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【新作映画 評論】ぼくの名前はラワン(NAME ME LAWAND)

■オススメ度
🌕🌕🌕🌕🌑

意思伝達は世界の視野を広げていくだけでなく、人間性をも回復させる。

イラク領クルディスタンで育ったクルド人のラワンはろう者であることから、学校ではいじめ・嫌がらせを受け、家族とも上手くコミュニケーションが取れずにいる。
家族はそんなラワン君の将来のために、イギリス・ダービーへ向かう決心をする。
そこでも過酷な難民生活を強いられ、悲しみや辛さという気持ちを誰にも伝えることができずに内に抑えたままであった。
兄は常にラワンの味方であり唯一の友達でもあるが、両親は口話ができないでいるラワンに少しずつ苛々を募らせていく。

ダービーへ何とか移り、ラワンはろう学校に入ることができ、自分と同じろう者の学生・先生と手話をすることで初めて言語を獲得していく。

本作は、ラワン(家族ものちに勉強を始めるのだが)が、今まで存在しなかった「手話」という言語を覚えることで、徐々に自己を表現し、アイデンティティーや居場所を獲得するプロセスが丁寧に描かれている。これは単に手話に関する映画ではなく、意思を表現することで如何に人間性を回復し、他者との関わりを持つことができるかを示した一作である。

ろう者だけに関わらず、口話を使う我々(筆者がそうであるのでそう表現するが)にも同じことが言えるのだ。その過程を主人公のラワンを通じて我々に再認識させてくれる。

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