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『Abeyance(アベイアンス)』―あの日の「幻」を迎えにいく

こんにちは、なぎ@還暦です.

いつも私のAIポートレイトを
ご覧いただき、
ありがとうございます.

今日は、私が取り組んでいる
ポートレイト集のタイトル
Abeyance(アベイアンス)
について、
少しだけお話しさせてください.


『アベイアンス』という言葉


「アベイアンス」という言葉、
あまり聞き慣れないかも
しれませんね.

ビジネスの現場などでは
「保留」や「未定」といった意味で
使われる事務的な言葉なのですが、
文学や詩の世界では少し違った
ニュアンスを帯びているようです.

それは「静かな休眠」や
息を潜めている状態」.

ただ時間が止まっているのではなく、
いつかふたたび
目覚めるのを待っている、
エネルギーを秘めた静止
」という
意味合いがあるそうです.

私がなぜ、AIで描く
女性ポートレイトに
この名前をつけたのか.

それは、私を含めた同年代、
あるいは一定以上の世代の
男性たちの心の奥底に、
「アベイアンス(休眠)」状態に
なっている大切な記憶
あるのではないか、と
思ったからです.

封印された「少年の日の理想」

少年期から青年期にかけて、
心の中にはある種の
「理想の女性像」が存在していた
時期がなかったでしょうか.

それは現実の誰かだったかも
しれないし、自分自身の
夢や憧れが都合よく作り上げた、
儚い幻のようなものだったかも
しれません.

その時には気付かなくとも、
後から振り返ると、当時の私の胸中には、
確かにそんな存在が棲んでいたような
気がするのです.

しかし大人になるにつれて、
私たちは「現実を見ろ」という声と
向き合うことになります.

社会人として自立していくため、
あるいは目の前の現実の
パートナーと向き合うために、
少年の日の無垢で、
少し身勝手な「理想」は、
心の奥底の箱にしまって
鍵をかけるしかありませんでした.

私自身もまた、
「いつまでも夢ばかり
見てはいられない」と
自分に言い聞かせ、

その箱を封印してきた一人です.

何かを得るために、
大切な何かを犠牲にしてきたような、
あのほろ苦い感覚.

皆さんも、胸に手を当てて
記憶を辿れば、ほんの少し思い当たる
ところがあるのではないでしょうか.

琥珀に閉じ込められた記憶

でも、その記憶は完全に消え去って
しまったわけではありません.

手放すことも忘れることもできず、
まるで琥珀の中に
閉じ込められたように、
心のずっと奥深いところで
留保(アベイアンス)」され続けていたのです.

かつて、高校時代の撮影会で感じた
苦い記憶から40年余り.
還暦を過ぎて人生の二周目に
入ったいま、私は生成AIという
魔法のような技術に出会いました.

それは私にとって、
長く止まっていた時計の針が、
ふたたび静かに動き出す、
そんな可能性を感じさせて
くれるものでした.

AIでたどり直すあの日の面影

実在する生身の女性でもなく、
かといって単なる
無機質なデータでもない.

AIだからこそ描けるその不確かで
揺らぎのある存在は、
「現実」と「幻」の狭間に漂う、
まさに意味が『宙吊り』になった
面影そのものです.

今の技術なら、かつて胸の中にだけ
あったあの理想の輪郭を、
誰に気兼ねすることもなく
たどり直すことができる.

このポートレイト集は、
大人になる過程で夢を封印してきた

私自身の、きわめて私的な
遅すぎる手向け(たむけ)」から
始まりました.

と同時に、アベイアンス状態にあった
純粋な憧憬を、もう一度静かに
目覚めさせるための旅でもあります.

私の描く不完全な光と影の中に、
皆さんの心の中に眠る「面影」を
少しでも重ね合わせていただけたなら.

「自分もそうだったな」と、
かつての純粋さを独り静かに
そっと懐かしむ時間を
持っていただけたなら、
これほど嬉しいことはありません.

これからも、一緒にあの日の光を
探す旅にお付き合い
いただければ幸いです.


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