好きを仕事にする前に、決めてほしいことがある。
「好きを仕事に。」
キャリアを考える上で、何度も耳にしてきた言葉です。 すごく素敵なフレーズだと思います。
でも、人材事業を運営している立場として、正直に言うと、
「好きを仕事にした瞬間、好きじゃなくなった」
という人を、何人も見てきました。
今日は、
コンテストのテーマである「ワーク〈ライク〉バランス」を、
少し違う角度から考えてみたいと思います。
📌「好きを仕事に」がうまくいかなくなる、2つのパターン
「好きを仕事に」してうまくいく人と、うまくいかない人がいます。
その差を見ていくと、大きく2つのパターンに分かれます。
✅パターン1:「好き」の種類を間違えていた
ひとつ目は、「好き」の中身が、
仕事として続けるものと違っていたケースです。
例えば、「絵を描くのが好き」だった人。
趣味で描いていた時は、
自由に、好きなものを、好きなタイミングで描いていました。
それが「自分の好き」の中身だったわけです。
でも、それを仕事にしてみたら、
納期がある
クライアントの要望に合わせる必要がある
修正依頼が入る
売れるテーマを描かないといけない
これ、「絵を描く」という行為は同じでも、中身が全く違うんです。
「自由に描くのが好き」だったのに、
仕事になると「制約の中で描く」になる。
これだと、好きじゃなくなるのは当然です。
「広告運用が好き」も同じです。
数字を分析するのが好き、改善が成果に直結するのが好き、なのか。
それとも、自分のペースで試行錯誤するのが好きだったのか。
ここを言語化せずに「広告運用が好き」だけで仕事にすると、
「好きなのは、好きにやれていた状態」だった
と気づくことがあります。
✅パターン2:「仕事化」したことで、好きの輪郭が変わった
ふたつ目は、好きの中身は合っていたけれど、
「仕事になったこと自体」が、好きを変えてしまった
ケースです。
趣味だった時は、評価される必要がなかった。
誰かに見せなくてもよかった。
うまくいかなくても、自分の問題で済んだ。
でも、仕事になると、
成果を出さないと評価されない
評価されないと収入が下がる
比較される
期待される
この「評価のプレッシャー」が、純粋に好きだった感覚を変えていきます。
「好きだから、ずっとやっていたい。」
そう思っていたはずなのに、
「これで稼がなきゃ」というプレッシャーが乗った瞬間、
好きの輪郭がぼやけて、苦しさが立ち上がってくる。
これ、起きる人にはガッツリ起きます。
📌「好き」を仕事にする前に、決めてほしいこと
じゃあどうすればいいのか。
私が思う答えはシンプルで、
「好き」を仕事にする前に、「なりたい自分」を決めてほしいんです。
順番が違うんです。
「これが好きだから、これを仕事にしよう」ではなくて、
「こういう自分になりたいから、
そのために必要なスキルを身につけよう」。
前者は感覚スタート、後者は目的地スタート。
「なりたい自分」が決まっていれば、
💭そこに向かう道筋として、今の仕事をどう使うか
💭どのスキルを伸ばすべきか
💭どんな案件を選ぶべきか
ここが自然と決まります。
そして何より、
「これは『なりたい自分』に近づくためにやっている」と思える仕事は、
多少しんどくても、続けられる。
逆に、「これは『好き』だからやっている」だと、
好きじゃなくなった瞬間に折れます。
📌面談で「やりたいこと」を聞く理由
私はBRAND CREW(ブランドクルー)という
マーケター人材事業の事業推進責任者として、
多くのマーケターと面談しています。
この面談では、
条件面より「キャリア構想」を聞くようにしています。
「どんなマーケターになりたいか」 「3年後、5年後、どんな状態でいたいか」 「今の仕事の何を伸ばしたくて、何を変えたいか」
ここを聞いている理由は、前回の記事で詳しく書いています。
▼前回記事はこちら
大きく言うと、
「やりたいこと」「なりたい自分」を明確にした上で案件を選ぶことが、
結果的に「好きじゃなくなる」リスクを減らすと思っているからです。
単に「広告運用ができる案件」をお渡しするのは簡単です。
単価が高い案件をお渡しすることも、できます。
でも、それが「なりたい自分」につながっていない案件なら、
いずれその人は疲弊します。
「好きだったはずなのに、なんで今こんなにしんどいんだろう」と。
📌データが示す「キャリア停滞感」のリアル
少しデータを見てみます。
マイナビキャリアリサーチLabの調査によると、
2025年の正社員転職率は7.6%で過去最高水準だそうです。
そして同じ調査で、もうひとつ印象的だった数字があります。
転職者の52.6%が、
「前職でキャリアに停滞感を感じていた」と回答しているんです。
停滞感の理由として挙げられているのは、
毎日同じ仕事の繰り返し
周りの評価とのギャップに悩んだ
将来性が見えなかった
これ、まさに「なりたい自分が見えない状態」ですよね。
「好きを仕事にしたはずなのに、停滞感がある。」
こういう状態に陥っている人は、多分思っているより多いです。
参考:マイナビキャリアリサーチLab「転職動向調査2026年版(2025年実績)」
📌仕事を「好きになる」順番
仕事が好きだと感じる瞬間って、いつでしょうか。
半年前にはできなかったスキルが、今はできるようになった
想像していた自分のキャリアに、一歩近づいた
周りの人から「変わったね」と言われた
自分の中で、迷いが減ってきた
この実感がある時、人は仕事を「好き」と感じます。
逆に言うと、
「評価されるための目標」だけを追っていると、
たとえ達成しても、その先に何があるのか分からなくなる。
「なりたい自分」という目標に向かって進んでいる実感がある時、
仕事はライクに変わる。
これが私の考える、「ワーク〈ライク〉バランス」の本質です。
📌好きを仕事にする前に、自分に聞いてほしいこと
最後に、
もしこの記事を読んでいるあなたが、
今まさに「好きを仕事に」しようとしているなら、
ひとつだけ、自分に聞いてみてください。
「私が本当に好きなのは、この仕事の何だろう?」
「この仕事が、私の『なりたい自分』にどう繋がるんだろう?」
答えが出れば、その仕事は続けられる仕事です。
答えが出なければ、
もう一度「なりたい自分」から考え直す時かもしれません。
「好きを仕事に」は、間違いじゃない。
ただ、順番が大事なだけです。
⚓BRAND CREW(ブランドクルー)について
マーケター向けの人材マッチングサービスです。
現役マーケターが面談を担当し、
条件面より「キャリア構想」を重視したご紹介をしています。
複業(副業)を始めたいマーケターさん、
独立を視野に入れているマーケターさん、
「なりたい自分」を一緒に整理する面談、受け付けています。
📩登録・面談のお申し込みはDMまで。
▼BRAND CREW note(平日不定期で更新中)
https://note.com/brandcrew
BRAND CREW(ブランドクルー):https://brandcrew.jp/home
運営会社(株式会社ファストノット):https://fustnot.jp/
D2C事業(BELMISE ベルミス):https://belmise.com/
