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時空を超えて‥‥小説(世流寝狐21)



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「えぇ、昨日合同会議へ出席してきた。皆も想像はつくと思うが厳しい内容だった。特に誘拐事件については全国的に注目を浴びており、警視庁から大分県警に早急に解決をするよう最大限努力して欲しいと通達があったようだ。長引くようであれば応援が来ることになるだろう。我々としては当初の考え通り、幼児の命を第一に考え慎重に進めていくことに変わりはないが、長期化はいい結果を生まないのは当然だ。他県、各署との連絡を密にし、小さな情報を見逃さず捜査に全力を尽くすように。特に我々警察に対して、挑戦的な電話はあったが、犯人の要求はいまだどの署にも入っていないことから、前科者を含め変質者の洗い出しを再度強化し、捜査範囲を他県まで広げてもらいたい。それから、元町の毒猫事件に関してだが、被害者の身元すら判っていないため、他署へ現状の報告をし、行方不明者の洗い出しの協力をお願いした。現在は合志一人にこの捜査に充たってもらっているが、人の命は子供であろうと大人であろうと全く同じだ。外部の声をいろいろと耳にすると思うが、捜査員はそれぞれの立場で努力して欲しい。どちらかの事件が解決しだい、もう片方に合流してもらうつもりでいる。また捜査上で疑問点、要求事項があれば遠慮せず後で述べてもらいたい、私からの報告は以上だ」
 合志は係長の話しを聞いてほっとした。県警本部の見解は聞けなかったが、係長の言葉で前日抱いた不安は消えた。
 会議は二つ目の議題に移っていった。今回は篠田が報告するらしい。
 篠田が発言している間、事件についてもう一度整理してみた。そして進展をみない最大の原因は、被害者の身元不明にあると改めて思う。
 何故だろう――、何故問い合わせの電話が無いのか。四十の男といえば普通は妻や子がいる。もし結婚をしていなくても親や兄弟がいるだろう。何故なんだ。
 合志は自問自答を繰り返した。それは事件に対する苛立たしさというより、害者をとりまく者達への腹立たしさが含まれたものだった。
 家族が近くにいないのか、ならば職場はどうだ。上着は無くともネクタイ姿である以上、無職ではないはずだ。上司や同僚が不信に思い、家族に連絡し、いずれ警察へ捜索願いが出るだろう。それが四日を過ぎても届け出が一件も無いというのはどういう事だ。
 昨日の蕎麦屋の老婦ではあるまいに――。

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週末に少しずつ投稿する予定です。作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

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秋下 左内(あきもと さない) 「背中を押してみるか」な~んて、ほんの僅かでもお気持ちが膨らんだらよろしくお願いします。貴方様の最大限のご支援は、目薬、クッション、栄養ドリンクなど、KEYを叩く力に代えさせていただきます。