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[書評] 狼と香辛料

みなさん、こんにちは。Naseka です。
私は 哲学者・書評家 として、
自らを定義しています。

私は感性における
初動が遅いというのかなんなのか、
周囲のブームから遅れて
のめり込むことが多い。

歌手でいうなら宇多田ヒカルを
気に入って聞くようになったのは
新型コロナ云々が流行ったか否か
くらいの時期だったし、
スマホを持つのも 割と遅かった。

読書ならばベストセラーや
流行りの本には、それを理由に
飛びつくことは ほぼない。
もちろん 自分に興味が湧けば、
時期にかかわらず読むのだが。

あの大人気マンガの ONE PIECE だって、
今年に入って初めて読みだした。
(読んでみると なるほど面白い)

今回 紹介する作品は、
私が大学生時代に
友人が いたくハマっていた作品である。

今では私にとっても大切な作品だが、
当時は その良さが全く分からなかった。

あの当時にハマれていたら
たくさん語り合えたであろうと思うと、
なんとも残念で仕方がない。



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商人と娘の2人旅

主人公は行商人の青年 ロレンス。
道中で偶然出会った少女 ホロ の
故郷を探すため、
2人で旅をしていく物語である。

中世欧州をモチーフにした世界だが、
剣や魔法ではなく 知恵と交渉を武器に
「経済活動」という舞台で
争われるところが ユニークな点。
(ホロ が狼の化身ということで、
 ファンタジー要素はあるのだが)

原作はライトノベルで、
アニメ化もされている。

最初は 2008年だったが、
2024年に完全新作として
再度のアニメ化。

実に15年以上もの時を経て
今なお取り上げられるというのは、
ファンとしてはうれしい限りだ。

ちなみに言いそびれていたが、
今回の書評は コミカライズ版である。

マンガだからこそ

私は原作も全て読んだし
アニメも見てきたが、
一番多く触れているのが
このコミカライズ版。

原作はライトノベルとはいえ
小説には違いなく、
24巻もあるから 遅読な私には
読み返すのが容易ではないのだ。

もしこれが独身で SNS にも
興味を持っていなかった頃なら、
2周3周と
読み返していたかもしれないが。

その点、コミックだと
手軽に読み返すことができて
ありがたい。

さすがに原作と比べれば
掲載されているエピソードは少ないが、
どうせ読後は原作の記憶と
空想に耽るのだから
何も問題にはならない。

敢えて言うのであれば、
アニメ化にもされた
クメルスンのエピソードが
飛ばされていることは
惜しいところではあるが。
(ここはぜひ アニメを参照されたし)

大きく変わった結婚観

まず学生時代に アニメで本作を知り、
原作やマンガを初めて読んだのは
ちょうど卒業して就職した頃だった。

学生時代から あまり異性との
つながりがなかった私にとって、
漠然と憧れていた「結婚」

これを読んだ数年後に 縁あって
今の妻と結婚するのだが、
改めて考えると今の私の結婚観は
当時の憧れとは大きくかけ離れている。

幸いなことに妻からは愛されているし、
私も彼女を好いているから
夫婦生活は相応に円満である。

だが 心のどこかでは
ドライに見ているふしもあって、
どれだけ愛している相手とはいえ
死ぬまでいっしょにいる保証は
どこにもない。

これは何も
浮気だ離婚だという話ではなくて
(それすら「絶対にない」
 とは言えないが)、
人生何が起こるかなんて
分からないわけで。

事故や病気で早逝することもあれば、
已むに已まれぬ事情で
離れることだってあるかもしれない。

よしんば それらがなかったとしても、
人間 必ず死ぬときは来る。

どちらが先に死ぬにせよ、
片方が相手を見送ることになるのが
確率的には高いだろう。
(むしろ2人同時に
 死ぬことがあるとしたら、
 それは事故か奇跡かしかありえない)

旅の途中

そんなふうに考えていると、
今の私にとって「妻」とは
愛だの恋だのを通り越して
「旅の相棒」のようなものだと気付く。

よく「人生は旅だ」と言われるが、
まさしく死ぬまでの旅の道中を
いっしょに歩んでくれる相棒。

だから いつかは
別れのときが来るだろうし、
それを自覚していればこそ
今という時を共に過ごせることに
感謝することができる。

これは昔 私が思い描いていた
結婚生活ではなかった。
なにかこう「家族愛」みたいなものが
お互いの胸にあるような関係というか。

でも私は、不思議と
今の捉え方が嫌いじゃない。

妻は この作品が
あまり響かなかったようだから、
ここまで書いたような私の価値観は
理解してもらえなさそうだが。

そこも含めて 私たち夫婦は、
まさしく ロレンスとホロのようだ。

ロレンス は好意が ホロ に見え見えだが、
対する ホロ は
子どもを相手にするかのように
ロレンス をあしらう。

だが その実 ホロの中でも
ロレンスは大切な相棒である。
その想いは
旅を共にする時間が経つにつれて、
大きく強くなっていく。

私と妻の旅路も、まだまだ続く。

この相棒と旅の終着地まで
いっしょに行けたら、
どんなに幸せな人生だろう。

願わくは この冒険譚が、
ロレンス と ホロ の旅のように
ハッピーエンドとなることを。

こんな人にオススメ!

・原作やアニメが好きな人
・経済をテーマにした作品を読みたい人
・旅の物語が好きな人

こんな人には合わないかも…

・ロジカルな(パズルのような)
 話が苦手な人

お読みいただき、
ありがとうございました。


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