ロゴはデザインではなく、設計だ|第二話 なぜ、それでも小文字の n を選ぶのか
第二話
なぜ、それでも小文字の n を選ぶのか
第一話では、
多くの企業が N を大文字にする理由を考えてみた。
視認性。
誤認防止。
識別子としての強さ。
技術の現場では、
どれも無視できない要素だ。
それでも、
あえて 小文字の n を選んだ会社がある。
nVIDIA。
nichicon。


どちらも、
派手さとは無縁の世界で、
確かな存在感を持つ企業だ。
小文字の n は、正直言って扱いにくい。
サイズを落とせば潰れやすい。
書体によっては、u や h と紛らわしい。
第一話で挙げた
「間違われたくない」という理由だけを考えれば、
選ばれない文字のはずだ。
それでも使う。
理由は単純だと思う。
間違われる余地が、ほとんどないからだ。
nVIDIAの製品は、
型番を見れば分かる。
性能を測れば、すぐに差が出る。
nichiconの部品も同じだ。
データシートを読めば、
説明はいらない。
彼らにとってロゴは、
「最初に説明するもの」ではない。
「最後に確認されるもの」だ。
性能で識別される。
結果で覚えられる。
そういう世界では、
ロゴが声を張る必要はない。
小文字の n は、
目立たない。
主張しない。
しかし、誤魔化しも効かない。
技術そのものが立っていないと、
成立しない選択だ。
大文字の N が
「間違われないための設計」だとすれば、
小文字の n は
「実力が前提の設計」だ。
ロゴは、
会社の姿勢を正直に表す。
控えめに見える文字ほど、
実は、覚悟が要る。
ロゴは、やっぱりデザインではなく、設計なのだ。
テーマソング↓↓
次回(第三話)は
なぜ R だけは、大文字でなければならないのか
です。
谷中万世(やなかまんせい)
通称 やなまん
