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冬の光、恩寵の光♯8-悲しいのに、なぜか心が晴れることがある

Horizontal Ethics ― Constant flow


「霙が降っていた。――足跡が、ゆっくり滲んでいく。」

―― さよならの温もりを、指先に残して。凍てつく道が、今、雪解け水に潤む。


第8話 ――

歩み止めず / Constant flow 絶え間ない流れ/ 冬の道



1月の終わり。
外では霙が降っていた。

恋人と正直な気持ちを話し合い、二人は別々の道を歩むことを決めた。
長い沈黙の末に、ようやく二人で手繰り寄せた答えだった。
悲しくないと言えば嘘になる。
でも、不思議と心は晴れやかだった。

最後に握った手の温かさが、まだ指先に残っている。
それが消える前に、自分の手で土を耕そうと思った。

誰かに与えられるのではなく、自分の手で。
それだけが、確かなことだった。


帰り道、コンビニの灯りが水溜りに映っていた。
気づいた時には、もう踏んでいた。
冷たさが沁みる。


湿り気を帯びた夜の匂い。
人生は続く。


この経験も、いつか振り返れば、ただの通り道。凍てついていた冬の道が雪解け水で潤むように、私の時間もまた流れ始める。





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