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両親と記憶が合わない

僕は昔、よく骨折していた。何故か右手を折った記憶はないのだが、左手は何度か骨折したと思う。あと、足。こちらも、右か左かは忘れたが、合計で3回ぐらいは折ったはず。あちこちギプスをしたり、松葉杖をついて学校に行ったりした記憶がある。

というのが、僕の記憶。

なのだけど、10年前ぐらいだったかなぁ、両親と話していて衝撃の事実が判明した。なんと、「腕の骨折はあったけど、足の骨折なんか無かった」というのだ。

え? どゆこと?

よくよく聞いてみると、こういうことらしい。もし僕が足の骨折をしたとしたら、車で学校(僕の記憶では、各種骨折は中学まで)まで送り迎えをしなきゃいけない。でも、送り迎えなんてしたことないと思う。だから、足の骨折はない。

なるほど。松葉杖をついていたなら、どうやって学校に行ったのか、かぁ。この点に関しては正直、まったく記憶にない。ないんだが、それはともかく、「学校で松葉杖をついてた」って記憶はあるんだよなぁ。

さて、似たような話はもう1つある。僕は小学6年生ぐらいの時に、何が理由だったかさっぱり覚えていないが、「歯の矯正をするかもしれない」ということで、「とりあえず歯のレントゲンを撮る」みたいなことをさせられた記憶がある。のだけど、これも親に話すと「そんなことはない」と言っていた。

両親と、全然記憶が合わないのだ。

一応、僕は長男(最初の子ども)なので、親の記憶はきっと鮮明だろう。一方僕は「アファンタジア」という、「頭の中に映像が浮かばない」というタイプの人間で、だから「映像的な記憶」は基本的にない。「松葉杖をついていた」みたいな記憶も、「映像」で残っているわけではなく、「そういうことがあったなぁ」みたいなエピソードとして記憶している、みたいな感じだ。

だからきっと、僕が間違ってるんだろうな、と思っている。のだけど、まさか「自分の頭の中にある記憶」を「違うのかもしれない」と考えるような日が来るとは思わなかった。宇宙人に拉致られて謎の手術でもされたんかな。

記憶で言えば、こんなこともあった。大学時代のことだ。友人から「この前借りた金返すよ」と言われたのだけど、僕の記憶では、その金はもう返してもらっていたはずだった。しばらくの押し問答の末、その場にいた何人かで協議が行われ、結果「お前の記憶は怪しいから、金は受け取っておけ」という話になったのだ。

そんなわけで、みんなも案外、家族や親しい人との記憶が合わない、なんてことがあるかもしれませんよ。

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