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最初のカナダ留学:天使のような姉貴分のこと

前回までのお話:

カルガリーのお姉さんが「天使のような妹」と呼んでいたジニーは、話好きで大雑把で天真爛漫を絵に描いたような人でした。びっくりするくらい太っていたけど全然気にしているふうもなく、絶賛彼氏募集中、地元の「シングルクラブ」で出会いを探していて、結婚式は絶対秋がいいわ!と言っていました。

「秋になるとね、こっちは木々がすごい色になるのよ、赤とかオレンジとか黄色とか!カルガリーのお姉ちゃんのとこはね、秋になっても木は黄色になるだけで赤とかオレンジにはならないんだって!もう絶対赤とかオレンジの木をバックに結婚写真を撮りたいわ!」

日本も紅葉ってあるよ、と言おうと思ったのですが、赤とかオレンジになる木がものすごく特別なことのように話してくれたので、「へえ、そうなんだ!」と言ってしまいました。そういえば赤毛のアンもカナダの10月の美しさについて雄弁に語っていました。ちょっと待て、これはアンのおしゃべりを目を細めて聞いてたあの人の気持ちではないですか。私、マシューだ!

ジニーは介護施設のナースのお仕事が大好きで、いつも「超かわいいおじいちゃんおばあちゃんたち」の話をしていました。ジョークを披露しては自分で「がはははは!」と豪快に笑う人で、なるほど、天使だわ、と納得したものです。

私は完全にジニーの妹分になり、生活指導もされました。学校で「わるいことば」を覚えてくれば「そんな言葉つかっちゃいけません」と叱られ、工学部の男の子とちょっと仲良くなったら、「カナダの25歳以下の男はね、やることしか考えてないのよ!絶対気をつけなさいよ!」とクギを刺され、寮に戻るときは「勉強忙しくてもちゃんと食べなさい、ほらこれ、栄養満点だから、スプーンですくって食べて」とピーナツバターの瓶を持たされました。

カナダ沿岸州の人々は、人情に厚いとよく言われます。のちにオンタリオ州に住むようになったとき、沿岸州出身の人は、人懐こさのオーラで何となくわかるようになりました。ニューブランズウィックの家族と過ごした日々は、私にとって「暖かい国、カナダ」の原風景なのです。

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