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社労士模試で択一が時間切れになった人へ、復習より先に見ること


模試で択一が時間切れになると、点数そのものより先に焦りが来ます。

「最後の労一・社一、ほとんど塗り絵だった」
「時間さえあれば、あと数問は取れたはずなのに」

そう思いながら帰り道で解説を眺めて、家に着いたら「とにかく全問復習しなきゃ」とテキストを開く——。気持ちはすごくわかります。私もそうでした。

でも、いきなり全問復習を始める前に、見ておくべきことがあります。

択一の時間切れは、「知識不足」だけが原因ではありません。多くの場合、そこに「時間の使い方のミス」が混ざっています。この2つは復習のやり方がまったく違うのに、混ぜたまま復習すると、いつまでも同じところで時間を落とし続けます。

この記事では、復習に入る前にまず確認してほしいことを順番に整理します。


まず確認:択一式は1問3分しかない

最初に、前提となる数字を共有させてください。

社会保険労務士試験の択一式は、70問・210分で行われます。単純に割ると、1問あたり3分です。

5肢の中から正誤を判断するわけですから、1肢あたりにかけられるのは40秒もありません。マークする時間や、見直しの時間まで含めれば、実際に「考える」のに使えるのはもっと短い。

この「1問3分」という数字を、感覚として持っているかどうかで、模試の見方は変わります。時間切れになった人の多くは、知識が足りないというより、「1問にどれくらいかけているか」を測らないまま解いていることが多いのです。

まずは、自分が時間切れになったという事実を、「3分の壁を超えた問題がいくつあったか」という視点で捉え直してみてください。


時間切れの原因は、間違えた問題だけ見てもわからない

ここが、この記事で一番伝えたいところです。

時間切れになったとき、私たちはつい「間違えた問題」だけを復習します。赤シートで隠して、解説を読んで、「なるほど、ここを覚えていなかったか」と。

でも、時間切れの本当の原因は、間違えた問題の中ではなく、「どこで時間を失ったか」の中にあります。

たとえば、

  • 正解はしたけれど、1問に6分かけてしまった問題

  • 自信がないまま、なんとなく塗っただけの問題

  • 迷った2択を最後まで切れず、戻ってきて時間を溶かした問題

これらは「正解/不正解」の記録には残りません。でも、後半の問題を時間切れに追い込んだ犯人は、たいていこちらです。

だから、間違えた問題の解説を読む前に、まず時間の使い方そのものを振り返る必要があります。


復習前に見るべき5つのチェックポイント

具体的には、模試を解いたときの感覚を思い出しながら、次の5つをチェックしてみてください。問題用紙に走り書きが残っていれば、それも見返します。

  1. 知識不足で止まった問題はどれか
    そもそも知らない論点で手が止まったもの。これは純粋に知識の問題です。

  2. 迷う選択肢を切れなかった問題はどれか
    2択までは絞れたのに、最後の決め手がなくて時間を使ったもの。

  3. 問題文を読むのが遅かった科目はどこか
    長文事例や、ひっかけの多い科目で、読むだけで時間を取られていないか。

  4. 個数問題・組み合わせ問題で粘りすぎていないか
    「正しいものはいくつあるか」「正しい組み合わせはどれか」で、全肢を完璧に判断しようとして粘りすぎていないか。

  5. マークと見直しの時間を最初から残していたか
    最後に塗り絵になったのは、見直し時間を確保する設計がなかったからではないか。

この5つを見ると、自分の時間切れが「知識型」なのか「時間運用型」なのかが、だいたい見えてきます。


時間を失った問題を3種類に分ける

チェックが終わったら、時間を多く使った問題を、次の3つに仕分けします。

  • 取るべきだった問題
    本来は3分以内で取れた論点なのに、迷ったり読み違えたりして時間を落とした問題。ここが一番もったいない。次に確実に詰めるべき対象です。

  • 迷って落とした問題
    知識はあいまいだが、判断のコツや切り方を知っていれば短縮できた問題。これは「解き方の練習」で改善できます。

  • 捨ててよかった問題
    難問・奇問で、誰も取れないか、取るのに5分以上かかる問題。ここは潔く捨てる判断こそが正解。粘らないと決めることで、他の問題に時間を回せます。

時間切れになると「全部取りにいかなきゃ」と思いがちですが、本番で大事なのは、取るべき問題を時間内に確実に取り、捨てる問題を素早く捨てることです。この仕分けをしておくと、次の模試での判断が速くなります。


社会人受験生は「全部復習」より「再現性のあるミス」を潰す

社会人受験生にとって、最大の制約は時間です。仕事と家庭の合間に勉強時間をひねり出している人にとって、「模試を全問復習する」のは、現実的にかなり重い。

だからこそ、復習は絞ったほうがいい。絞る基準は、「再現性のあるミスかどうか」です。

  • たまたま読み間違えた、その日だけのケアレスミス → 優先度は低い

  • 同じ論点・同じパターンで何度も時間を落としている → 最優先で潰す

一度きりのミスを全部つぶそうとすると、いくら時間があっても足りません。でも、「自分はいつも個数問題で粘りすぎる」「労基の判例問題でいつも読むのが遅い」といったくり返し出るクセは、数が限られています。そこだけを狙って直すほうが、限られた時間では効率がいい。

全部やろうとして手が止まるより、「再現するミス3つ」に絞って次の模試までに潰す。社会人受験生には、この割り切りが大切です。


次の模試までに変えること

では、次の模試までに何を変えるか。知識の上積みではなく、運用を変えます。

  • 1問3分の感覚を作る
    普段の過去問演習から、1問にかけた時間をざっくり測るクセをつける。タイマーを横に置くだけでも変わります。

  • 粘る問題の上限時間を決める
    「迷ったら○分で切って、印をつけて次へ」とルールを先に決めておく。本番で迷わないための、事前の約束です。

  • 解く順番を仮決めする
    得意科目から入るのか、頭から順に解くのか。自分なりの順番を仮決めしておくと、開始直後の迷いが消えます。

  • マークチェック時間を先に確保する
    「残り○分になったら、解くのをやめてマークを揃える」と決めておく。塗り絵を防ぐ最後の砦です。

  • 間違えた理由を1行で残す
    「知識不足」「読み違い」「粘りすぎ」など、ミスの理由を1行だけメモ(印)する。これが、再現性のあるミスを見つける材料になります。

どれも、知識を増やす作業ではありません。時間という資源をどう配分するかの設計です。


まとめ:時間切れは、勉強量ではなく設計を見直すサイン

択一の時間切れは、つらいですけど、悪いサインばかりではありません。

それは多くの場合、「勉強量が足りない」というより、「時間の使い方=設計を見直すタイミングが来た」というサインです。

復習に入る前に、まず時間を失った場所を特定する。取るべき問題・迷った問題・捨てる問題に仕分ける。再現するミスだけを絞って潰す。そして、次の模試までに運用を変える——。

この順番で向き合うと、同じ勉強時間でも、択一式の見方は変わってきます。


私自身、社労士試験に5年かかりました。

途中で気づいたのは、点が伸びないのは努力が足りないからではなく、間違えた問題を「どう残し、次にどう潰すか」という勉強スタイルの設計がなかったからだということです。最後の年に変えたのは、勉強時間を増やすことだけではありませんでした。

模試で時間切れになった人は、単に復習量を増やすより、30日単位で勉強の回し方そのものを組み直したほうがいい場合があります。

努力しているのに点が伸びない——その感覚に心当たりがあれば、私が最後の年に変えた具体的な手順を、こちらにもまとめています。

本番試験までまだ時間はあるので是非頑張ってください。

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