できそうか
• 定着させる意思があるか
90%以上が
「活かせる」「やってみる」と答えるか。
研修を評価させたいのではない。
自分の行動にどう活かすかを、
コミットさせるため
の把握だ。
効果把握⑤:現場 ―― 本当に何が変わったか
最後に見るのは、
研修が終わってから。
ここが、
一番大事で、
一番見られていない。
• 上司は何を感じているか
• 行動は変わったか
• 職場の空気はどうか
私は、
本人だけでなく、
上司にも話を聞いた。
そして気づいた。
本当に効果があった時、
上司から感謝のメールが届く。
この数は、
研修効果の指標になる。
これは「評価」ではない
ここまで読んで、
気づいた人もいるだろう。
これは、
研修を点数づけする話ではない。
研修を、次に活かすための観測
だ。
• 何が機能したか
• 何がズレたか
• どこを変えるべきか
これを繰り返すことで、
研修は進化していく。
次回予告
次回は、
このフレームを前提に、
• なぜ研修を「型」にしなかったのか
• なぜ人数を絞らなかったのか
• なぜ5000人規模でも成立したのか
富士翔大郎メソッドの実装思想に入る。
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この第3回で、
連載は「思想」から「方法論」に。
