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唯一無二という引力 ~『WOKE UP』1億回再生が意味するもの~

先日、XGの5th Single 『WOKE UP』のミュージックビデオが、YouTubeで1億回再生を突破した。

1億回再生という数字自体は、今では決して珍しいものではない。
しかし、この記録には数字以上の意味があるように思う。
なぜなら、XGにとって初めての1億回再生を達成したのが、『SHOOTING STAR』でも『LEFT RIGHT』でもなく、『WOKE UP』だったからだ。

『SHOOTING STAR』や『LEFT RIGHT』は、間違いなくXGを世界へ押し上げた代表曲である。
洗練されたサウンドとキャッチーなメロディで、多くの人がXGという名前を知るきっかけになった。
だから私も、最初に1億回へ到達するのは、この2曲のどちらかだと思っていた。
しかし、世界が最初に選んだのは『WOKE UP』だった。

2024年5月21日にリリースされた『WOKE UP』は、XG初のオールラップソングだった。
リリース直後からYouTubeの急上昇チャートでは、アメリカ1位を含む19の国と地域にランクインし、世界中でバイラルを巻き起こした。
さらに、XGALXはこの楽曲を「XGを全く新しい方向へ導く作品」と位置づけ、「ヒップホップのアイデンティティに立ち返る作品」だと語っている。
今振り返れば、『WOKE UP』は、「これがXGだ」と世界へ突きつけた作品だったのかもしれない。

『WOKE UP』は、決して聴きやすさを追求した楽曲ではない。
全編英語詞。
しかもオールラップ。
ラップはフロウだけでなく、歌詞やライミングを理解することで、さらに魅力が深まるジャンルでもある。 

日本では決してハードルの低い作品ではなかった。
実際、以前まとめたYouTube Musicの国別ランキングでも、『WOKE UP』は世界全体では3位だった一方、日本では6位、韓国では8位だった。
しかし海外では、タイ、フランス、ドイツ、ブラジル、アルゼンチン、トルコ、サウジアラビアで1位、アメリカやスペインで2位、イギリスやカナダ、メキシコ、オーストラリアでも上位に入るなど、高い人気を集めていた。 

この1億回は、日本だけではなく、世界中のリスナーが積み重ねた1億回だったのである。

では、なぜ世界は『WOKE UP』を選んだのだろう。 

私は、この作品こそがXGというグループの本質を最も表した一曲だったからだと思っている。

オールラップという挑戦。
メンバー全員が身につけた、オオカミをモチーフにしたコスチュームやフットボールヘルメット、そしてそれぞれ異なるデザインのグリルズ。
そして、COCONAの坊主という大胆な決断。
そのどれもが、「これまでのガールズグループ」とは違うことを強く印象づけた。

後日、COCONAは自身のブログで、坊主にした理由についてこう語っている。
「女性らしいファッションや、ヘアメイクに関係なく、世界中の方々が、ただありのままの自分を愛してほしい。」
あの坊主姿は、話題づくりではなく、自分自身の信念を表現するための選択だったのである。 

私が今でも時々見返す映像がある。
2024年6月14日、『ミュージックステーション』での日本のテレビ初出演だ。

披露したのは、『X-GENE』に続く『WOKE UP』。

トークでは笑顔で話す、ごく普通の女の子たち。
しかし、パフォーマンスが始まった瞬間、空気が一変した。 

鋭い眼差し。
圧倒的なオーラ。
一切妥協のない世界観 

ALPHAZでさえ、「ここまで振り切るのか」と圧倒された人も多かったのではないだろうか。
初めてXGを見た人なら、なおさらだったはずだ。

それでもXGは、分かりやすく受け入れられることを選ばなかった。
「これがXGだ。」
その姿勢を、日本中に見せつけた数分間だった。

そして、『WOKE UP』が唯一無二だと感じる理由は、音楽そのものにもある。
この曲は、808ベースを軸に、東アジアを感じさせる音色が織り込まれた独特のサウンドで、ほぼ同じビートのまま最後まで進んでいく。
普通なら単調になってもおかしくない。
しかし、不思議なくらい飽きない。 

JURINの力強い幕開け。
HARVEYの独特な声とフロウ。
CHISAの意外性あるラップ。
MAYAの高速ラップ。
COCONAの重低音。
HINATAの耳に残るフック。
JURIAの透明感あるラップ。 

リアクション動画を見ていても、メンバーが変わるたびに動画を止める人が本当に多い。
「今の何?」
「この子は誰?」
そんな反応が何度も繰り返される。
同じビートなのに、7人全員が曲の展開になっている。
私は、ここに『WOKE UP』の最大の魅力があると思う。

私は、『WOKE UP』には不思議な引力があると思っている。 

一度聴けば終わりではない。
もう一度MVを見たくなる。
リアクション動画を見返したくなる。
歌詞の意味を知りたくなる。
次は別のメンバーに注目したくなる。
聴くたびに、新しい発見がある。
だから、また再生ボタンを押してしまう。 

その引力は、私だけではなかった。
世界中のリアクターが『WOKE UP』を入口にXGへ引き込まれ、世界中のリスナーが何度もこの曲を再生した。
その積み重ねが、1億回という数字につながったのだと思う。 

『SHOOTING STAR』や『LEFT RIGHT』は、XGという名前を世界へ届けた。
そして『WOKE UP』は、XGという存在を世界の記憶に刻み込んだ。 

他の誰かになろうとした作品ではない。
XGが、XGであることを貫いた作品だった。 

1億回という数字は、その「引力」が本物だったことを証明した、一つの結果なのだと思う。
だから私は、XGにとって最初の1億回再生が『WOKE UP』だったことを、偶然だとは思わない。
世界が最初に選んだ一曲が、この「唯一無二」だったことに、大きな意味を感じている。 


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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