有効性は「推定」でOKの緊急承認制度
2022年5月20日に、「緊急承認制度」が創設されていました。特例承認よりさらに迅速に承認を行うことができる制度です。この制度では、有効性が「推定」できれば、承認できることになっています。
すでに施行されていた緊急承認制度
9月14日に開催された「第9回 医薬品等行政評価・監視委員会」の資料を見て、緊急承認制度がすでに施行されていたことを知りました。
【参考資料3】緊急承認制度における承認審査の考え方について(令和4年5月20 日付け薬生薬審発0520 第1号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知)[PDF形式:169KB]
例えば、ワクチンの国内での臨床試験については下記のように考えるようです。
2)ワクチン
ワクチンは、通常、日本において検証的な臨床試験が実施されていない場合には、海外で実施された検証的な臨床試験に加えて、地域差・人種差を考慮し、少なくとも、日本国内において実施された日本人を対象とする臨床試験成績が必要であるとされている。
緊急承認制度においてワクチンの有効性を推定するに際しては、海外において実施された検証的な大規模臨床試験で顕著な成績が得られている場合には、日本国内における日本人対象の臨床試験成績は必要ではない場合がある。
この制度は、下記の流れで決まったようです。
【資料3】医薬品の緊急承認制度について(医薬・生活衛生局からの説明資料)[PDF形式:1,408KB]
【成立の経緯・運用状況等】
・ 「経済財政運営と改革の基本方針2021」等も踏まえ、2021年11月より厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会において議論を行い、同年12
月27日に緊急時の薬事承認の在り方に関するとりまとめ」を策定。
・当該とりまとめを踏まえ制度設計を行った緊急承認制度の創設等を内容とする「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案」を2022年3月1日に国会へと提出。
・本法律案は、前通常国会における「重要広範議案」に指定。内閣総理大臣入りの審議や参考人からの意見聴取が実施された上で、5月13日に全会一致で可決・成立。同月20日に公布・施行。
・塩野義製薬の新型コロナ治療薬について本制度適用の希望があり、6月22及び7月20日の薬食審において審議(継続審議)。
・なお、緊急承認制度の周知広報のため、わかりやすいリーフレットを現在作成中であり、8月中には完成予定。
全会一致で可決・・・。
塩野義製薬の治療薬は、当初「条件付き早期承認制度」で審議されていたようですが(下記参照)、6月・7月はこの制度の適応が審議されていたのですね。結局、承認は見送られました。
5月20日に公布・施行されているのに、周知広報のためのリーフレットは8月中に完成って・・・。
緊急承認制度に関するリーフレット
「周知広報のためのわかりやすいリーフレット」はすでに完成したようで、厚労省のサイトでも公開されています。

対象部分に、「海外で流通している」がなくなっています。つまり、臨床試験も短いのに、海外での販売実績がなくてもよいということでしょうか。しかも、有効性は「推定」・・・。


臨床試験がどんどん短くなっています。こんなに短くて、安全性の確認なんてできるのでしょうか。特例承認された新型コロナワクチンだって、販売前に安全性の確認ができていたとは思えません。審査報告書には、安全性に関しても「推定」で書かれている部分がありました。
結局、販売後に心筋炎やギランバレー症候群が追記されていますし、他にも様々な健康被害が出ているのに、ほとんど「因果関係の評価不能」としています。特例承認よりさらに試験期間が短くなって、安全性の確認などできるのでしょうか。

上記は通常承認の場合です。臨床試験だけで通常5~6年かかるところを、コロナワクチンは1年もかけないで特例承認されています。
WHOが武漢市で発生した肺炎が新型コロナウイルスによるものだと発表したのが2020年1月12日、ファイザー製ワクチンを日本で承認申請した日付は2020年12月18日です。臨床試験の前に、動物による非臨床試験も必要なのに、こんな短期間で申請していました(下記参照)。
先日承認された2価ワクチン(BA.1対応)は承認申請時にはまだ海外で流通していなかったし、日本人の臨床試験を行っていないし、有効性は推定な感じの書き方でした(下記参照)。これが緊急承認なのかと思ったのですが、審査報告書は「特例承認」となっています。
追記:
すでに親ワクチンが特例承認されているので、「承認事項の一部変更を特例承認」ということのようです。
特例承認に係る報告書は、下記で見られます。
この制度はすでに施行されているので、処方される薬やワクチンがどの承認なのか、自分で確認しなければ、自分の身を守ることが難しくなってきたと思います。

まだ一覧はないようですが、添付文書などにも書かれるようです。
