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【はじめましての方へ】答えを急ぐ時代だからこそ、私たちが豊前市で「対話の場」を始めた理由

今年、豊前市のあちこちで新しく始まる「対話の場」。

「対話って、一体何をするの?」
「うまく話せるか不安だし、自分の意見なんてないかも……」
「どんな人が、どんな想いでひらいているの?」

そんな心配に、飾らない言葉でお答えしたくて、主催者の二人で楽屋裏のおしゃべりのような記事を作ってみました。お茶でも飲みながら、ゆるりとのぞいてみてください。


みなさん、こんにちは。株式会社ことろどの吉田翔太です。

昨年度から、私たちは豊前市役所さんと一緒に、地域のいろんな人が集まって語り合う「ネクストジェネレーション交流会」という【対話の場】をスタートしました。

……と、少し格好よく言ってみましたが、
実は私、吉田、これまで「対話の場」というものに、ただの参加者としてすら参加したことがありませんでした(笑)。 そんな人間がいきなり、対話の場を企画して進行(ファシリテーション)する側に回っているという、今思えばなんとも恐ろしい状態からこのプロジェクトは始まっています。

そんな「対話の超・未経験者」だった私が、なぜ豊前市でこの活動を広げたいと熱を上げているのか。それには、仕事の中で出会った、ある「原体験」があります。

1人の力ではなく、地域みんなの「総量」で。

私は仕事柄、いろんな地域を回る機会を頂いています。

あるとき伺った地域で、少子化で閉校になった小学校の跡地を見学させてもらう機会がありました。そこは地域の住民さんたちの拠点になっていたのですが、驚くような活気にあふれていたんです。

地域の裏山で取れたタケノコを、家庭科室で「メンマ」にして販売していたり。 お年寄りの買い物や病院の足が足りないと分かれば、行政に頼るのではなく、自分たちで車を手配し、Googleカレンダーで「自分が空いている時間」を共有し合って、住民さん同士で送り迎えする仕組みを動かしていたり。

思わず、地域の方に尋ねました。
「なんで、こんなにみんなが主役になって、面白い仕組みが次々と生まれるんですか?」と。
返ってきた答えは、とてもシンプルなものでした。

「ずっと、対話を根本として繰り返してきたからだよ」

あらかじめ決められたゴールに向かうのではなく、「自分たちはどうしたいか?」「この地域にどうなってほしいか?」を、ひたすら何回も何回も話し合ってきたのだそうです。

そのとき、私は深く納得しました。

1人のスーパーマンの力や、仕事の枠組みだけでは解決できない壁も、そこに住む一人ひとりの「何かできることはないかな」という小さな思いが集れば、圧倒的に優しく、強く、社会を動かしていける。地域の「みんなの総量」でやっていく方が、絶対にいいまちになる。

そんな学びを得て、「豊前でもこんな対話の場をひらきたい」と思ったのが、私の現在地です。

答えや結論を、急がなくてもいい場所

とはいえ、お作法も何もわからないまま、いきなり本番に飛び込んだ私です。
豊前市でこの挑戦を始めるにあたり、すぐ近くにいてくれた心強い「師匠」が、尾家さん(通称:オイエマン)でした。

民泊「利他庵」を運営しながら、ずっと草の根の対話活動を続けてこられたオイエマンに、当時「そもそも対話って、普通の会議と何が違うんでしょう?」と聞いてみました。

オイエマン:「一番分かりやすい違いは、『答えや結論を急がない』ということかもしれません。仕事の会議でも学校のテストでも『どれだけ早く正解を出せるか』になりがちですよね。
でも、僕たちがやろうとしている対話は、何かを批判したり、白黒はっきりと答えを決めたりする場所ではありません。自分の素直な感情や、日々の暮らしの中で感じる『ここがちょっとモヤモヤするんだよね』という小さな心の声を、そのまま机の上に置いてみる。そして、みんなで『へえ、そうなんだね』って眺めてみる。そういう時間なんです」

吉田:「えっ、でもオイエマン。僕みたいなビジネスマンの感覚からすると、『そのままでいい』って言われても、『じゃあこれ、どうするの?!』ってどうしてもゴールを目指したくなっちゃうんですけど……。正直、解決せずにそのまま置いておくのって、なんかソワソワしませんか?」

オイエマン:「(笑)。そうですよね、どうしても何か着地点を作りたくなるし、緊張しますよね。でも、実はその真逆でいいんです。
対話の場は、話をまとめずに、空気も読まずに、とりとめなく思ったことを話していい場所なんですよ。もし話すのが苦手なら、無理して話さずにただ『聴くだけ』でも大歓迎。聴いてみて思ったことを、メモみたいに文字に残してもらうだけでも十分です。
一番大切なのは、今この瞬間に自分が心で感じていることを、そのまま大切にしてもらうこと。みんながそれぞれ大切にしている持ち寄ったものの中から、『あ、そこ一緒だね』って共通点が見つかって、そこから新しい発想が自然と広がっていく。テーマは決められていなくて、みんなが感じた“感情”そのものが広がっていく、そんな場所にしたいんです」

吉田:「話をまとめなくていいし、空気も読まなくていい……。そう言ってもらえると、参加する側のハードルがめちゃくちゃ下がりますね」

なぜ今、豊前市で「対話」なのか?

いま、時代はものすごいスピードで動いています。AI(人工知能)が数秒で「もっともらしい正解」を大量生産してくれる時代だからこそ、私たち人間に必要なのは、正解のないモヤモヤをみんなで抱え、自分たちの頭で「問いを立てる力」ではないでしょうか。

……あ、「問いを立てる」なんてちょっとそれっぽい言葉を使っちゃいました(笑)。

具体的にどういうことかというと、前回のネクストジェネレーション交流会で私たちが実際にみんなに投げかけた質問が、まさにそれです。
堅苦しい地域課題を話し合うんじゃなくて、まずは「自分の“推し”を語る、肩書きのない自己紹介」から始めてみたり、「この神社、もっと自分たちの都合のいいように面白く使うとしたら何したい?」という素直なワクワクを引っ張り出してみたり。そんな風に、みんなが話しやすくなる「いい質問(問い)」をみんなで見つけていくことなんです。

私たちの暮らす豊前市も今、学校再編や地域の足(交通)のあり方など、暮らしの大きな変わり目を迎えています。
だからこそ、「誰かが決めた未来」にただ乗っかるのではなく、住民一人ひとりが日常の違和感を起点に、「自分たちの手でまちをつくっていく」という手触り感が必要だと思います。その最初の一歩が、「対話の場」なんです。

今年、豊前市のあちこちで場を開きます!※退路を断つ宣言

昨年度、大富神社という素敵な場所で第1回を開催したとき、参加してくれた地域の家具職人さんが「今までは遠慮していたけれど、これからはもっとこの場所をみんなで楽しみたい」と、温かな本音をぽろりと言ってくれました。 

「まとめなくていい」「答えを出さなくていい」というルールが、みんなの心をふっと軽くしてくれた瞬間でした。
そこで今年度は、さらにこの輪を広げるべく、豊前市の事業として、なんと年間15回以上の対話の場を開いていきます。

……あ、あえてここで具体的な数字を言っちゃいました。

これ、読者のみなさんに「言ったからにはサボれないぞ」と、私たちの退路を断ってハッパをかけるためにあえて書いています(笑)。もう後戻りはできません、やるしかありません!

これからは、高校生、子育て世代、工場で働く若い人たち、高齢者の方々、外国籍の住民さん……。普段なかなか「声」が表に届きにくい色んな人たちの話を、平日の夜や週末に、じっくり聞いていく予定です。

最初に言ったとおり、僕(吉田)自身も「対話ってどうやるの?」をリアルタイムでジタバタ体験しながら学んでいる最中です。
「ちょっとお茶を飲みに、オイエマンの温かい空気に触れにいく」くらいの軽い気持ちで、ぜひ気軽に遊びに来てくださいね。
みなさんとお会いできるのを、楽しみにしています!


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