ワクチン接種前に知っておきたい、HPV感染と子宮頸がんの関係
HPVワクチンを勧める地方自治体のサイトには、「HPVワクチン接種により、子宮頸がんを88%予防できる研究結果も出ています」などと書かれています。それはどのような条件で行われた研究なのでしょうか? ワクチンばかり前面に出ていますが、ワクチン接種以外にHPV感染を予防する方法はないのでしょうか?
HPV感染と子宮頸がんの関係
HPVワクチン接種後に起きた健康被害については、前回の記事(下記参照)で取り上げました。この記事は、その続きになります。
厚労省のリーフレットを読むと、HPVと子宮頸がんの関係についての説明が、あまり伝わってこないように感じました。
リーフレットは下記のページで公開されています。
国立がん研究センターのサイトでは、子宮頸がんについて下記のように書かれています。
1.子宮頸がんについて
子宮頸がんに罹患する人(かかる人)は、わが国の女性のがんの中でも比較的多く、また20~40歳代の女性で近年増加傾向にあります。
子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV:Human Papilloma Virus)の感染が関連しています。HPVは、子宮頸がんなどを引き起こすウイルスですが、HPV感染者のほとんどは一過性の感染で、2~3年以内に感染が自然消失します。ごく一部で感染が持続し、数年~数10年の長い時間をかけて、前がん病変(異形成)を経て、子宮頸がんになります。軽度の前がん病変の80%はがんに進展せず、一部は自然に消えてなくなります。
早期の子宮頸がんは自覚症状がないことが多いですが、月経(生理)以外に出血がある、閉経したのに出血があるなどの不正出血がある場合や、月経が不規則などの症状がある場合には検診を受診せず、すぐに医療機関を受診してください。また定期的に婦人科を受診し、経過観察中の方はがん検診ではなく、受診中の担当医の指示を受ける必要があります。
・HPVに感染しても、そのほとんどは一過性の感染で、2~3年以内に感染が自然消失する・
・ごく一部で感染が持続し、数年~数10年の長い時間をかけて、前がん病変(異形成)を経て、子宮頸がんになる。
・軽度の前がん病変の80%はがんに進展せず、一部は自然に消えてなくなります。
HPVに感染したごく一部の人は、感染が持続して前がん病変を経て子宮頸がんになるけれど、軽度の前がん病変は80%ががんに進展しない、と書かれています。
つまり、ワクチンを接種していなくても、子宮頸がんになる可能性はそれほど高くはないと読み取れます。
Q:ヒトパピローマウイルス(HPV)って何ですか。
A:人の皮膚や粘膜に感染するウイルスで、性交渉で感染することも知られています。100種類以上あり、そのうち15種類ほどが子宮頸がんと関連があるといわれています。HPV感染そのものはまれではなく、感染しても多くの場合症状のないうちにHPVが自然に排除されると考えられています。HPVが排除されずに感染が続くと、一部に子宮頸がんが発生することがあります。HPVは子宮頸がんの前がん病変ではほぼ100%にみられ、子宮頸がんの危険因子の1つです。
・HPV感染そのものはまれではなく、感染しても多くの場合症状のないうちにHPVが自然に排除されると考えられている。
ここでも、「HPVに感染しても、多くの場合は自然に排除される」と書かれています。
Q:HPVの効果的な予防方法はありますか。
A:性交時のコンドーム使用は、ヒトパピローマウイルスの感染予防に有効とされています。またほかの性感染症予防にも役立ちます。
感染予防方法として、コンドームの使用が有効であると書かれています。
完全に予防できるわけではありませんが、他の感染症予防や避妊も含めて、ワクチンよりも先に、こちらを徹底的に周知させることが重要なのではないでしょうか。
厚労省が公開しているリーフレットには、そういったことは書かれていません。

「HPVに感染してもほとんど自然に消える」ことも書かれてはいますが、あまり目立ちません。
厚労省のサイトでは、WHOのファクトシートも公開されています。
上記の英文を和訳したものが公開されています。
以下、一部を引用します。
概観
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、最も一般的な生殖器へのウイルス感染症です。性交渉を経験するほとんどの女男は、人生のどこかで感染するでしょうし、一部の人は何度も感染を繰り返すこともあります。
女男ともに、もっとも感染機会が多いのは性体験を始めた直後です。HPVは性交渉時に伝播しますが、挿入の有無は感染には関係ありません。性器の皮膚部分どうしの接触でも伝播することはよく知られています。
HPVには多くの型がありますが、ほとんどは問題を起こしません。通常、HPV感染は、感染成立後、数か月以内に何の治療をすることもなく改善し、2年以内で約90%が治ります。ある特定の種類のHPVに感染した人の少数が感染を持続し、感染し癌へと進行させます。
HPVの持続感染と子宮頸がんの危険因子
・低年齢での最初の性交渉
・複数のパートナーとの性交渉
・喫煙
・免疫不全状態(例えば、HIV感染者はHPV感染症の危険性がより高く、たくさんの型のHPVに感染している)
ワクチン接種を勧めるだけでなく、こういったこともしっかりと周知させるべきではないのでしょうか。
子宮頸がんと他のがんの比較
では、子宮頸がんの罹患数は、他のがんと比べてどうなのでしょうか。国立がん研究センターがデータを公開しています。


2018年のデータでは、30歳以上で急増しています。
地方自治体のサイトなどで使われている、「HPVワクチン接種により、子宮頸がんを88%予防できるという研究結果」というのは、スウェーデンで行われた10歳から30歳までを対象とした研究からの数字です。
資料1-2 HPVワクチンの安全性・有効性に関する最新のエビデンスについて より(13ページ)

先ほどのデータからは40代、50代も多いことがわかります。その年代も入れたら、研究結果は変わってくるかもしれません。
元の資料を見ると、「10歳から30歳までの1,672,983人の少女および女性が含まれ、そのうち527,871人が研究期間中にHPVワクチンの接種を少なくとも1回受けていた」「研究期間中、4価HPVワクチンを接種した女性19人、接種しなかった女性538人に子宮頸がんが診断された」とあります。
19人と538人はずいぶん違うように見えますが、接種群(527,871人)と非接種群(1,145,112人)で分母が違います。子宮頸がんと診断された割合は、接種群で0.00350%、非接種群で0.04698%となり、非接種群でも99%は子宮頸がんになっていないということではないのでしょうか。
接種群でも10万人あたり47例は罹患しているのですから、接種しても罹患する人はいるし、接種しなくても罹患しない人も多数いるということです。

厚労省が公開しているリーフレットには、「日本では毎年、約1.1万人の女性がかかる病気で、さらに毎年、約2,900人の女性が亡くなっています」と書かれています。確かに、上記のデータでも2887人です。
けれども、大腸がんや肺がんの方がずっと多いです。
以上のことを考えると、「予防効果の持続期間が確立されていない」ワクチンを接種して、健康被害が出て「元の体に戻れなくなるかもしれない」リスク(下記参照)より、ベネフィットが上回ると言えるのでしょうか。
コロナワクチン同様に、テレビなどが発信している情報に偏りがありすぎると感じます。
