Plaud Note ✕ AI(Antigravity)で、自分専用の「外部脳」を構築した話(私用限定)
あけましておめでとうございます。
米国から帰国し、再び時差ボケに悩まされておりますが、以前「【ランキング】今年買ってよかったガジェット個人的TOP5+1」でもご紹介した自己流の「Plaud Note利用法」について、実際にどのような仕組みを作ったのかを書いてみたいと思います。(記事にはAmazonアソシエイトのリンクを含みます)
日常のコンテキストをフレキシブルに収集
「会議の議事録をAIで自動化して、業務効率を劇的に上げたい」——ビジネスパーソンなら誰もが一度はこう想像するのではないでしょうか。ただし、私の勤務先ではセキュリティなどの規定により、この手のクラウド連携ツールの業務利用は厳禁です。
仕事では一秒たりとも使えません。しかし私は逆に、Plaud Noteの「無制限プラン」(年4万円)を契約しました。業務以外の「日常のコンテキスト(文脈)」を必要に応じてフレキシブルに記録し、自分専用のデータベースを作りたかったからです。
たまたま目にして気になった動画の要約、個人的に受けているカウンセリングの内容、散歩中にふと降りてくるアイデア、そして自宅で趣味の開発をしている時の独り言。これら日常の断片は、仕事の議事録以上に、私の人生にとって重要な「文脈」です。これを容量や時間を気にせず、すべて残すための無制限プランです。
業務で使えないのなら、プライベートでどこまでできるかやってみよう。そう考えた私は、これらの音声を「Pⅼaudで録音するだけで、自動的にGoogleドライブにテキスト化して蓄積し、AI(Antigravity)がいつでも引き出せる状態にする」というフローを構築しました。
私はエンジニアではありません。このため、JavaScriptのコードは一行も自力では書いていません。AIと対話しながら、システムを作り上げる「バイブコーディング(Vibe Coding)」の実践記録として、その裏側を紹介します。
「外部脳」構築の全体像とデータの流れ
私が構築したのは、まさに「日常のすべて」をテキスト化して保存するための全自動フローです。下記の図のようなフローでPLAUDのログを処理し、活用します。

具体的な用途
YouTubeの「要約」ストック:
動画をPlaudのPCアプリを使って録音し、要約をテキスト化して保存。動画を見返さなくても知識として定着させられるようにします(もちろん、私的利用の範疇にとどめます)カウンセリングの対話ログ:
個人的に受けているメンタルケアの記録。客観的なテキストとして残すことで、自分の思考の癖を見直すために使います。文字起こしを残しておけば、事後に様々な角度から分析できます。ふとしたアイデアのメモ:
散歩中やサウナ後の「ひらめき」を逃さず音声で記録します。また、予定が入ったときに「〇月〇日〇時に〇〇をやることになったので、〇〇の準備が必要…」などとPlaudに録音しておくと、自動的にToDoリストに落ちます。バイブコーディングやつぶやきのログ:
自宅でAIとプログラミングしたり、音声でジャーナリングしたりする際の、独り言や思考プロセスの記録です。友人との飲み会の記録:
意外に面白いアイデアが転がっています。事後に友人にLINEで共有して、盛り上がることもできます。その場のノリで話した「春にどこそこの公園でバーベキューやろうぜ」みたいな話もきっちり拾え、Todoリストに反映することもできます。(余計な発言まで拾ってしまうこともありますが…)
連携させるツールやシステム
・Plaud Note Pro
日常の音声を無制限に録音し、文字起こし・要約を行います。常時スタンバイしており、録音ボタン長押しで即録音できるので一度使い始めると手放せません。Proだと録音されているかどうかがディスプレイで一目でわかるのも便利です。プロンプトを調整すれば、AIが理解しやすいMarkdown記法で出力してくれます。Auto Flow機能で、自動でメール送信ができます。
・Google Apps Script (GAS)
15分おきにGmailを巡回し、添付されているテキストファイルだけを抽出して、ファイル名を整理します。ファイル形式のMarkDown形式(.md)への変換もGASで行います。
・Googleドライブ
整理されたファイルが特定のフォルダに自動的に蓄積されます。
・Antigravity
Googleが2025年11月にリリースした次世代AI開発環境(IDE)です。読み込み先のフォルダを指定でき、通常のGeminiなどのようにプロンプトを投げると答えを返してくるため、バイブコーディング用途だけでなく「AI搭載データベース」的な使い方もできます。Googleドライブのフォルダを指定すれば、蓄積されたログをAIが一括で読み込み、私の思考や学習の「コンテキスト」として活用できます。
フローの中心となるのが、3番目のGASによる処理です。ZapierからGoogleドライブへ直接保存することも可能のようですが、あえてプログラムを挟むことで、ファイル名のルールなどを細かく制御できます。
「Zapier」を使わず、「GAS」を経由させた理由
詳しい方であれば、「Zapierから直接Googleドライブに保存すればいいのでは?」と疑問に思うかもしれません。確かに、Plaudが公式に採用しているWebアプリ連携プラットフォームZapierでなく、あえてGmailを経由させ、GASを使ったのには、個人的なこだわりと理由があります。
一つ目は「ファイル名のルール」「ファイル形式」を完全に支配したかったからです。個人の記録として長く運用するには、ファイル名が「20250105_YouTube要約.txt」のように、日付順できれいに並んでいることが重要です。また、処理の過程でMarkDown形式に自動で変更できます。
二つ目は、切実なお金の問題です。Plaudの無制限プランなどをサブスクしている分、他のツールは節約したいのが本音です。Zapierは処理ステップを増やすと有料プランのランクアップが必要になる可能性がありますので、それを回避する狙いです。
ファイルの加工や保存といった処理をGoogleが無料で提供しているGASに逃がせば、この先カスタマイズが発生した場合も、ランニングコストを抑えられます。既存ツールの仕様や契約に合わせるのではなく、AIにコードを書かせて「自分仕様かつ節約できるツール」を作るプロセスそのものを楽しみたかったのです。
開発過程ではエラーも
Plaudでは、メール本文にテキストが貼られる形で出力されます。しかし、これだとメールのヘッダー情報などが混ざり込み、純粋なデータにするのは難しい。幸い、メールには文字起こしと本文の要約のテキストファイルが添付されているため、それを取得することは可能です。
しかし、初めに生成されたコードでは、GASは関係ないメールまで処理してしまいました。件名でフィルターをかけようとしましたがうまくいかず、最終的には「メール全体に『PLAUD』という文字列が含まれていたら対象にする」という大雑把な条件に変更。その代わり、一度処理したメールには必ず「処理済み」ラベルを貼って、二重保存を防ぐ仕組みを徹底させました。
以前のバイブコーディングと同様に、エラーが出るたびメッセージをそのままチャットに放り込んでいきます。AIは都度コードを書き換えてくれ、30分ほどで正常に動作するようになりました。
実際にAIに投げた指示と、できあがったコード
ご参考までに、Geminiと会話しながら調整し、最終的にAntigravityに投げた指示(プロンプト)と、生成されたコードを掲載します。これから似たようなシステムを作りたい方の参考になれば幸いです。
Antigravityへの指示プロンプト
あなたはGoogle Apps Scriptのエキスパートです。私の個人的な業務効率化のために、以下のスクリプトを書いてください。
Gmailに届くPlaud Noteからの転送メールから、添付されているテキストファイルを抽出し、Googleドライブに保存したいと考えています。
具体的な挙動としては、まず全文検索で「PLAUD」という文字列が含まれるメールを探してください。ただし、すでに「Processed」というラベルが付いているメールは処理済みなので無視してください。
対象のメールが見つかったら、添付されているテキストファイルを取得し、ファイル名を「受信日時_元のファイル名」という形式(例: 20250105_IdeaMemo.txt)に変更した上で、MarkDown形式で指定したGoogleドライブのフォルダに保存してください。
保存が終わったら、そのメールには「Processed」ラベルを貼って完了としてください。添付ファイルがないメールはスキップして構いません。
生成されたGASコード
このコードをGoogleドライブから開いたApps Scriptのエディタに貼り付け、トリガー設定で「15分ごとに実行」として運用しています。拡張子を変え、MarkDownファイル化もしています。
function savePlaudAttachmentsToDrive() {
// ==========================================
// 1. 設定エリア
// ==========================================
// ここに保存先のGoogleドライブフォルダIDをコピペしてください
const FOLDER_ID = 'ここにフォルダIDを入れる';
// 検索条件: "PLAUD"という文字を含み、かつ"Processed"ラベルがないメール
const SEARCH_QUERY = 'PLAUD -label:Processed';
// ==========================================
// 2. 準備・検索処理
// ==========================================
const folder = DriveApp.getFolderById(FOLDER_ID);
let label = GmailApp.getUserLabelByName('Processed');
// ラベルが存在しない場合は自動で作る
if (!label) {
label = GmailApp.createLabel('Processed');
}
// 条件に合うメールを検索
const threads = GmailApp.search(SEARCH_QUERY);
if (threads.length === 0) {
console.log('新しいPLAUDメールはありませんでした。');
return;
}
// ==========================================
// 3. 保存・リネーム処理
// ==========================================
threads.forEach(thread => {
const messages = thread.getMessages();
messages.forEach(message => {
const attachments = message.getAttachments();
// 添付ファイルがある場合のみ実行
if (attachments.length > 0) {
// 受信日時を整形 (例: 20250105_1230)
const date = Utilities.formatDate(message.getDate(), 'Asia/Tokyo', 'yyyyMMdd_HHmm');
attachments.forEach(attachment => {
// 元のファイル名から拡張子(.txtなど)を取り除く
// 正規表現を使っていますが、単に「最後のドット以降を消す」という意味です
const originalName = attachment.getName().replace(/\.[^/.]+$/, "");
// 新しいファイル名を作成:日時_元の名前.md (強制的にmdにする)
const newFileName = `${date}_${originalName}.md`;
// Googleドライブに保存し、すぐにリネーム
const file = folder.createFile(attachment.copyBlob());
file.setName(newFileName);
console.log(`保存完了: ${newFileName}`);
});
}
});
// ==========================================
// 4. 後処理 (処理済みラベルを貼る)
// ==========================================
thread.addLabel(label);
});
}自分専用のログを育てる楽しみとは
Googleドライブには、YouTubeで学んだ知識の要約や、カウンセリングでの気づき、日々のアイデアが、テキストファイルとして時系列に整然と蓄積されるようになりました。
以前、日本でも日常の音声をすべて録音してコンテキスト化していく「Limitless Pendant」という商品が販売されていましたが(運営会社がMetaに買収されたため、終売になりました)、不要な音声や録ってはいけない音声を意図的に除外し、録りたいと思った瞬間にボタン一押しで録音できるPlaudを買ったのは正解だったかなと思います。グローバルの利用者が100万人を超えていることもあってか、文字起こしや要約の精度も満足のいくレベルです。
あとは、AntigravityのようなAIエージェントに「最近の学習ログを読んで、私の興味関心のトレンドをまとめて」「先月のカウンセリング記録から、繰り返し出てくる悩みやキーワードを抽出して」と指示を出せば、過去の自分自身のインプットに基づいた洞察が返ってきます。自分の思考や悩みなどをAIで分析して「示唆」を得られるのはとても有意義です。まだやっていませんが、NotebookLMに蓄積して自分用のデータベースを作っていくのもよいかもしれません。
無制限プランで記録された「日常のコンテキスト」は、まさに自分だけの資産です。会社では使えなくても、個人的な開発や執筆活動においては、これ以上ない強力な武器となります。
「やりたいこと」と「熱量」さえあれば、自分仕様のツールが作れます。ぜひ、自分だけの「第二の脳」を育ててみてはいかがでしょうか。
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