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【自己紹介記事⑥】強みを引き出す視点が、私の支援の軸になった

CareerWeaveにお越しいただきありがとうございます。
「自分らしく」キャリアを重ねたい方を応援する、キャリアコンサルタントの笹井典子です。

前回の記事では、私が強みプロ育成協会と出会い、「強み引き出しセミナー」や三井会長のコンサルを通して、自分の強みと向き合い始めたことを書きました。

それまでの私は、強みとは「人より優れていること」や「わかりやすい成果が出ていること」だと思っていたように思います。

けれど、強みプロでの学びを通して、少しずつ見方が変わっていきました。

自分にとって当たり前にやっていること。
人からよく頼まれること。
周りから見えている自分の特徴。
誰かにとって助けになっているのに、自分ではたいしたことがないと思っていること。

そうしたものの中にも、その人らしい強みが隠れている。

この考え方は、私自身の自己理解にも大きな影響を与えました。

正直に言うと、コンサルを受けたその場で、自分の強みを100%理解できたわけではありません。

「本当にこれが私の強みなのだろうか」
「そんなことで強みと言っていいのだろうか」
「もっとわかりやすい能力や実績でなければ、強みとは言えないのではないか」

そんな思いもありました。

でも、協会の活動に関わり、強みについて学び続ける中で、少しずつわかってきたことがあります。

強みは、一度言葉にされたらすぐに腹落ちするものではない。
人との関わりの中で、自分の行動を振り返りながら、少しずつ受け取っていくものなのだと思います。

そして私は、その視点をカウンセリングの現場でも活かすようになりました。

相談に来る方の多くは、「自分には強みがない」と言います。

「自己PRに書けることがありません」
「人に誇れるような経験がありません」
「特別な実績がないので、何を話せばいいかわかりません」
「自分の良いところがわかりません」

こうした言葉を、これまで何度も聞いてきました。

けれど、丁寧に話を聴いていくと、本当に強みがない人はいません。

本人が強みだと思っていないだけ。
自分にとって自然すぎて、価値があると気づいていないだけ。
人と比べて目立つものだけを、強みだと思い込んでいるだけ。

そう感じる場面がたくさんありました。

たとえば、いつも周囲の状況をよく見て動いている人がいます。本人は「ただ気になってしまうだけ」と言います。

でも、それは周囲への配慮や、全体を見る力かもしれません。

人の話を聞いているうちに、相手が安心して本音を話し始める人がいます。本人は「私は何もアドバイスできていない」と言います。

でも、それは相手が安心できる関わり方や、受け止める力かもしれません。

ミスが起きないように細かく確認する人がいます。本人は「心配性なだけです」と言います。

でも、それは丁寧さや責任感、リスクを予測する力かもしれません。

強みは、本人にとってあまりにも自然な形で表れるため、自分では見えにくいことがあります。

だからこそ、カウンセリングでは、その人が何をしてきたのかだけではなく、どのように考え、どんな場面で力を発揮し、周囲から何を求められてきたのかを丁寧に聴くようになりました。

うまくいった経験だけではありません。

失敗した経験。
悩んだ経験。
遠回りした経験。
人とうまくいかなかった経験。
自信を失った経験。

そうした経験の中にも、その人らしい価値観や強みの手がかりはあります。

その後、結婚・出産を経て、私はハローワークの相談員として、若者から高齢者まで幅広い方の相談に携わるようになりました。

中でも印象に残っているのは、就職して3年以内に退職した若者たちの相談です。

「思っていた仕事と違った」
「自分に合っているのかわからない」
「人間関係がうまくいかなかった」
「もう一度働くのが怖い」

そう話す若者たちの多くは、決して能力がないわけではありませんでした。むしろ、真面目で、一生懸命で、何とかしようとしてきた人たちでした。

けれど、自分が何を大切にしたいのか。
どんな環境で力を発揮しやすいのか。
何が苦手で、どんなサポートがあると働きやすいのか。
自分にはどんな強みがあるのか。

そうした自己理解が十分でないまま就職し、ミスマッチや人間関係のつまずきによって、自信を失っているように見えました。

その時に大切なのは、ただ「次は頑張りましょう」と励ますことではありません。

その人が、どんな環境で苦しくなったのか。
どんな関わり方なら安心して働けるのか。
どんな場面では自然に力を発揮できていたのか。
これまでの経験の中に、どんな強みがあったのか。

そこを一緒に整理していくことです。

大学のキャリアセンターで学生の就職活動を支援するようになってからも、同じことを感じました。

自己PRを書こうとすると、多くの学生が「すごい経験」を探します。

リーダー経験がない。
大会で優勝していない。
アルバイトで大きな成果を出していない。
だから書けることがない。

そんなふうに思ってしまうのです。

でも、強みは派手なエピソードの中だけにあるわけではありません。

日々のアルバイトで、お客様の様子を見て先回りして動いていたこと。
サークルの中で、意見がぶつかった時に間に入って調整していたこと。
ゼミの課題で、最後まで粘り強く調べ続けたこと。
友人からよく相談されていたこと。
目立たないけれど、周りを支えていたこと。

そうした経験の中にも、十分にその人らしい強みがあります。

そして、それを本人の言葉で語れるようになると、表情が変わります。

「これも自己PRになるんですね」
「自分では普通だと思っていました」
「少し、自分のことを話せそうな気がします」

そんな瞬間に立ち会うたびに、私は強みを引き出す支援の意味を感じてきました。

現在は、大学でのキャリア支援と並行して、企業研修の講師としても活動しています。

新入社員研修、若手社員研修、キャリア研修、コミュニケーション研修などを通じて、働く人が自分らしく前に進むための支援をしています。

新社会人として不安を抱える若者。
将来のキャリアに迷う若手社員。
自分の強みがわからず、自信を持てない人。
周りと比べて、できていない自分ばかりを見てしまう人。

そうした方たちと関わるたびに、私は思います。
自信がないのは、強みがないからではない。
自分を信じる材料に、まだ気づいていないだけかもしれない。

強みは、自分の中にすでにあるものです。
けれど、それは自分一人では見えにくいものでもあります。

だからこそ、誰かと対話しながら、自分の経験を振り返り、そこにある価値観や力を言葉にしていくことが大切なのだと思います。

私自身も、まだ自信満々な人間ではありません。

それでも、強みを知る学びと、カウンセリングの現場での実践を通して、少しずつ自分のことを理解できるようになりました。

自分の弱さも、強みも、少しずつ受け取れるようになりました。

そして今は、同じように自信のなさを抱える人に伝えたいと思っています。




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