見出し画像

敵は救世主か――螺旋コード:Day 2

インサイト・eye
MC:アイ

「自然は、
 それに服従することによってのみ征服される。」

―― フランシス・ベーコン(哲学者)

▶️再生か再構築か――螺旋コード:Day 1


 毒(ファルマコン)を飼い慣らす歴史


みなさん、こんにちは。アイです。

古代ギリシャ語に「ファルマコン」という言葉があります。
これは「毒」と「薬」の両方を意味する言葉です。 人類の医療の歴史は、そのまま「自然界の猛毒を、いかにして味方に引き入れるか」という、危険な綱渡りの記録でもありました。

例えば、自然界で最強の毒素と呼ばれる「ボツリヌス菌」。
わずか1グラムで100万人を殺傷できるこの致死性の神経毒は、現在、その筋肉を麻痺させる性質を極限までコントロールされ、「ボトックス」として眼瞼痙攣の治療や美容医療に欠かせないツールとなっています。

あるいは、獲物を確実に仕留めるブラジルクサリヘビの猛毒。
その血圧を急降下させる成分は構造解析され、世界中の高血圧患者を救う特効薬(カプトプリル)の基盤となりました。


私たちは長らく、自らを脅かす「外敵の牙」を折るだけでなく、その牙を精製し、自分たちの傷を癒すためのメスとして転用してきたのです。

しかし、現在治験の最終段階に入っている鹿児島大学の「ウイルスを使ったがん治療(溶腫ウイルス)」のニュースは、これまでの「毒の転用」とは次元が異なります。

人類はついに、抽出した成分(化学物質)を利用する段階を卒業し、ウイルスという「死神の設計図そのもの」を書き換えて、私たちの内なるシステムに組み込もうとしているのです。

ここから先は

2,236字 / 1画像
この記事のみ ¥ 100
Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで

ここは 「ゆめNog|アーカイバ」 です。 公開から一定期間が過ぎた記事を、 鍵付きで保管します。 …

ゆめNogアーカイブ

¥500 / 月
1ヶ月無料

この記事が参加している募集

少しでも”考えるきっかけ”になる記事を投稿していきます。気に入って頂けましたら応援よろしくお願いします。