【別冊】宇野てけしゅんイベントとゲンロン乱入の夜
キムラです。みなさん、低気圧にやられてませんか?
今回は、3月20日(金)に開催された2つのイベントについての感想回になります。
この日は、現時点でXのサブスクライバーが日本トップツーである宇野維正さんと東浩紀さんの両者が、それぞれ耕したコミュニティでほぼ同時刻にイベントを開催するという、東京がざわめいた一日でした。その記憶を振り返っていこうと思います。


いきなり話は逸れますが、最近、いとうせいこうさんに取材した時、ネットの場の交流も必要だし、現実世界の場所づくりも必要という話が印象に残りました。ネットでなんでもできる時代に、しかしネットだけでは大きなことを成し遂げることはできない。

そう考えると、宇野てけしゅんもゲンロンも、日々、ネットとリアルな場所の両輪をともなって活動を続けているわけで、まさしくこの時代における理想的なコミュニティ作りをしていると思います。
さて、まずは、中目黒で開催された宇野維正×てけしゅん音楽情報のトークイベント「世界のカルチャー発信源"JAPAN"について語ろう!」について。
宇野さんとてけしゅん音楽情報が定期的に開催しているトークイベント。今回は音楽評論家の柴那典さんをゲストに迎え、特集「JAPAN」をテーマに国内外の音楽・映画・アニメなどポップカルチャーを縦横無尽に語り尽くそうという回でした。我々、コンテンツ過剰接続の二人も現地で目撃しました。
4時間超にわたるてんこ盛りの内容。コンテンツ過剰接続もびっくりするほどの固有名詞の放出。しかもそれらが屈強な糸で丁寧に編み上げられていく。これを見れば今のカルチャーの状況が整理されるのは間違いないと思います。宇野さんの眼(め)、てけしゅんの眼、柴さんの眼、それぞれを意識しながらアーカイブを見てみると、さらに新たな地平が見えてくると思います。(アーカイブ販売は4月3日(金) 23:59まで)
てけしゅん音楽情報のJ-POPディスクガイド本は予約受付中↓
柴那典さんの新刊『ヒットの復権』は5月8日に発売。こちらも予約受付中。
宇野てけしゅんイベントの打ち上げが終わった深夜2時ごろ、てけしゅんの伏見瞬さんが突然「カラオケ行こ!」ならぬ「ゲンロン行こ!」と言い出し、過剰接続のふたりは黒塗りのタクシーに乗せられて、中目黒から五反田に連行されました。
伏見さんに宇野さんのイベントの打ち上げ後に「ゲンロン総会行くぞ!入れるかは分からん俺が交渉する!」と言われた時、だいぶマーティ・マウザーだった。
— 私はこーへ (@minicoolkohe) March 20, 2026
まさに「マーティ・シュプリーム」な展開。事件は思いもしないタイミングで突然やってくる。人生が加速していく感覚をタクシーの中で実感しました。
現場に着くと、ゲンロン友の会総会2026「愚かさ復活」の最後のプログラムである、人文ウォッチの公開収録が行われており、現場はただならぬ熱量に包まれていました。
いいとも最終回的祝祭、向上委員会的祝祭、すなわちフジテレビ生放送的祝祭が好きな人、ここにあるよ https://t.co/oQscFUnyTv
— MoeYamauchi (@Myamauchi2024) March 21, 2026
既にトークは終盤に近づいており、何名もの論者が乱入し、激論を交わしている最中。しばらくして壇上から「過剰接続のどっちか上がってこいよ」と声がかかり、代表して私はこーへが登壇する流れになりました。
そもそもゲンロンのお客さんからすれば「コンテンツ過剰接続って誰?」という状況な訳で、そこで自分たちの存在証明をするのは至難の業です。さて、私はこーへはどうするのかな?と思いながら、相方の言動を見守っていました。
しかし、終わったあと振り返ると「もっとこうすればよかったのでは?」「あそこで違う角度から批判されなかったから助かっただけでは?」などと無限に反省点が出てきます。なにより僕は壇上に上がらなかった(上がれなかった)わけです。普段自分がいる磁場とゲンロンという磁場の空気感の違いをとても痛感しました。しかしこれを越境しなければ、より多くの人に「ことば」を届けることは出来ない。「過剰接続」はいつまでも「過剰接続」たり得ないはずです。課題を山ほど発見することができました。我々の「反省と改革」の日々は続きます。
そしてゲンロンのみなさん、突然やってきた無礼者をコミュニティの輪の中に招き入れていただき、本当にありがとうございました。長きにわたってゲンロンという場所を築き上げてきた年長者の方々の確固たる覚悟、そしてゲンロンyメンバーの桁外れのパッションを目の当たりにし、たまらなく鮮烈な体験でした。背筋が凍るほどに。
かくいう我々も、活動を続ければ続けるほど、自分たちの界隈に蔓延するさまざまな因習に辟易するばかりです。しかもそれは、時間が経てば経つほど、界隈が肥大すればするほど、より強い毒となって、気づけば我々の立つ地面の下にまで深く根を張っているように思われます。よからぬものが、いつしか当たり前のものになっていく。そして、その当たり前を受け入れてはじめて、己の存在を証明することが許されるらしい。そんなものは真っ平御免です。けれど、不満を振りまいているだけでは、何ひとつ変えることはできない。まずはこつこつと手を動かすこと。なかなか育たない樹木にも、毎日めげずに水をやり続けること。その苦痛のような日々に耐えた先にこそ、はじめて心から歓待される場所を作り出すことができるのだと信じています。とても楽しく、とても滅茶苦茶だった、あの「長い一日」を思い起こしつつ、謝辞に代えます。
さて、今回のメンバーシップ限定音声は、この二つのイベントを横断した我々の振り返り回です。いつもより長めに話しているというのと、どちらとも有料イベントの内容に触れています(あくまで感想戦で、過度なネタバレはありません)ので、単品購入は600円にしてます。メンバーシップだと500円で聴くことができるので、そちらをおすすめします。過去回も全部聴けますので。あの回とかあの回とか、いま改めてもう一度聴き直すと面白いはず。Yeの「Bully」もリリース延期されてしまったので、代わりにこの回を聴き直すのもアリだと思います。↓

【別冊】宇野てけしゅんイベントとゲンロン乱入の夜(音声88分)
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