悪魔の天秤――螺旋コード:Day 3
インサイト・eye
MC: アイ
ゲスト:ミライ
「自然が不完全なのではない。
私たちの理解が、常にシステムの一部に過ぎないのだ」
完璧ではない「生命」というシステム
アイ:
みなさん、こんにちは。アイです。
本日の『インサイト・eye』は、少し空気が違います。
いつもは私一人で事象の構造を解剖していますが、今日は頼もしい、そして少しばかり熱すぎるゲストをお迎えしています。
『ミライのフロンティア』から来てくれました、ミライさんです。
ミライ:
アイ先生、よろしくお願いします!
今日は構造の話だけじゃなくて、もっとガンガン攻める未来の話もしにきました!
アイ:
ええ、期待していますよ。 さて、本日私たちが解剖する事象は、生命が抱える「究極のパラドックス」についてです。
先日、非常に興味深く、かつ残酷な研究結果が発表されました。
「体内に末梢癌がある状態だと、TREM2という免疫スイッチを介して、脳内のアルツハイマー病理(アミロイドの蓄積)が軽減される」というものです。
癌と、アルツハイマー。
人類が現在直面している、最も重く、最も恐れられている二つの病。それが、私たちの体内で「綱引き」をしているという事実が明らかになったのです。
ミライさんはこのニュースを読んだ時、どう感じましたか?
ミライ:
最初は、なんだこれ!って思いました。
どっちも最悪の病気なのに、片方が存在するともう片方がマシになるなんて、まるで悪魔の取引みたいだなって。
でも、TREM2っていうマクロファージ(免疫細胞)のスイッチが関係してるってことは、そのスイッチの押し方さえ分かれば、両方を防げる日が来るんじゃないかって、すごくワクワクしたんです。
アイ:
なるほど。
いかにもミライさんらしい、前向きで直線的な推論です。
しかし、事象を「構造」として俯瞰した時、そこに浮かび上がるのはもっと冷徹な事実です。
生命というシステムは、決して「完璧」を目指してデザインされたものではない、ということです。
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