マネジャーイネーブルメント 〜HRBPが主導する「管理職が活躍できる環境づくり」〜
管理職の負担増(罰ゲーム化)が課題となっており、管理職の教育だけでは限界があると言われている中で、教育だけでなく組織的なサポートも含めた「管理職が活躍できる環境づくり」が求められています。
今回は、こうした環境づくりの一環として「マネジャーイネーブルメント」について紹介します。
「マネジャーイネーブルメント」とは、管理職向けの各種施策を提供し活躍を支援する機能です。そして、その導入や運用は、HRBPが主導的な役割を担い各関係者と連携した事業部門内クロスファンクショナルチームで推進します。
1. 「マネジャーイネーブルメント」の提供施策
マネジャーイネーブルメントで提供する代表的な施策を整理しました。
下記の通り、人事の領域だけでなく、管理職の業務全般についてサポートに繋がる各種のプログラムやツール・環境等を一元的に整備します。
<マネジャーイネーブルメントの代表的な提供施策>
管理職の期待役割定義/スキル定義
業務分析/改善プランニング
オンボーディングプログラム
研修
データ/ダッシュボード
AIアシスタント/AIエージェント
デジタルプラットフォーム/ツール
テンプレート/フレームワーク類
ベストプラクティス集
社内情報サイト(管理職用情報の一元化)
ガイドブック/FAQ
メンタリング/(AI)コーチング
コミュニティ/社内SNS
コミュニケーション/カルチャー醸成
相談窓口
2. マネジャーイネーブルメントの立上げ
次に、マネジャーイネーブルメントの立上げステップを紹介します。
やみくもに上記の施策を導入するのではなく、管理職の業務分析を通じて負担状況を把握した上で、優先度の高い施策から導入していきます。
この業務分析(上記「2.業務分析/改善プランニング」)は、毎年1回など定期的に実施し、マネジャーイネーブルメントの施策を見直していきます。
<マネジャーイネーブルメントの立上げステップ例>
【Step 1】管理職の業務負担の状況と要因を分析
【Step 2】管理職の主な負担要因の解消に繋がる施策(必要施策案)を設計/施策導入の優先順位づけ
【Step 3】現状で各担当から提供されている施策を整理
【Step 4】必要施策案の中で不足している施策を新たに準備
【Step 5】マネジャーイネーブルメントとして施策を一元化
【Step 6】全管理職に対してマネジャーイネーブルメントを紹介
何が管理職の負担を上げているのか:
これまで複数の企業で、何度も管理職の業務分析(①時間を要している低優先度の業務は何か/②難易度が高く品質が上がらない業務は何か)を行なってきました。
特に①については、業種や規模の違いはあっても、「会議参加」「資料準備」「データ集計」「メール対応」「社内情報・担当者検索」は、改善余地のある領域(かつ改善策も考えやすい領域)として共通しています。
この業務分析の結果をデータで示すことは、関係者が”管理職の現状負担”を認識し理解してもらう上で非常に効果があります(これも改善施策の1つ=一歩目となります)。
実際、関係者が管理職の現状負担を理解し、意識を少し変えてもらうだけで負担軽減・時間削減に繋がることが少なくありません。一例ですが「報告資料は簡易的で良い/作成にはAIを最大活用して良い」という意識を事業部門トップや上位リーダーが持つだけで、実際、資料準備の負担は減ります。
また、②については、管理職のタイプによって傾向が分かれますが、大別すると「戦略策定・計画立案」と「部下マネジメント」があり、どちらも何か1つの施策(例: 研修だけ)で解決できることは無く、複数施策の組み合わせが必要となります。
3. マネジャーイネーブルメントチームの編成
上記の代表的な提供施策を見て頂くと分かる通り、HRBPの役割範囲を超えた施策も少なくありません。
そこで、HRBPが主導して、様々な職種で編成される「マネジャーイネーブルメントチーム」を事業部門内に立上げます(チームメンバーは下記をご参照)。
なお、このチームは期間限定のプロジェクトチームではなく、常設のクロスファンクショナルチームとして設置します。
<マネジャーイネーブルメントチームの構成メンバー例>
事業部門トップ
上位レベルの管理職(本部長・統括部長等)
管理職当事者(選抜メンバー)
HRBP
事業企画担当
各職種の企画・管理・支援担当(例: 営業企画部・R&D管理部等)
FP&A
事業部門内のDX推進担当 等
最後までお読み頂きましてどうもありがとうございました。
「管理職支援」や「HRBP」について書いた記事を下記マガジンにまとめました。あわせてご参考になれば大変幸いです。
