仕組まれた錬金術――闇の支配者:革命の歴史 Vol.24.4
MC: アイ、ユウ
彼らは金塊を捨て、代わりに黒い血を金庫に入れた。
その日から、紙切れは世界を支配する魔法の護符となった。
物理の檻から、概念の檻へ
ユウ:
前回は、分留っていう技術のおかげで、原油が一滴も無駄にされず、世界の物流やインフラの全部に割り当てられているって言うお話でしたよね?
アイ:
ええ、その通りよ。
ガスから重油まで、人間の都合に関係なくすべてが同時に生成されてしまう連産品の呪縛。
私たちはエコバッグを持ち歩きながら、裏ではその完璧な「物理の檻」に縛り付けられている。
ユウ:
なんというか、ジェンガみたいに一つでもパーツを抜いたら全部崩れちゃう、逃げられないシステムなんだなって、すごく怖くなりました。
でもアイ先生、それだけでも十分絶望的なのに、まだその先があるんですか?
アイ:
物理的なサプライチェーンの檻、それはあくまで「外側のインフラ」の話に過ぎないわ。
1970年代、この無駄のない物理システムは、さらに凶悪な「概念」と結びつくことになるの。それがお金……つまり「米ドル」よ。
ユウ:
お金?
お金って、ただのモノとモノを交換するツールですよね。原油の精製システムと、どう関係してくるんですか?
アイ:
時計の針を1971年に進めましょう。
ここで「ニクソン・ショック」と呼ばれる歴史的な事件が起きたの。
【革命:1971年 ニクソン・ショック
(絶対価値の喪失)】
当時のアメリカ大統領リチャード・ニクソンが、米ドルと「金(ゴールド)」の交換を突然停止した事件。
これにより、ドルは金という絶対的な価値の裏付けを失い、世界経済は大きな混乱に陥った。
ユウ:
あ、それなんとなく聞いたことあります。
でも、金と交換できなくなったってことは、ドルってただの「印刷された紙切れ」になっちゃったってことですよね?
なのに、どうして今でもドルが世界で一番強いお金として君臨しているんですか?
アイ:
まさにそこが、史上最も冷徹な「仕組まれた錬金術」の核心よ。
ゴールドという後ろ盾を失ったアメリカは、新しい絶対的な価値を探した。
そして1974年、サウジアラビアをはじめとする中東の産油国と、ある密約……「血の契約」を結んだの。
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