【小説】メンズエステのめぐみさん⑭
14話 童貞社会人(5/5)
童貞社会人編は⑩からの続きです。
そこからの日々は夢のようだった。
9月は、軽井沢に日帰り旅行に行った。
10月は、高尾山に登って、11月は、よみうりランドにイルミネーションを見に行った。
就活を控えていることもあって頻繁に会うこともできないが、二人で会う僅かな時間、二人だけのメッセージのやり取り。
何もかもが楽しかった。
今まで経験してこなかった青春だった。
【クリスマスは一緒に遊ぼう。】
その約束だけで、就活のためのSPI対策や履歴書作成などを頑張ることができた。
そんなクリスマスの5日前、
【クリスマスに俺のうちでタコパしよーぜ!】
野田が3年生のサークルのグループメッセージを動かした。
裏で、洋子とメッセージを動かしていた。
帰省とかバイトでうまくごまかせないかと色々模索したが、付き合っている人たちも全員が参加することになった。
僕たちだけ不参加とは言えない雰囲気になっていた。
結局26日に二人で遊ぶことにして、25日はみんなで遊ぶことにした。
「じゃあ、読書サークルみんな就活頑張っているってことでカンパーイ!」
野田の大声に、どんな音頭だよとみんなが笑う。
みんなが盛り上がる中、僕は、気が気でなかった。
いくら明日二人で遊ぶとはいえ、どうにかして今夜、クリスマスに二人きりになれないかばかり考えていた。
ただ、いくら考えても、攻略法が見つからないまま時間だけが過ぎていった。
最初からハイペースでお酒を飛ばしてきた野田が酔って突っかかってきた。
「おい渡辺!お前最近どうなんだよ!」
野田がにやにやしながら肩をどついてくる。
「ん?どういうこと?酔いすぎじゃない?」
「それお前だろ。洋子に酔ってんじゃない?」
場の空気が凍りつくのがわかる。
「いや、え、はい?どういうこと?」
僕も洋子もみんなに言ってない。だってそう誓い合ったんだから。
ということは、二人でいる所を見られたのか?
それとも仕草とか何かしらの行動でばれたのか?
「なんでばれたんだって顔してんな!隠しきれたと思ってるかも知んねーけど、ここにいる全員お前らのことを知ってるぞ?」
みんなの顔を見回す。全員気まずそうに俯いている。
「え、なんで?どういうこと?なんでみんな知ってるの?」
「俺たちが遊び半分で付き合わせたんだからな!」
「は?」
「お前合宿の日みんなより早く潰れたよな?」
やめなよ、ある女子が止めに入るが、野田は止まらない。
「その後、洋子が最近、お前と結婚した夢を見たって言ってたんだ。だからみんなでいじったら、好きとかはないけど、ありかなしかでいうとありっていうからさ。」
野田がケラケラと笑う。
「ねえ、渡辺君違うの!確かに最初はそうだったかもしれない、でも、」
「うるせえな!」
洋子の言葉を遮る。普段静かな僕の声にみんな硬直する。
「ああ、納得したよ。おかしいと思ったんだよ。サークルでも二人きりで話すことは少なかったのに、こんな旅行先に限って二人っきりになるなんてって。
あの時からみんなで俺のことをはめてたんだな。
あ、そうか。だから、君は、あの時もからかわれそうだから隠そうって言ったんだ。もう、あの時はからかわれ済みで嫌な思いしてたんだもんな。」
部屋中にたこ焼きが焼かれる音が響き渡る。
「バカみたいだよ、一人だけ舞い上がってさ。」
そう言うと野田の家から飛び出した。
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「そのタイミングでサークルのメンバー全員の連絡先はブロックしたし、単位も取れてたから一気に学校には行かなくなって、そのままみんなと話すこともなく卒業。」
ふぅ、大きく息を吐く。
「3年好きで、3ヶ月とはいえ付き合った女の子に裏切られて、一人で裏で舞い上がって、俺ってバカみたい。なんでこんな人生なんだろ。女運が悪いっていうか、なんていうか。」
渡辺の目には涙が溢れていた。
「こんなこと恥ずかしくて誰にも言えなかった。」
「全然恥ずかしくないよ。きっと渡辺さんは優しいから、溜めこんじゃってたんだよ。」
渡辺が右手で涙をふく。
「癇に障ったらごめんね。でも恋愛ってどっちかだけが悪いってことは絶対にないと思う。
でも、矛盾するけど私は渡辺さんは悪くないと思う。だから自分を必要以上に責めないで。」
「めぐみさん」
時計を見る。
「後、20分か、ごめんね。色々お話聞いちゃって。あんまり施術ができなかった。」
「全然いいです。なんかめぐみさんに話したら気が楽になりました。」
「じゃあ、あと15分で夢のような時間にしてあげる。付き合っていた3ヶ月より密度の濃い境地に連れてってあげるね。仰向けになって?」
仰向けになってからシャワーに向かうまでの15分は僕の体感時間だと、3分にも満たないような感覚だった。
仰向けになった僕の足の方に膝立ちになり、下半身を残したまま、ゆっくりと手を使って上半身だけ前進する。
彼女の小顔と、乳房が僕の方へと圧迫してくる。
顔がへそのあたりに来ると、急停止をし、柔らかい乳房が僕のあそこのちょうど真上に一時停止する。
へそにくっつくくらい直立している棒は乳の中に宝探しを行くかのようにすっぽり収まった。
「あーあ。これわざとやってたら私も渡辺君も怖いお兄さんに怒られちゃう。でも、たまたま私が動いたところにあるだけだからセーフだよね?」
僕の回答を聞かないまま、彼女は僕の顔の方へ接近したかと思うと、彼女は元の位置に戻る。
その上下運動は、まだ卒業をしていない僕には刺激が強すぎた。白銀の体液が空を舞う。
「あああ。」
「あーあ。まだ次のお客様がいるのに汚れちゃった。」
15話に続く(7月14日18:00に公開予定です。ラスト3話でメンズエステのめぐみさんが完結です!)
