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【川崎重工ら3社連携「船舶用水素エンジン」開発が前進!】 2031年実用化へ 日本の造船業復権の切り札か?

第1章:水素エンジン開発の現状と体制

1.1 開発の主体と目標

  • 開発体制: 川崎重工業、ヤンマーホールディングスの船舶用エンジン子会社、ジャパンエンジンコーポレーション(三菱重工業の船舶用エンジン事業などがルーツ)の3社が連携して開発中。

  • 実証設備: 兵庫県明石市のジャパンエンジン本社工場に、実証に使う水素燃料を供給する設備が完成。

  • 実用化目標: 2031年の実用化を目指す。

1.2 川崎重工が公開した水素エンジンの仕様

  • 対応船型と出力: 最大1万トンほどの中型船に対応し、出力は2,600kW。

  • 技術基盤: 既存の船舶用エンジンを基に開発。重油の代わりに水素などをシリンダー内で燃焼させる。

  • 脱炭素化の段階:

    • 現状: 始動時に重油を使用し、駆動時も水素と重油を混ぜた燃料で動かすため、CO2排出が残る。

    • 最終目標: ほぼ100%水素で動かすことで、CO2排出量をゼロに近づける。

1.3 開発の進捗と今後の課題

  • 地上試験: 2025年初めから地上試験を継続しており、水素のみで約40分の運転が可能。

  • 今後の課題: 連続して安定駆動できる制御技術の確立、2028年度までのタンクや配管など関連部品の完成。

  • 協力範囲: 3社はそれぞれ異なる大きさのエンジンを開発し、数百トンの小型船から数万トンの大型船まで対応。安全確保や周辺装置の技術で協力している。


第2章:水素燃料の優位性と普及への障壁

2.1 水素の特性と欧州との競争

  • 究極の燃料: 九州大学の佐々木教授によれば、水素は質量あたりの発熱量がガソリンの約2.7倍と高く、CO2排出もない「究極の燃料の一つ」。

  • 世界の動向: 水素エンジンは欧州企業も開発しているが、3社連合による本格的な陸上実証は世界初とみられる。

2.2 水素普及の技術的・政策的課題

  • 技術的課題(運搬・貯蔵):

    • 効率的な運搬には、マイナス約253℃以下という極低温での液化が必要。

    • 液化時の熱量あたりの体積が重油の約4.5倍と大きく、アンモニア、LNG、メタノールに比べハードルが高い。

  • 政策的逆風(IMO規制の採決延期):

    • 国際海事機関(IMO)が目指していた、重油燃料船への負担金賦課などの新規制(2050年脱炭素目標)の採決が、米国などの反対により1年延期された。

    • 影響: 日本総合研究所は、この延期により水素やアンモニアなど次世代燃料に対する動きがスローダウンする可能性を指摘。


第3章:日本の造船業復権への期待と国際競争

3.1 脱炭素化の大きな流れ

  • 川重の姿勢: 川崎重工の政本理事は、海運が脱炭素に向かう大きな流れは一時的な減速があっても変わらないと強調。

  • 荷主の動向: アマゾン、ナイキ、イケアなど欧米大手企業は、「ゼロエミッション船」の活用に積極的。

3.2 国が掲げる目標と水素への期待

  • 国の目標:

    • 2030年:ゼロエミッション船など次世代船舶の受注量で世界トップシェアを確保。

    • 2035年:日本で建造する船舶の4割を水素やアンモニアなど新燃料を使った船とする。

  • 水素の重要性: 次世代船舶のうち、アンモニア燃料船は既に中韓勢との競争が激しいため、日本の優位確保には水素燃料への期待が大きい。3社の開発は国の基金からも支援を受けている。

3.3 低迷する日本の造船シェア

  • 現状のシェア: 2024年の新造船受注シェアは、中国が69%、韓国が15%を占める一方、日本は7%に低迷(英クラークソン・リサーチ)。

  • 過去の経緯: 日本は1990年代にシェア4割で首位だったが、LNG運搬船などの需要拡大の際に出遅れた。

  • 決意: 過去の失敗(出遅れ)を繰り返さないため、水素エンジンなどの技術開発を急ぐことで、日本の造船業の復権を目指す。        以上、日経新聞よりまとめてみました。

☆まとめ

川崎重工業、ヤンマー、ジャパンエンジンコーポレーションの3社は、船舶用水素燃料エンジンの共同開発を加速しています。実証用水素供給設備が完成し、2031年の実用化を目指しています。これは、脱炭素技術で日本の造船業を復権させる切り札として期待されています

2025年初めからの地上試験では、水素で40分の運転に成功。3社は大小さまざまな船舶に対応するエンジンを開発中です。

水素は「究極の燃料」とされる一方、液化には極低温が必要で、体積も重油の約4.5倍と、インフラ面で高いハードルがあります。

また、温暖化ガス排出規制の採決が1年延期されたことで、脱炭素政策の「減速」が懸念されています。しかし、アマゾンやナイキなどの大手がゼロエミッション船活用に積極的であることから、長期的な脱炭素の流れは変わらないとの見方もあります。国も2030年の次世代船舶受注で世界トップシェアを目標に掲げ、中韓勢との競争が激しいアンモニア燃料船に対し、日本の優位確保には水素エンジンへの期待が集中しています。低迷する造船シェアの回復に向け、技術開発が急務だと思います。


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