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(4.3) アドルフ・ヴュルツ『化学理論の歴史』:ローラン&ジェラール Ⅲ

19 世紀フランスの化学者、アドルフ・ヴュルツの著作『化学理論の歴史─ラヴォアジエから今日まで─』 (Historie des doctrines chimiques depuis Lavoisier jusqu'à nos jours, 1868) の試訳です。ローラン&ジェラール(全 3 回)の 3 回目。目次はこちら

Ⅲ.

 ベルセリウスはこの世を去った。置換反応の理論も認められてきたものの、ローランとジェラールの学説は、猛烈な反論を受けていた。根の説の擁護者は、置換反応が実際に起きていることは認めつつも、依然として反対の態度を崩さなかった。二元論の見方は、常に一元論の見方と相対していた。それどころか、ローランとジェラールにとっては、一元論は、大発見を導く方策ではなく誤りを指摘する方策になっていた。理論の発展が活発になった反面、実験は停滞した。実験科学では、批判だけで新理論がつくられることはない。新理論が成功を収めるとき、その背景には数々の発見がある。置換反応の理論も、実験結果からの支持を必要とした。 1849 年以降 [☆1] 、様々な研究が次々に報告された。報告される研究のなかには、化学者の強い関心を集め、ジェラールに新しい道へと向かわせるものもあった。それは、ヴュルツ Wurtz によるアンモニア化合物の発見と、ウィリアムソン Williamson による混合エーテルの発見である。

 彼らの発見によって、根の説と置換反応の理論との対立が解消された。それまで対立関係にあった理論が一体となり、 1 つの新理論となった。それが型の説である。しかし、型の説の発端と限界を理解するには、少し時間を遡る必要がある。

  1839 年、デュマはクロロ酢酸を発見した。この酸は、酢酸中の 3 当量の水素を、他の元素はそのままに、 3 当量の塩素で置換することによって得られる。そして驚くべきことに、塩素で置換されても、酢酸の基本的な性質はほとんど変化しない。酢酸の塩素置換体も、酢酸と同様に一塩基酸であり、同じ試薬で同様の分解反応が起きる。デュマによれば、こうした実験結果は、次のようにしか説明できないと言う。すなわち、酢酸中の水素と置換した塩素は、水素と同じ位置を占め、置換してできる化合物中で、水素と同じようにふるまう。このことをデュマは、酢酸とクロロ酢酸は同じ化学型に属すると表現した。そして、デュマはさらに考えを進めて、化合物の性質は、その物質に含まれる原子の種類よりも、分子内の原子が存在する位置や配列に左右されると考えた。

 こうした主張は、ローランの主張とも重なる。しかし、デュマの主張は、重要な新事実に裏打ちされ、より信頼性がある。また、デュマの主張では、化合物中の元素を別の元素で置換しても、置換前後で型は変わらない。これも、核の説におけるローランの主張より明確である。

 こうして、デュマの分類では、同じ「当量」で、同じように化合し、同じ基本性質をもっている化合物は、すべて同じ化学型に属した。一方で、同じ型に属する化合物で、置換反応によって性質を変える物質があることもまた、デュマは観察していた。

 同じ当量をもつ化合物で、基本性質が異なる物質は、同じ機械型に分類できる。ここで補足すべきこととして、置換反応の前後で原子配列が維持されることは、デュマの前から、ルグノー Regnault がダッチオイルや塩酸エーテル [☆2] の反応に関する著名な研究で着目していた。

 こうして、型という概念が化学に登場した。しかし、最初の型の考え方が大きく進展するとは思えなかった。当時の型では、置換反応によって生まれる、化合物と誘導体の関係を簡潔かつ正確に表すことしかできなかった。その結果、型の種類は、置換によって性質が変わる化合物の数だけあった。しかも、置換によって性質が変わった化合物どうしには、何ら関係性もなかった。そのため、独創的で正しい概念にもかかわらず、一般化されていく理論には見えなかった。ところが、型の概念を修正することで、型の説は一般化されていく。

 化学者は、自然界に存在するアルカロイドが、いずれも窒素を含み、乾留によってアンモニアを生成するのを知っていた。そのため、長年、「揮発性塩基」とこの有機塩基には、近縁関係があると予想されていた。ベルセリウスによれば、有機塩基がアルカリ性を示すのは、アンモニアが、そのままの形で有機塩基の成分として共役しているためである。近年では、デュマによるアミド化合物の大発見から、有機塩基に対する別の見方が上がっている。すなわち、アルカロイドは、アンモニアから水素原子 1 個を取り除いたアミドゲンと呼ばれるアミド化合物の基本成分を共通にもつと考えられた。

 有機塩基がどのようにできているかという大問題は、ある化合物群の発見によって解決された。この化合物群は、酸との反応性、腐食性、水溶性、臭いといった性質や組成において、アンモニアと著しい関連性を示す。これら「アンモニア化合物」の存在を報告するにあたり、筆者は、アンモニア化合物を、エーテルの酸素をアミドゲンに置換したもの、もしくは、アンモニアの水素を同じ当量のアルコール根に置換したものと見なせると著した [★1] 。アンモニアをある種の型と見なし、アンモニア化合物と比較するこの方法は、結果的に、この第一報の論文で発表された。しかし、実際にこの方法が認知されるようになったのは、驚くような性質のアナロジーが生まれたためである。この論文から数カ月後、ホフマン Hofmann が、ジエチルアミンとトリエチルアミンを見事に発見した。この発見によって、ホフマンは、型の説にさらなる支持材料を与え、この理論を成功に導いた。というのも、ホフマンは、発見した 2 つの塩基が、アンモニアの 1 個、 2 個、または 3 個の水素原子を、アルコールの原子団、すなわち根と置換したものに見立てたためである [★2]

 こうしてアンモニアの型が導入された。エチル塩基に容易に適用できたアンモニアの型は、合成法が確立されていた揮発性塩基を中心に、他のアルカロイドへも容易に適用できた。また、置換反応の理論が、この考え方によって、根の説を内包したことも分かる。エチルアミンは、もはやエチル根とアミドゲンとの二元化合物ではない。むしろ、酸素をアミドゲンに置換したエーテルであり、水素をエチル根に置換したアンモニアである。根という用語が、ここでは、置換反応によって他の原子と結合可能な原子団の意味で使われている。まるで単体のように化合して二元化合物をつくる根というものが、完全に単離されるかどうかは、もはや問題ではなくなった。むしろ、根とは、ジェラールの言う残基のことであった。この残基が、ある化合物から別の化合物へと、そのまま運ばれていく。しかしその際、残基の原子は、分子全体に離散していくわけではない。ジェラールの残基は、分子中で同じ位置に存在し、化学式によって明確に区別できる原子団である。この化学式が、単独で用いられることはもはやない。新しい塩基の組成がアンモニアとどのように関係するのかは、合理式によって明確に示せる。こうして、根の説と置換反応の理論とが統合し、型の説になったその瞬間に、合理式は、物質どうしの関係を表す方法として、再び支持されるようになった。

 新たな支持材料がこうして得られたところに、新発見がこの動きを加速させた。ウィリアムソン Williamson が、 1851 年、エーテル合成法と非対称エーテルの発見に関する優れた研究を発表したのである。この研究によって、水の型が、化学に導入された。

 以前にも、ローランが、水と無水酸化カリウムと苛性カリとを比較していた。ローランは、アルコールとエーテルの組成がどのように関係しているのかを、簡潔で独創的な化学式を使って説明した [★3] 。この考え方は、アメリカの化学者、ステリー・ハント Sterry Hunt によって発展を遂げた。

 ウィリアムソンは、さらにその先を行った。彼が水と比較したのはアルコールとエーテルだけでなく、無機化合物である酸、酸化物、塩とも、同様の比較を行った。水は酸素原子 1 個と水素原子 2 個からなるが、この水素原子が、単体原子だけでなく、根としてふるまう原子団とも置換できる。水分子中の水素原子 1 個をエチル根で置換すれば、アルコールが得られる。そして、水素原子 2 個をエチル根で置換すれば、その生成物はエーテルになる。苛性カリは、水分子の水素原子 1 個がカリウム原子で置換されたものになる。もう 1 つの水素原子を酸の根に置き換えると、二重の置換の結果、塩が生じる。したがって、酢酸カリウムは、水分子の 2 個の水素原子を、一方はカリウム原子 1 個、もう一方はアセチル根で置換すると得られる。ウィルアムソンはさらに、両方をアセチル根で置換した物質を予想した。この物質は、酢酸に対して、エーテルとアルコールの関係をもつと考えられた。この物質が、後にジェラールによって発見される無水酢酸である [★4]

 以上の物質はいずれも、同じ型に属する。どの化合物も、酸素原子 1 個とそれ以外の 2 個の成分からなる。この成分は単体でも化合物でもよく、水素原子 2 個の場合は水になる。どのような置換体になるにせよ、その構造はある程度維持される。すなわち、比較的単純な水分子の構造を示す。

 以上が、ウィリアムソンによって提唱された考え方である。ジェラールがこの考え方を採り入れた段階で、水の型も、アンモニアの型もすでに確立していた。ジェラールは、その前から芽生えていたある考え方を膨らませ、水素の型と塩酸の型を加えた。また、有機酸無水物を見事に発見したことで、水の型を新たに拡張した。

 元々、ジェラールは、一塩基酸の酸無水物は存在しないと考えていたが、奇妙な巡り合わせから、ジェラール自身が一塩基酸の酸無水物を発見した。塩化アセチルと酢酸ナトリウムを反応させることで、ウィリアムソンが予想していた無水酢酸を実際に得た。水が 1 個の酸素原子と結合した 2 個の水素原子をもつように、無水酢酸も、 2 個のアセチル原子団、すなわちアセチル根が 1 個の酸素原子と結合する。無水酢酸において、アセチル根は単体のように振る舞い、水素原子 2 個が水分子中で占めていた位置に存在する。こうして、ウィルアムソンによって生まれた水の型は、ジェラールによって適用範囲が拡がった。彼は、型の説を一般化させた。

 ジェラールは、ローランとともに、水素分子が 2 個の水素原子からなると考えた。彼の主張では、遊離した水素は水素の水素化物から、遊離した塩素は塩素の塩化物から、遊離したシアノゲンはシアノゲンのシアン化物からつくられる。そして、酸化物が水と同様の構造をもつならば、金属分子は水素と同様の構造、すなわち 2 つの原子からなるはずである。したがって、金属はすべて水素の型に属する。有機化学では、同一成分が化合した二元化合物は多い。こうした化合物の分子は二量体で、言い換えれば、単体であれ化合物であれ、 2 個の別々の成分が、それぞれ 1 水素原子当量で存在する。

 そのため、ジェラールは、アルデヒドやケトン、その他多くの炭化水素を、水素の型に分類した。それ以外の化合物で、エチル根やメチル根といったアルコール根が、大きな議論を呼んだ。これらの根は、コルベ Kolbe とフランクラント Frankland によって発見された。面白いことに、二元論支持者は、この化合物を単一の原子団からなると考え、一元論支持者は、 2 個のアルコール根が結合していると考え、 2 成分、すなわち 2 つの項からなる化学式を割り当てた。

 塩酸の型には、塩素、臭素、ヨウ素の無機化合物や有機化合物が含まれる。実際には、この型は水素の型と同一である。

 こうした型の概念は新しい考え方であった。次の点で重要な進展がある。アンモニアの型に属する物質は、当初、揮発性の有機塩基しか知られていなかった。そこへジェラールは、すべてのアミドをアンモニアの型に帰属させた。ジェラールによれば、アセトアミドは、エチルアミンと同様の分子組成をもち、唯一の違いは、アセトアミドの根にのみ、酸素が含まれていることである。エチル根が中性の根であるならば、アセチル根は、酸素を含むので、酸性の根である。アセチル根は、エチル根のように、アンモニアの水素を置換する。しかし、置換によって生じる物質は中性になる。なぜなら、酸性の根が分子内に入ることで、アンモニアの塩基性が打ち消されるためである。

 したがって、ほとんど同一の構造、すなわち同じ型に属する物質でも、置換される根の種類によっては、まったく別の性質になり得る。これは重要な主張で、原子の配列で性質が決まると考えられた頃であれば否定されていた考え方に回帰している。

 同様の分子組成をもつ物質が、その構成単位の種類によって、性質が変わることを印象付けるには、ジェラールにならって、同じ型に属する化合物を、すべて横に並べるといい。塩基性の物質は左端、中性の物質は中央、酸性の物質は右端に置く。水の型を例に挙げよう。苛性カリは、強力なアルカリなので左端に位置する。一方、硝酸や酢酸は右端に位置する。そして、水とアルコールは中央に位置する。なぜ、左端に置かれる物質は強アルカリなのだろうか。それは、強アルカリには、カリウムのように、電気的に高い陽性をもつ金属が含まれるためである。中央に置かれる物質が中性なのは、液性に影響しない元素や基が含まれているからである。そして、右端に置かれる物質が酸であるのは、酸素をもつ基が物質中に含まれるからである [★5]

 型の説に従えば、アルコールは、水の水素原子 1 個を炭化水素根であるエチル根に置換してできる。この化合物群は塩基性だが、置換前の水素よりかろうじて塩基性になる程度である。そのため、アルコールは水と同様、中性の液体になる。ところが、アルコール分子中のエチル根にある水素原子 2 個を酸素原子 1 個に置換すると、置換によって変化した根は酸性に傾き、分子全体も酸性を示す。この置換で分子の原子配列に変化はない。置換前後で 2 つの物質は、同じ分子組成をもち、置換前はエチル水和物、置換後はアセチル水和物である。それにも関わらず、アルコールは中性に対して、酸素置換によって生じた酢酸は、強い酸性を示す。このように、原子配列が似た物質どうしでも、結合する原子の種類は、分子全体の性質に影響する。

 この影響は、アンモニアの型に属する物質の場合、さらに顕著である。アンモニアは、強い塩基性を示す。窒素と水素からなるこの分子について、水素原子を、メチル根やエチル根といった中性の炭化水素根で置換しても、塩基性の強さは保たれる。置換反応によって得られるこうしたアンモニア置換体は、アンモニアのように、強い塩基性を示すことが知られている。ところが、アンモニア置換体の水素を、電気的に陰性な原子、原子団─例えば、塩素、臭素といった酸性の根─で置換すると、置換が部分的であれ完全であれ、結果的に生じたアンモニアの誘導体は中性、あるいは酸性にさえなる。その例を以下に示す。

 アニリンは強い塩基性を示す。ところが、トリクロロアニリンは、ホフマン Hofmann によると、中性を示す。すなわち、酸と反応できない。同様に、アセトアミドでも、これまで見てきたように、水素と置換した酸素を含む根が酸性のため、アンモニア分子の塩基性は打ち消される。

 ほとんどのアミドが、アセトアミドと同様に、中性を示す。しかし、明らかに酸性を示すアミドも、少数存在することが知られている。ジェラールは、とりわけ優れた論文の 1 つで、アンモニアの水素原子 2 個が酸素を含む根 2 個と置換しているアミドについて記している。このアミドは、酸素を含む根の影響が支配的で、アンモニア分子の性質は大きく変化し、塩をつくるのに、酸ではなく、塩基と反応する [★6]

 こうした発展によって、型の説への反論の 1 つに答えることができた。ラヴォアジエは、酸、塩基、塩が根本的に別の物質であることを特に強調していたと言われる。そのような物質を、型の説のように、同じと考えてよいのだろうか。苛性カリと次亜塩素酸とが、まったく性質は異なるのに、同じ型として分類する。しかも、両者を化合させた次亜塩素酸カリウムも、同じ型に入れる。そんなことができるのだろうか。

 実際は、酸、塩基、塩を混同せずに比較できる [★7] 。 3 種類の物質は性質が異なる。同じなのは原子配列である。両者の視点は全く異なる。ラヴォアジエが酸化物と酸を並べたときは、前者の視点に立っていた。原子説がまだ無かった当時、ラヴォアジエは後者の視点には立てなかった。したがって、原子団に関心を向けることもできなかった。類似の原子配列をもつ化合物が、構成原子の違いによって性質を変えることは、誰もが認めるであろう。

 次亜塩素酸と苛性カリは、ともに同じ個数の原子が同じように並んでいる。ところが、次亜塩素酸は塩素を含み、苛性カリはその塩素の位置にカリウムが入る。このように考えることは、 2 つの物質を一緒にすることであろうか。両者の性質が正反対なのは、元素組成が全く違うからではないか。事実、 2 つの物質の間に、塩素とカリウム以外に違いは見られないのである。

 したがって、上の反論は意味をなさない。コルベは、型の説に対して別の反論を上げた。この反論の方が重要で、核心を突いているように見える。コルベは次のように述べている。「型の説の 3, 4 つの型は、無意味な方便に過ぎない。どうして、物質の型を塩酸、水、アンモニアに絞らなければならないのか。また、他の型ではなく、なぜこれらの型なのか。有機物に限れば、むしろ炭酸ガスの方が合理的ではないか。実際、植物は炭酸ガスから有機物質を作っている。したがって、炭酸ガスの型がすべての物質の根本で、この型からどんな有機化合物も導かれる。そのため、紐付ける必然性は、炭酸ガスの型の方がある。」

 これに対しては、次のように答えられるだろう。まず、水とアンモニアも、二酸化炭素と同様に、植物の生命活動に書かせない物質である。植物は水素と窒素を得るために、水とアンモニアを分解する。それはちょうど、炭素を得るために、二酸化炭素を分解するのと同じである。したがって、有機物を組み上げるというこの大事業には、3 つの無機化合物が出会わなければならない。型の説の基礎を有機物の起源に置くのであれば、炭酸ガスを支持して、水とアンモニアを排除する理由はない。また、炭酸ガスの型は、容易に水の型へ還元できる。水が水素の酸化物ならば、炭酸ガスはカルボニル根の酸化物、すなわち酸化炭素根の酸化物である。

 酸化物はいずれも似たような組成をもつ。そのため、どの酸化物を型にして考えても大差ないように見える。しかし、水を型にする方が簡便だということは、付け加えなければならない。というのも、水には 2 つの水素原子が含まれるが、どちらの水素原子も、他の単体や根によって置換できるからである。元素や根の種類は無数にあるため、考えられる置換の数は無限に近い。したがって、水の水素原子が、完全ないしは部分的に置換されることを認めれば、水の型に分類できる化合物は無数に存在する。

 いやいや! この仮説のとおり、これほど多くの化合物が、水の水素原子を他の元素や根と置換して作られるとしたら、その確固たる根拠は何なのか。それは、実験事実に基づくものか。あるいは、根拠のない仮説に過ぎないのか。これに答える時が来た。

 カリウム片を水に投げ入れる。すると、水は激しく分解する。その激しさのあまり、発生した水素が、赤熱して溶けたカリウム球に触れて発火する。水分子が分解される過程で、水素原子はカリウム原子に置換され、苛性カリが生成される。この実験結果は、型の説が言う、水酸化カリウムでは水の水素原子 1 個がカリウム原子 1 個に置換されているという主張そのものである。

 次に、ジェラールが発見した有機塩化物を取り上げる。この化合物は、酢酸ナトリウムと過塩化リンを蒸留して得られる。つまり、塩化アセチルである [☆3] 。この物質が水に触れると、速やかに分解する。このとき、塩化アセチルの塩素は水素原子と結合し塩酸になる。と同時に、水分子の水素原子が位置した部分は、塩素が脱離したアセチル根に置換される。このように、塩化アセチルと水との相互置換によって、酢酸は生じる。したがって、水は本当に、水素原子をアセチル基と置換することで酢酸になる。型の説では、酢酸、すなわち水酸化アセチルが、いわば水の化学式をもとに、非常に簡単な化学式で書ける。これによって、型の説は、水と酢酸の関係を正確に表している [★8]

 この化学式は、上の反応を表したに過ぎない。すなわち、この化学式は、酢酸の生成法の 1 つを反映している。また、この化学式は、複分解によってある化合物が別の化合物になる際に、酢酸には変化を受けない根があることを仮定している。そして、この化学式によって、アセチル根をもつ化合物─例えば、酢酸、塩化アセチル、アルデヒド、すなわち水素化アセチル、アセトン、すなわちメチル化アセチル、アセトアミド、無水酢酸─どうしの関係を、非常に単純な形で表現できる。ここには、無数の関係性をもった、 1 個の大きな属がある。この属の化合物は、おおよそ似たような性質をもち、共通の成分、すなわち酸素を含む根である酢酸の根をもつ。

 型の説による化学式は、すべて同じことが当てはまる。反応の詳細な研究に基づいたこの化学式は、反応を正確に記述でき、誘導体の関係を明快に表す。そして、ここで言う反応とは、一般に複分解のことである。複分解であっても、根の存在は揺らがない。 2 つの物質の間で根が形を変えずに交換されれば、説明できる。型の説による表記法以上に、この反応を単純明快には表せられない。それどころか、このことこそ、型という優れた概念の一番の利点である。真の利点を明確にするために、ジェラールは、型のことを複分解の型と呼んだ。

 こうして、型の説による化学式によって化学反応が表される。型の概念によって反応を解釈すること自体、この化学式が生まれる契機となり、この化学式の意味付けであった。それでは、型の説によってどんな反応も説明が付き、この説による化学式と反応式からどんな反応も上手く表せられるのか。そうではないだろう。有機物質に起こる数多くの反応のうち、型の説の対象は、一番単純なものに限られる。つまり、対象となるのは、その分子の本質でない部分や装飾的な部分は変化しても、物質の本体、すなわち根自体は変化しない反応だけである。ところが、化学反応のなかには、根自体に何かが付加したり、分解したりする反応や、それどころか、根がそのまま他の化合物に行かない反応が存在する。こうした大きな変化を伴う化学反応の多くは、複分解ではない。複分解を表せる比較的単純な型の説による反応式であっても、この反応は表せられない。

 以上のように型の説の起源と発展を辿ってきたが、とうとう終わりにたどり着いた。型の説は、原子団が単体のようにふるまうという根の説の考え方を取り入れた。しかし、その原子団が実在する物質とも、結合した元素の性質を変える力があるとも考えなかった。その代わりに、単体と置換可能な残基と見なした。その結果、この原子団によって、数少ない型から非常に多くの化合物が生まれた。ベルセリウスは、仮想の根を多く作りながらこう言った。「この根は、いつかは単離されるであろう。」ジェラールはこう言った。「根とは分子の残基であり、これは単離できない。それでも、残基が存在する化合物中で、単体と置換することができる。」このように、型の説は、置換反応の理論を復活させながら、根の説を流用した。それまで対立関係にあった 2 つの理論を取り込むことで、型の説は、両者の対立を解消させた。

 しかし、根の存在を認めつつも、型の説は、根の成り立ちを解明しようとはしなかった。型の説における根は、互いに緊密に結合した原子団として、単一の化学式で表される。根が分子から分子へと移動するとき、その動きは明らかになる。ところが、根自体が分解するとき、多くの場合、型の説では力不足である。有機分子の正体に迫る、その測り知れない反応を記述できない。なぜなら、根がどのようにできているかを、型の説は考えないからである。

 優れた理論は、実験事実を論理的に整理できる。豊穣な理論は、発見を促し、それ自体に重要な発展の兆しが含まれている。どちらの利点も、型の説に欠けていたわけではない。ところが、直近の発展から、より一般性をもった新しい理論が誕生した。この考え方によって、ここで指摘した問題点は解消できた。その理論は、原子価の理論と呼ばれる。しかし、ここは原子価の理論を説明する場所ではないので、この理論が型の説に基づくことを示すに留める。型の説は、最終的に、縮合型と複合型を確立させた。ウィリアムソンの考えでは、硫酸は、水 2 分子に含まれる 2 個の水素原子が、 2 価のスルフリル根で置換された化合物になる。スルフリル根は水 2 分子に含まれる 2 個の水素原子と置換できるので、置換後の水の残基どうしをスルフリル根でつなげ留め、単一の縮合[★8]分子をつくることができる。ここから多価の根の理論は始まった。ジェラールも、ウィリアムソンの例に倣い、硫酸と同様に複数の塩基分子を中和できる酸をこの縮合型から説明した。

 こうした多価の根は、複合型でも同様のふるまう。水と塩酸を 1 分子ずつ並べてみよう。そうすると、塩酸の水素原子と、それに隣接する水の水素原子とは、スルフリル根のような 2 価の根と置換可能なことが想像できる。この根によって、ともに水素原子 1 個を失った水分子と塩酸分子とが結合し、 2 つの分子はつなぎ留められる。これが、オドリング Odling によって混合型と呼ばれたものである [★9]

 以上が、型の説の最新の進展である。現在の化学が今まさしく経験している新時代の始まりは、この理論によって示されている。したがって、今日の化学理論を説明する際も、適宜、型の説に立ち返ることになるだろう。

 ジェラールは、自身の考えの多くが認められたのを見て、思い残すことはなかったとはいえ、その考えが、近年のように、多くの成果を得るまでになったのを見届けられなかった。ジェラールは、友人にして彼の先駆者でもあるローランの死からまもなく、 40 才でこの世を去った。

  膨大な研究で力を使い果たした 2 人は、ともに若くして亡くなった。名誉をもたらすような万人の支持も得られなかった。そして、それを 2 人とも求めなかった。学問そのものを愛した彼らは、ひと握りの者だけが通れる道から学問を目指した。独立心をもった 2 人は、学問の埃を取り払った。猛烈な情熱をもった 2 人は論争をためらわず、重大な反証と対峙するというより、反対派の主張と対峙していた。その中でも、最も強力な反対派であったベルセリウスには、断固として抵抗した。 2 人の考えには不足があり、誇張した表現も見られたが、この論争に勝利し、後継者に優れた実例を残した。そして、分け隔つことのできない 2 人の名は、歴史に刻まれた。

原注

★1 『報告』 (Comptes rendus) 、第 28 巻、p. 224 (1849 年 2 月) 。

★2 アンモニアとエチル化アンモニアの組成は、次式に示す関係になっている。$${\\ \begin{array}{cccc} \underset{\rm{アンモニア}}{ \rm{N} \begin{cases}\rm{H}\\\rm{H}\\\rm{H}\end{cases}} & \underset{\rm{エチルアミン}}{ \rm{N} \begin{cases}\rm{C}^{2}\rm{H}^6\\\rm{H}\\\rm{H}\end{cases}} & \underset{\rm{ジエチルアミン}}{ \rm{N} \begin{cases}\rm{C}^{2}\rm{H}^6\\\rm{C}^{2}\rm{H}^6\\\rm{H}\end{cases}} & \underset{\rm{トリエチルアミン}}{ \rm{N} \begin{cases}\rm{C}^{2}\rm{H}^6\\\rm{C}^{2}\rm{H}^6\\\rm{C}^{2}\rm{H}^6\end{cases}} \end{array}}$$

★3 水の成り立ちを酸、塩基、塩にも当てはめるウィリアムソンの考え方は、次式のように表せられる。 $${ \begin{array}{ccc} \underset{\rm{水}}{\begin{rcases}\rm{H} \\ \rm{H}\end{rcases}\rm{O}}  & \underset{\rm{水}}{\begin{rcases}\rm{H} \\ \rm{H}\end{rcases}\rm{O}}  & \underset{\rm{水}}{\begin{rcases}\rm{H} \\ \rm{H}\end{rcases}\rm{O}}  \\ \underset{\rm{水酸化カリウム}}{\begin{rcases}\rm{H} \\ \rm{K}\end{rcases}\rm{O}}  & \underset{\rm{アルコール}}{\begin{rcases}\rm{C}^2\rm{H}^{5} \\ \rm{H}\end{rcases}\rm{O}} & \underset{\rm{酢酸}}{\begin{rcases}\rm{C}^2\rm{H}^{5}\rm{O} \\ \rm{H}\end{rcases}\rm{O}} \\ \underset{\rm{酸化カリウム}}{\begin{rcases}\rm{K} \\ \rm{K}\end{rcases}\rm{O}} & \underset{\rm{エーテル}}{\begin{rcases}\rm{C}^2\rm{H}^{5} \\ \rm{C}^2\rm{H}^{5}\end{rcases}\rm{O}} & \underset{\rm{酢酸カリウム}}{\begin{rcases}\rm{C}^2\rm{H}^{5}\rm{O} \\ \rm{K}\end{rcases}\rm{O}} \\ \underset{\rm{硝酸カリウム}}{\begin{rcases}\rm{N}\rm{O}^{2} \\ \rm{K}\end{rcases}\rm{O}} & \underset{\rm{酢酸エーテル}}{\begin{rcases}\rm{C}^2\rm{H}^{5} \\ \rm{C}^2\rm{H}^{5}\rm{O}\end{rcases}\rm{O}} & \underset{\rm{無水酢酸}}{\begin{rcases}\rm{C}^2\rm{H}^{5}\rm{O} \\ \rm{C}^2\rm{H}^{5}\rm{O}\end{rcases}\rm{O}} \ \end{array} }$$

★4 同上

★5 同様の原子配列をもつ物質を、型の説では統一して考えているが、混同しているわけではない。物質の性質は成分元素に応じて変化し、正反対の性質になることさえある。この性質の違いは、完全に成分元素の違いによるものである。これは、下表からわかる。 $${\\ \begin{array}{|c|c|c|} \hline \underset{\rm{(電気的陽性)}}{左} & \rm{中間項} & \underset{\rm{(電気的陰性)}}{右} \\ \hline \underset{\rm{水酸化カリウム}}{\begin{rcases}\rm{K}\\\rm{H}\end{rcases}\rm{O}} & \underset{\rm{水酸化水素(水)}}{\begin{rcases}\rm{H}\\\rm{H}\end{rcases}\rm{O}} & \underset{\rm{水酸化塩素(次亜塩素酸)}}{\begin{rcases}\rm{Cl}\\\rm{H}\end{rcases}\rm{O}} \\ \underset{\rm{水酸化ナトリウム}}{\begin{rcases}\rm{Na}\\\rm{H}\end{rcases}\rm{O}} & \underset{\rm{水酸化エチル(アルコール)}}{\begin{rcases}\rm{C}^{2}\rm{H}^{5}\\\rm{H}\end{rcases}\rm{O}} & \underset{\rm{水酸化アセチル(酢酸)}}{\begin{rcases}\rm{C}^{2}\rm{H}^{3}\rm{O}\\\rm{H}\end{rcases}\rm{O}} \\ \hline \end{array} \\ }$$   ジェラールの考えでは、同様の配列からなる物質は、この表の縦方向に並ぶ。アルコールの場合、アルカリの水酸化カリウムではなく、中性である水の類縁体と見なせる。 1852 年に発表され、酸無水物に関する論文でも再掲された表のなかでは、アルコールを左側、すなわち電気的陽性の側にジェラールは配置している。この表は歴史的に重要なので、ここに掲載した方が良いだろう。 $${ \\ \begin{array}{|c|c|c|c|} \hline   & \underset{\rm{(電気的陽性)}}{左} & \rm{中間項} & \underset{\rm{(電気的陰性)}}{右} \\ \hline & \underset{\rm{アルコール}}{\begin{rcases}\rm{C}^{2}\rm{H}^{5}\\\rm{H}\end{rcases}\rm{O}} & \cdots & \underset{\rm{酢酸}}{\begin{rcases}\rm{C}^{2}\rm{H}^{3}\rm{O}\\\rm{H}\end{rcases}\rm{O}} \\ \overset{\rm{水の型}}{\begin{rcases}\rm{H}\\\rm{H}\end{rcases}\rm{O}} & \underset{\rm{エーテル}}{\begin{rcases}\rm{C}^{2}\rm{H}^{5}\\\rm{C}^{2}\rm{H}^{5}\end{rcases}\rm{O}} & \cdots & \underset{\rm{無水酢酸}}{\begin{rcases}\rm{C}^{2}\rm{H}^{3}\rm{O}\\\rm{C}^{2}\rm{H}^{3}\rm{O}\end{rcases}\rm{O}} \\  & \underset{\rm{メチル化エーテル}}{\begin{rcases}\rm{C}\rm{H}^{3}\\\rm{C}^{2}\rm{H}^{5}\end{rcases}\rm{O}} & \cdots & \underset{\rm{ベンゾイルアセテート}}{\begin{rcases}\rm{C}^{2}\rm{H}^{3}\rm{O}\\\rm{C}^{7}\rm{H}^{5}\rm{O}\end{rcases}\rm{O}} \\  & \cdots & \underset{\rm{酢酸エーテル}}{\begin{rcases}\rm{C}^{2}\rm{H}^{3}\\\rm{C}^{2}\rm{H}^{3}\rm{O}\end{rcases}\rm{O}} & \cdots \\ \hline  & \underset{\rm{水素化エチル}}{\begin{rcases}\rm{C}^{2}\rm{H}^{5}\\\rm{H}\end{rcases}} & \cdots & \underset{\rm{アルデヒド}}{\begin{rcases}\rm{C}^{2}\rm{H}^{3}\rm{O}\\\rm{H}\end{rcases}} \\ \overset{\rm{水素の型}}{\begin{rcases}\rm{H}\\\rm{H}\end{rcases}} & \underset{\rm{エチル}}{\begin{rcases}\rm{C}^{2}\rm{H}^{5}\\\rm{C}^{2}\rm{H}^{5}\end{rcases}} & \cdots & \underset{\rm{アセチル}}{\begin{rcases}\rm{C}^{2}\rm{H}^{3}\rm{O}\\\rm{C}^{2}\rm{H}^{3}\rm{O}\end{rcases}} \\  & \cdots & \underset{\rm{アセトン}}{\begin{rcases}\rm{C}\rm{H}^{3}\\\rm{C}^{2}\rm{H}^{3}\rm{O}\end{rcases}} & \cdots  \\ \hline  \overset{\rm{塩化水素の型}}{\begin{rcases}\rm{H}\\\rm{Cl}\end{rcases}} & \underset{\rm{塩酸エーテル}}{\begin{rcases}\rm{C}^{2}\rm{H}^{5}\\\rm{Cl}\end{rcases}} & \cdots & \underset{\rm{塩化アセチル}}{\begin{rcases}\rm{C}^{2}\rm{H}^{3}\rm{O}\\\rm{Cl}\end{rcases}}  \\ \hline  & \underset{\rm{エチルアミン}}{\begin{rcases}\rm{C}^{2}\rm{H}^{5}\\\rm{H}\\\rm{H}\end{rcases}\rm{N}} & \cdots & \underset{\rm{アセトアミド}}{\begin{rcases}\rm{C}^{2}\rm{H}^{3}\rm{O}\\\rm{H}\\\rm{H}\end{rcases}\rm{N}} \\ \overset{\rm{アンモニアの型}}{\begin{rcases}\rm{H}\\\rm{H}\\\rm{H}\end{rcases}\rm{N}} & \underset{\rm{ジエチルアミン}}{\begin{rcases}\rm{C}^{2}\rm{H}^{5}\\\rm{C}^{2}\rm{H}^{5}\\\rm{H}\end{rcases}\rm{N}} & \cdots & \cdots \\  & \underset{\rm{トリエチルアミン}}{\begin{rcases}\rm{C}^{2}\rm{H}^{5}\\\rm{C}^{2}\rm{H}^{5}\\\rm{C}^{2}\rm{H}^{5}\end{rcases}\rm{N}} & \cdots & \cdots\\\hline\end{array} }$$

★6 ジェラールとチオーザ Chiozza は、アミドに関する論文(『報告』 (Comptes rendus) 、第 37 巻、 p. 86 )の中で、アンモニアの水素原子 1, 2, 3 個が、酸性の根 1, 2, 3 個と置換し、それぞれ第一級、第二級、第三級アミドになることを説明している。$${\begin{array}{ccc} \underset{ベンズアミド}{\overset{\rm{第一級アミド}}{\begin{rcases}\rm{C}^{7}\rm{H}^{5}\rm{O}\\\rm{H}\\\rm{H}\end{rcases}\rm{N}}} & \underset{ベンゾイルサリチルアミド}{\overset{\rm{第二級アミド}}{\begin{rcases}\rm{C}^{7}\rm{H}^{5}\rm{O}\\\rm{C}^{7}\rm{H}^{5}\rm{O}^{2}\\\rm{H}\end{rcases}\rm{N}}}  & \underset{ジベンゾイルスルフォプレンアミド}{\overset{\rm{第三級アミド}}{\begin{rcases}\rm{C}^{6}\rm{H}^{5}\rm{S}\rm{O}^{2}\\\rm{C}^{7}\rm{H}^{5}\rm{O}^{2}\\\rm{H}\end{rcases}\rm{N}}}  \end{array}}$$  
 彼らは、アルコール溶液中で、第二級アミドのベンゾイルサリチルアミドが、本物の酸のように、リトマスを赤変させ、水素 原子 1 個が金属原子 1 個と容易に置換することを確認している。

★7 ★5を参照

★8 縮合型と混合型の考え方は、以下の化学式で表される。また、多価の根の化合物中でのはたらきも、これらの型と関係する。 $${\begin{array}{cc} \underset{\rm{2分子の水(縮合型)}}{{\begin{rcases}\rm{H}\\\rm{H}\end{rcases}\rm{O}} \atop {\begin{rcases}\rm{H}\\\rm{H}\end{rcases}\rm{O}}} & \underset{1分子の硫酸}{\begin{rcases}\rm{H}\\(\rm{SO}^{2})''\\\rm{H}\end{rcases}\rm{O}^{2} = \begin{rcases}(\rm{SO}^{2})''\\\rm{H}^{2}\end{rcases}\rm{O}^{2}} \\ \underset{\rm{1分子の水と1分子の塩酸(混合型)}}{{\begin{rcases}\rm{H}\\\rm{H}\end{rcases}\rm{O}} \atop {\begin{rcases}\rm{H}\\\rm{Cl}\end{rcases}\rm{\ \ }}} & \underset{1分子のクロロ硫酸}{\begin{rcases}\rm{H}\\(\rm{SO}^{2})''\\\rm{Cl}\end{rcases}\rm{O}} \end{array}}$$

★9 ★8を参照

訳注

☆1  1848 年にベルセリウスが亡くなっている。
☆2 それぞれ、1,2-ジクロロエタン、クロロエタンを指す。
☆3 塩化アセチルとは塩化アシルのこと。過塩化リンは五塩化リンを指す.