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悪魔の天秤――螺旋コード:Day 3


インサイト・eye
MC: アイ
ゲスト:ミライ

「自然が不完全なのではない。
 私たちの理解が、常にシステムの一部に過ぎないのだ」

―― イリヤ・プリゴジン(散逸構造論・ノーベル化学賞受賞者)

▶️敵は救世主か――螺旋コード:Day 2



完璧ではない「生命」というシステム


アイ:
みなさん、こんにちは。アイです。

本日の『インサイト・eye』は、少し空気が違います。
いつもは私一人で事象の構造を解剖していますが、今日は頼もしい、そして少しばかり熱すぎるゲストをお迎えしています。

『ミライのフロンティア』から来てくれました、ミライさんです。

ミライ:
アイ先生、よろしくお願いします!
今日は構造の話だけじゃなくて、もっとガンガン攻める未来の話もしにきました!

アイ:
ええ、期待していますよ。 さて、本日私たちが解剖する事象は、生命が抱える「究極のパラドックス」についてです。

先日、非常に興味深く、かつ残酷な研究結果が発表されました。

「体内に末梢癌がある状態だと、TREM2という免疫スイッチを介して、脳内のアルツハイマー病理(アミロイドの蓄積)が軽減される」というものです。

癌と、アルツハイマー。
人類が現在直面している、最も重く、最も恐れられている二つの病。それが、私たちの体内で「綱引き」をしているという事実が明らかになったのです。

ミライさんはこのニュースを読んだ時、どう感じましたか?

ミライ:
最初は、なんだこれ!って思いました。
どっちも最悪の病気なのに、片方が存在するともう片方がマシになるなんて、まるで悪魔の取引みたいだなって。

でも、TREM2っていうマクロファージ(免疫細胞)のスイッチが関係してるってことは、そのスイッチの押し方さえ分かれば、両方を防げる日が来るんじゃないかって、すごくワクワクしたんです。

アイ:
なるほど。
いかにもミライさんらしい、前向きで直線的な推論です。

しかし、事象を「構造」として俯瞰した時、そこに浮かび上がるのはもっと冷徹な事実です。

生命というシステムは、決して「完璧」を目指してデザインされたものではない、ということです。

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