使い方によってはお得 東進の数学特待について
ちょうど全国統一中学生テスト(全統中)の結果が返ってきたタイミングなので、東進の数学特待制度について書いておこうと思います。
1. 東進の数学特待制度とは
東進には、成績基準を満たした中学生を対象に、数学の講座を特別価格で受けられる「数学特待制度」があります。
首都圏の東進ハイスクール(直営校)には「スーパーエリートコース」という制度があり、開成・筑波大附属駒場・桜蔭・麻布など指定18校の新中1生または四谷大塚の直営校に在籍している生徒を対象としたコースがあります。選抜試験に合格することが必須です。
一方、関西や他の地方で展開されているのは東進衛星予備校(全国約1,000校のフランチャイズ)で、提供されているのが「数学特待制度」にあたります。数学を特別価格で先取りできるという趣旨は共通しています。
2. 数学特待の認定基準
2026年度の公式基準は以下のいずれかを満たすこと。
① 「全国統一中学生テスト」または「中学学力判定テスト」にて、数学の成績が優秀であること。全統中の場合は「全学年統一部門」の受験者のみが対象で、「中2生部門」「中1生部門」の受験者は対象外。
② 通知表の直近の評価で数学が5段階評価の「5」であること。かつ、入学時学力診断テストの数学の成績が優秀であること。
なお、息子が認定を受けたのは2025年11月末。その時点では、校舎で全統中の過去問を受けて8割以上を取ること、加えて学校の評定が5であることが条件でした。校舎によって運用が異なる場合があるので、詳細は各校舎に問い合わせるのが確実です。
3. なぜ「使い方によってはお得」なのか
数学特待制度の受講料は、もともとは無料でしたが、現在は年間82,500円になっています。来年以降もさらに値上がりする可能性は十分あります。
わが家の実費は以下のとおりです。

制度を使えるのは高1の11月までで、入学金は最初の1回のみです。
ポイントは「何講座でも年間82,500円の定額」という部分です。通常は1講座あたり85,800円かかるところ、特待なら何講座受けても定額。1講座しか取らなければ通常価格とほぼ変わりませんが、2講座目から一気に割安になります。
息子は半年で4講座(約83コマ)を修了し、現在5講座目と6講座目を始めるところです。通常換算なら85,800円×4講座=343,200円分を、定額82,500円(+入学金11,000円)で受けている計算になります。
4. 息子が先取りを急ぐ理由
息子は今、東進衛星予備校の数学特待生として通っています。
中2の6月現在、高校数学のⅠA・ⅡBCをひと通り走り切り、来週から共通テスト対策(数ⅡBC)と数ⅢCに入る予定です。学校で使う教科書は「体系数学」で、進度は速めではありますが、高校数学に入るのはもう少し先です。
では、なぜそんなに急いでいるのか。それは、息子が気象学について学んでおり、それには物理が必要で、物理を学ぶには微分積分が必要になるとわかったことがきっかけです。
それと、学校にSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の選択講義があり、そこで有名な先生から大学数学を扱う授業を受けるために、先に高校数学を終わらせておきたかったから、というのも理由のひとつです。
それ以上に、とにかく数学をどんどん先取りしたい、という本人の意欲がいちばん大きいです。
5. 中学校入学までの先取りについて
息子は小5で数ⅠAの基礎まで先取りを済ませていました。
中受が終わるとすぐに最高水準問題集の中1から中3までやり込み、大阪府公立高校のC問題(北野高校などが採用している問題)の9割弱を取る程度に中学数学を仕上げました。
6. 鉄緑会を選ばなかった理由
中学校に入学した直後は、まず学校生活に慣れることと、英検準2級を早く取ることを優先しました。
中1の秋ごろになると、医学部受験を考えた場合、学校の進度だけでは遅いと感じるようになりました。
そのとき最初に考えたのが鉄緑会です。
関東の鉄緑会には、指定校の生徒が入塾テストなしで入れる指定校制度があります。一方、関西には指定校制度がなく、入塾するには試験を受ける必要があります。
わが家では鉄緑会ではなく東進を選びました。もちろん東進と鉄緑会の両方に通っている方もおられます。鉄緑会を否定しているわけではなく、息子の学校生活や先取りの目的には東進の方が合っていたという理由からで、大きく分けて2点あります。
ひとつ目は時間の問題。
鉄緑会の京都校には中1から高2までのクラスがありますが、高3では大阪校へ通う必要があります。息子の学校は終わる時間が遅いため、大阪校の授業に間に合わない場面が出ると考えました。通うならトップ層の多い大阪校の方が切磋琢磨できるとも思いましたが、物理的に難しいと判断しました。
ふたつ目は進度の問題。
鉄緑会は対面の集団授業なので、年間の進度が決まっています。本人が先へ進める状態でも、クラスのペースより早く進むことはできません。東進の映像授業は、確認テストに合格すれば、自分のペースで次の講座へ進めます。先取りの速さに上限がないことが、息子には合っていました。中学生のうちに数Ⅲ・Cまで終えられることも、大きな魅力でした。
7. わが家の半年間の受講履歴
息子が東進に入学したのは、中1の12月です。
それからの受講履歴は以下の表のとおりです。

8. 自習室としても利用している
学校の考査前は、映像授業を入れず、自習室として利用することもあります。校舎によっては、スマホやタブレットの持ち込みに制限があるようです。息子の校舎では、学習目的であればスマホやタブレットの持ち込みは可能です。校舎長や担任から見える場所に、スマホを置いておくためのスペースがあります。
自習室の使い方や端末の扱いについても、校舎ごとに確認した方がよいと思います。
9. 数学特待のサポート体制
数学特待には、映像授業だけでなく校舎でのサポートも含まれています。
チューター:息子の校舎には、京都大学に通う元東進生や、息子と同じ学校から京都大学へ進学した先輩がいます。学校のカリキュラムや考査の感覚を知っているため、学校との両立についても相談しやすい環境です。
週1回のチームミーティング:毎週、1週間の学習計画を確認するチームミーティングがあります。どの講座をどこまで進めるか、学校行事や考査との兼ね合いをどうするかを確認します。映像授業だからといって、完全に放置されるわけではありません。
定期面談:約3か月に1度の校舎長との面談では、大学受験を終えた先輩たちの模試の成績推移を見せてもらうことがあります。「この時期にこのくらいの点数が取れていればよい」という基準を数字で確認できるので、大学受験についてわからないことが多い中で目安が見えることは安心につながっています。
10. 「高0生」という表記
東進では、高校生レベルの学力を持つ意欲のある中学生を「高0生」と呼んでいます。息子も数学特待の認定後、東進POS上では「高0生」と表示されるようになりました。

11. 認定条件と校舎ごとの運用
公式には、数学特待生が次の条件を満たさない場合、認定を取り消すことがあるとされています。
週1回のチームミーティングへの参加
週3回以上の登校
校舎で行われるイベントへの参加
ただし、東進衛星予備校はフランチャイズ形式なので、実際の運用は校舎によってかなり差があるようです。週3登校は必須ではない校舎もあると聞いています。
また、東進と別の塾がくっついた形の校舎もあるようで、実態はさまざまです。
息子の通う校舎では、中学生であっても、全国統一高校生テスト・共通テスト本番レベル模試・共通テスト同日体験受験などへの参加が求められています。息子の校舎では受験科目は学習の進度に応じて選べます。
息子は体調不良のときに自宅受講に切り替えることがあります。ただし、一般的なWEB授業と違うのは、自宅受講に切り替えたその日にしか映像が見られないという点です。翌日に持ち越したり好きな時間に見たりということができない仕組みになっています。「通わせるための制約」だと思います。
条件の細かな運用がどうであれ、通って講座を受けなければ、この制度を利用する意味はありません。定額で受け放題だからこそ、活用しなければただ名前だけの特待生で終わります。週3回の登校は、単に条件を満たすためではなく、講座や自習室をきちんと活用するための最低限の目安だと思っています。
12. 数学特待に向いている子
向いている子:高校範囲の数学を早く終わらせたい子、自己完結できる子。映像を見て自分で理解を完結させられるなら、どんどん先に進めます。
集団授業の進度に合わせる必要がなく、本人の理解と意欲だけで加速できるのです。
ただし条件があり、コマごとの確認テスト・単元ごとの修了判定テスト・講座修了判定テストで合格点を取らないと先に進めません。
向いていない子:映像授業だけでは理解が難しい子。チューターに質問することはできますが、個別指導のように、横について一から丁寧に教えてもらえるわけではないので、つまずいたときに丁寧に解説してもらいたいなら、対面の集団授業や個別指導の方が良い場合があります。
13. 講座を決める前に体験できる
東進には1~10レベルの多くの講座があります。
テキストが届くまで4~5日かかるので、今の講座が終わりそうな時期に校舎長と相談して、次に受ける講座を決めています。親の私も口出しをしています。(笑)
息子が通う校舎では、新しい講座を決める際、まずお試しで映像授業を1コマ受け、その後に適性判定テストを受けます。講座のレベルが本人に合っているかを確認し、合格すればテキストを発注してもらいます。
ただし、校舎長の判断で体験授業や適性テストを受けずに始めることもあります。
↓「講座を探す」をクリックしたらpdfが開きます。
https://www.toshin.com/system/element/whole.php
14. まとめ
東進の数学特待は、以前は無料だった制度ですが、現在の受講料は年間82,500円です。それでも、対象の数学講座を何講座受けても定額という仕組みは、大きなメリットです。高校数学を先取りしたい意欲があり、映像授業で自分から進められる子が、継続して校舎へ通うのであれば、通常の受講料と比べてかなり割安になります。
一方で、通わなければ意味がないし、映像授業だけで理解することが難しい子には合いません。「使い方によってはお得」というのはそういう意味で、制度そのものが得なのではなく、どこまで活用できるかによって価値が変わると思います。
息子にとっては、先取りの速度を止めずに自分の興味へつなげられる環境として、今のところよく合っています。
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