背丈くらいの本棚(本の手触り②)
本の手触りについて書こうとして、昔の本の手触りを確かめようと、本棚に手を伸ばした。
そういえば、この頃では、本棚を持っている人はどのくらいいるのだろうか。
私は昔から、書斎というものに憧れていた。
いろんな人の書斎についての本や、雑誌の「書斎特集」を見て、興奮していた。
昔の書斎には必ず本棚があった。
自室を与えられてからずっと、私の部屋には本棚があった。
社会人になる時、日垣隆さんの『知的ストレッチ入門』という本を読んで、そこで紹介されていた「ロング書棚」を購入した。
背丈くらいの、ちょうどいい本棚だと思ったのだ。
https://search.rakuten.co.jp/search/mall/ロング本棚/
群ようこさんの『本取り虫』(ちくま文庫)に、本棚の話がある。
群さんがちょうど今の私の年齢くらいの時の話だ。
大変な読書家で、家中に本があふれかえっていたが、「自分の身の丈にあった本棚で満足するようになった」という話である。
自分が所有する本は、この「身の丈本棚」だけにして、それ以外は処分するのがよいだろう、という話である。
似たような話を、図書館にお勤めの「晴れる」さんが、noteでされていた。
トルストイの「人にはどれだけの土地がいるか」をもじった、記事「人にはどれだけの蔵書がいるか」。(まさしく背丈くらい。)
自宅の蔵書は400冊くらい。
多すぎる蔵書は生活も圧迫するし、きちんとお世話できる以上の数を所有するのは虐待ではないかと思う、とのこと。
虐待、と言われると、ううむ、確かになあ、と、家の本達に申し訳ない気持ちになってきた。
Radwimpsの楽曲に『やどかり』というものがある。
そうやって手に入れたものすべて
結局持ってなど逝けないのに
だから せめて今は持って行こう
両手にできるだけ持っておこう
その数がきっと僕のこと
教えてくれる気がするから
すべては持っていけないけれど、厳選された、自分の手に余らないくらい、背丈くらいの手触りを、持っている幸せ。
