聖地巡礼、プリンスエドワード島
前回のお話:
どこまでも面倒見のいいジニーは、赤毛のアンの島、つまりプリンスエドワード島に私を連れて行ってくれました。彼女はかつてサマーサイドの旅行代理店に勤めていたそうで、「サマーサイド!それは赤毛のアンが校長先生をしていた町!」とアンオタ全開のコメントをして「赤毛のアンて、実在の人物だっけ?」と怪訝な顔をされました。
プリンスエドワード島に初めて行ったのは、本土からの橋がかかる前。フェリーでノーサンバランド海峡を超え、「世界で一番美しいところ」に行くアンの気持ちに浸ったものです。
はたしてプリンスエドワード島に「グリーン・ゲイブルス(赤毛のアンの家)」は存在していました。見事に小説の世界を再現してあり、マリラの紫水晶のブローチも、ふくらんだ袖のドレスも展示してありました。アンとダイアナが手を繋いで歩いたであろう「恋人の小径」も、村岡花子訳のイメージ通りで、いたく感激しました。
その後、2003年と2014年にもグリーン・ゲイブルスを再訪しましたが、行くたびにガッカリしました。「赤毛のアン会館」的なお土産屋ができ、アンの名前をかぶせたご当地製品が並んでいました。日本ならば「赤毛のアンまんじゅう」というところでしょう。聖地のぶちこわし現象が広がっていました。
地元の商工会議所は、アンが村の美観を損ねる看板広告に反対運動をしたエピソードを読まなかったのだろうか?アヴォンリー(実名キャベンディッシュ)を俗っぽい観光地にしてしまって、作者が見たら泣くだろうなあ、と悲しくなったのですが…
グリーン・ゲイブルスの隣にはゴルフ場があり、「カナダ人もゴルフするんですか」と聞いてきた新潟のロータリー財団のおじさんのことを思い出しました。私をカナダに送って(招いて)くれたのも、赤毛のアンを観光資源として使い倒しているのも、地元の発展を願っているおじさんたちなのです。アンの世界がぶちこわしだと嘆くのは、恩知らずな話なのかもしれません。
ロータリー財団のおじさんの件はこちら:
