機内でローカルLLMと「バイブコーディング」を試みたら、ひたすら振動アプリを提案された話
ネット遮断の13時間は「最強の生産性」を生むはずだった
アメリカの大学の研究員を務める友人宅を訪ねるるため、渡米しました。太平洋を横断する長い空の旅。ネットが繋がらないこの13時間こそ、普段できない「深い集中」を生むチャンスだと、私は密かに意気込んで乗り込みました。
今回やろうとしたのは、以前から試してみたかった「ローカルLLM」を使ったバイブコーディングです。通信できない機内でも、手元のデバイスに保存したAIと対話しながらサクサクとアプリ開発を進める。そんな生産的な時間を過ごすつもりでした。これからは、オンデバイスAIの時代が来ると言われてますし、その予行演習も兼ねて。
iPhoneと謎モニターの「コックピット」で始まった不毛な戦い
シートベルト着用サインが消えるやいなや、私は狭いテーブルの上に環境を構築しました。iPhone15Proに、メルカリで5000円で購入した中国製と思しきノーブランドの13.3インチモバイルディスプレイをケーブルで接続。
ちゃんと画面は拡大表示されました。そこから、手元にはアメリカ行きのために購入したEwinの折りたたみキーボードを展開します。周囲の乗客が映画を見始める中、空間を作り出し、ローカルLLMを起動しました。
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さっそく「Pocket Pal AI」というアプリを開き、事前にダウンロードしておいた「Quen2.5-3B -instruct」や「Gemma-2-2b-it」に「バイブコーディングでアプリを作りたい。アイデアを10あげてください」と打ち込みます。キーボードは軽快に文字を打ち込んでくれましたが、返ってきた答えは予想の斜め下を行くものでした。

「スマートフォンのバイブレーション機能を使ったアプリの提案ですね」
画面の前で思わず天を仰ぎました。
ネットから切り離されたローカルのAIは、さ最近SNSで生まれた「バイブコーディング」という言葉を知りません。言葉通りの意味で解釈し、ひたすらスマホを振動させるアイデアを真面目に提案してくるのです。
「違う、そうじゃない。AIと対話しながらコードを書くことだって」と、キーボードを叩いて修正を試みました。AIも学習能力はあるので、次第に「生成AIを使ったアプリ開発」という文脈は理解してくれましたが、そこからが限界でした。
ネット上の最新トレンドや膨大なライブラリの知識にアクセスできない彼らがひねり出すアイデアは、どれも「よくあるやつ」の域を出ません。私たちが普段、クラウド上AI(GeminiやChatGPTなど)と「今っぽい」開発をしていたのかを痛感させられました。
「こりゃもう無理」そっとモニターの電源を落とした
クラウドの偉大さを知り、ただの乗客に戻った私。集中力は1時間と持ちませんでした。
エコノミークラスの狭さにも耐えられず「こりゃもう無理」と、そっとモニターの電源を落とし、キーボードを畳みました。残りの12時間あまりは、あらかじめダウンロードしておいたKindle本を読み漁り、YouTube動画をただひたすら消費してて過ごすことになりました。
大掛かりなガジェットを展開して得られたのは、「クラウド上のAIは偉大である」という教訓だけでした。友人に会う前の空の旅、帰りは素直に映画でも見ようと思います...
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