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看護師がマクドナルド並みの時給で働く日本と「同一労働・同一賃金」のオーストラリアとの大きな違い

今日、新聞を読んでいて「読者の声」に目が止まりました。

3月18日 朝日新聞朝刊 オピニオン「声」

はじめに

この投稿内容は、長年貢献してきた専門職の方にとって非常に心苦しい現実です。命を預かる現場で責任は変わらないのに、給与だけが削られていく。オーストラリアの「アワード(裁定制度)」のように、職種やスキル、経験に基づいた明確な賃金体系を知っている筆者からすれば、日本の現状は「非合理」の極みに見えます。
なぜ日本では、パートや定年を機に、専門性とは無関係に時給が下がってしまうのか。そこには日本特有の雇用慣行と構造的な問題が絡み合っていました。

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1.「職務」ではなく「立場」で給与が決まる日本

日本の賃金体系は、いまだに職能給(人に対する給与)がベースです。

  • オーストラリア: 「看護師の仕事」に対して時給が決まる。

  • 日本: 「正社員」「パート」「嘱託(定年後)」という「雇用形態」に対して給与レンジが決まる。

投稿者のケースでは、仕事内容(職務)が変わっていないにもかかわらず、会社側が「定年再雇用」という枠組みに当てはめた途端、社内規定の低い賃金テーブルを適用したと考えられます。

2.日本特有の「L字型カーブ」

育児休業後の復帰や、ライフステージの変化でパートタイムを選んだ途端、それまでのキャリアや専門性がリセットされて「最低賃金レベル」まで叩き落される。この「L字型カーブ」とも呼ばれる日本の労働慣行は、非常に根深く、かつ理不尽なものです。

オーストラリアのような「職種別賃金」が浸透している国から見れば、「仕事の内容が同じなのに、なぜ属性(正社員かパートか)で給与が決まるのか」という疑問は当然です。

3. 海外の日本特派員は、このように本国に送信します

オーストラリアのメディア、特に『Sydney Morning Herald(SMH)』のような有力紙の特派員であれば、この投稿を単なる「一主婦の愚痴」とは捉えません。彼らにとって、これは「経済大国日本の、構造的な労働市場の機能不全」を象徴する格好のケーススタディになります。
特派員が本国デスクに送る記事の構成は、おそらく以下のような鋭い切り口になるでしょう。

日本の「シルバー」看護師:国家資格も経験もあるのに、マクドナルドのアルバイト並みの賃金

「東京の静かな朝、あるベテラン看護師の声が新聞の投書欄に響いた。彼女は60歳の定年を迎えた途端、時給が300円カットされ、マクドナルドのアルバイトと大差ない1,100円(約11豪ドル)になると訴えている。世界で最も高齢化が進むこの国で、命を守るエッセンシャルワーカーが、なぜこのような扱いを受けるのか。」

3-1.オーストラリアとの対比(同一労働・同一賃金)

「オーストラリアの読者には信じがたいことだが、日本には職種ごとの最低賃金を定める『アワード』という概念が事実上存在しない。豪州では資格と経験に基づき、雇用形態に関わらず公正な時給が保証されるが、日本では『正社員か否か』という身分が、専門性よりも優先される。」

3-2.社会的背景の分析

「この記事の背景には、日本の根深い『L字型カーブ』がある。育児や定年を機に一度正社員のレールを外れた女性たちは、どれほど高度な国家資格を持っていても、二度と相応の待遇に戻ることはできない。日本政府は『女性活躍』を掲げるが、実態は安価な労働力としての『活用』に留まっている。」

3-3.結び(痛烈な皮肉)

「日本は深刻な看護師不足に悩まされている。しかし、この投稿が示す通り、日本社会が熟練労働者を『使い捨てのパーツ』として扱い続ける限り、その不足が解消される日は来ないだろう。投稿者の看護師は問いかけている。『国家資格とは何のためにあるのか』と。」

3-4.特派員の視点のポイント

SMHの記者が注目するのは、以下の3点に集約されます。

1. 男女賃金格差: 「パート」=「被扶養者女性」という構図を利用した搾取。
2. Membership Trap: 仕事内容ではなく、組織への「忠誠(正社員フルタイム勤務)」の度合いで給与が決まる異質さ。
3. 経済的な非合理性: 人手不足なのに賃金を下げるという、需要と供給の法則を無視した日本企業の慣行。

4.筆者まとめ

  • 「同一労働・同一賃金」のオーストラリアの社会で暮らした筆者にとって、日本の「L字型カーブ」は異様に写ります。

  • 日本では、出産や育児、ライフスタイルの変更などの理由で、フルタイム正社員を外れた途端、どんなにスキル(資格+経験)を持っていても、時給は、1,000円程度の最低賃金になってしまいます。

  • 一方、欧米やオーストラリアでは、同一労働・同一賃金が原則。フルタイムからパートタイム勤務に変わっても時給は変わりません。

[本記事に関する管轄官庁]
厚生労働省 雇用環境・均等局
厚生労働省 労働基準局
厚生労働省 医政局(看護課)


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