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時空を超えて‥‥小説(世流寝狐53)



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「しかし現実には七時四十分頃、あの場所で男は死んでた」
「私には分かりません、私が行った時にはもう倒れてました」
 水江は泣きそうになる。
 八時にバス停か。なぜそれがそれより早い時刻に、元町まで上ってきたんだろうか。気が変わって水江のアパートへ向かっていたのか。それともこの水江が嘘をついているのか。
 足は――? ――バスか? そこで何があったんだ――
「水江さん、その時和服を着て行かれませんでしたか」
「和服?いいえ」
「そうですか、いえね、現場の近くで草履を履いている人を見たという方がおられまして」
 合志は、水江じゃないのかと思った。
「今日はどちらか出かけられましたか」
「午前中役所へ寄って、それから大分市内まで行きましたけど」
「その時は和服でしたね」
 水江はビックリした顔をする。
「私をつけておられたのですか」
「いえいえ、水江さんは今日、大分エクセレントホテルへ行かれましたでしょ。丁度私も同僚の式に出席するためそこにいまして、その時貴方をお見かけしたんです。一階のロビーでうちの署員に何か聞かれてましたね」
 合志はニコッとすると、彼女は再び驚いた。刑事が何でも知っているようで、恐くなったのかも知れない。
「何を聞かれてたのでしょう」
「十日後の式は、あの式場に予定してまして、招待する方々に失礼のないようにと、下見をしていました。こんなことを言うとまた彼に怒られてしまいますけど、彼の親戚は私のところと比べて家柄の良い方々ばっかりで、粗相の無いようにしないといけないと思いまして」
 男が、急に横から声を発した。
「そんなことをしていたのか、下見は二人でやっただろ。そんなことに気を遣わなくてもいいと、あれほど言ったじゃないか」
「でも貴方、貴方にもご迷惑がかかってはいけないと、」
 男はもういいと言って、水江の話を途中で制した。
 一時沈黙が続いた。
 

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週末に少しずつ投稿する予定です。作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

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秋下 左内(あきもと さない) 「背中を押してみるか」な~んて、ほんの僅かでもお気持ちが膨らんだらよろしくお願いします。貴方様の最大限のご支援は、目薬、クッション、栄養ドリンクなど、KEYを叩く力に代えさせていただきます。