「介護と仕事、両立できる?」気づけば、家族のなかで「誰かが背負ってる」
◾️制度と現場と“家族のジレンマ”
「お義母さんの様子、ちょっとおかしいと思うんだけど…」
『そのひと言から始まった、私たちの“介護の日常”。
一緒に住んでいるわけでもない、仕事が休みがちに取れるわけでもない。
でも、「とりあえず、私が見るよ」と言ったのは、なぜか私だった。
気づけば、病院の送迎、薬の管理、ケアマネさんとのやりとり。
仕事の合間を縫って、買い物、通院付き添い、認知症対応。
気がつけば、「私以外、誰も動かない」という空気になっていた。
不満じゃない。
でも、苦しくなる日がある。
「私は、仕事も家も全部背負ってるんだろうか?」と。
そんな“もやもや”を、私は抱えてきました。』
施設に入所された入居者様のご家族様からこのようなお話を聞かせていただいたことがあります。
お嫁様の入居者様を見る視線が何とも言えない表情だったのが印象的でした。
制度としての「介護と仕事の両立支援」はあるのか?
国は、実は“介護と仕事の両立”について、いくつかの制度を用意しています。
ただ、知られていない・使われていないケースも多いのが現実です。
■ 介護休業制度(育休に似たしくみ)
• 要介護状態の家族1人につき、最大93日間の休業が取得可能
• 分割して、3回まで取得できる
• 無給の場合が多いが、**雇用保険からの介護休業給付金(給与の67%)**あり
• 正社員だけでなく、要件を満たせばパートや契約社員でも対象に
■ 介護休暇制度(年次有給休暇とは別)
• 年間5日(2人以上なら10日)まで、半日単位で取得可能
• 通院やケアマネとの面談、福祉用具の手配などに使える
■ 時短勤務やフレックスタイム導入
• 一部の企業では、介護中の社員に時差出勤やリモート勤務を認める例も
• 「介護離職防止」を目的とした企業独自の支援も増加中
とはいえ、現場では「本当に使えるか?」という声が後を絶ちません。
◾️「制度」と「現実」のあいだで揺れる“働くケアラー”たちへ
私は正直、国の制度だけでは足りないと思っています。
どんなに仕組みが整っていても、実際には──
職場の理解がない
自分が抜けたら迷惑をかける
家族の中で、自分以外に動く人がいない
そういう“空気”に、心が押しつぶされそうになるのです。
それでも、私は伝えたい。
「自分の人生を犠牲にしすぎないでください」
家族を大切に想うことと、
自分を後回しにすることは、同じじゃない。
誰かを助けるには、まず自分が倒れないこと。
それが、介護の原則でもあります。
泣いてもいい。弱音を吐いてもいい。
“頑張りすぎるあなた”に、まず伝えたいのは
「あなたにも、支えてくれる制度と人がいる」ということです。
私も現場の一人として、そういう人になりたい。
一人で悩まずに、まずは一歩、話してみてください。
次回予告:
次回は、『介護で“味方”を増やすコツ──行政・専門職・近所づきあい』について。
家族だけで抱えず、周囲とつながることで軽くなる介護の“知恵”を、現場からお届けします。
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