3)茎と葉がつくる「光合成工場」
土を押し上げて
芽を出したジャガイモは
次に
とても大切な段階へ進みます
それは
太陽の光を使って
自分で栄養をつくれる体を整えること
地上に出たばかりの芽は
細くて小さく
少し弱そうに見えるかもしれません
しかしこの時期
ジャガイモの中では
急ピッチで体づくりが進んでいます
茎を伸ばし 葉を広げ
光合成を行うためのしくみを
次々につくっていくのです
緑の量は 未来の収穫量
この時期に育つ 地上部(茎と葉) が
どれだけ元気に どれだけ広く育つか
それが
あとで土の中で大きくなる
塊茎(かいけい) の大きさを決める
大切な土台になります
畑を見たとき
畝(うね)が
しっかり緑でおおわれていれば――
地下での収穫準備が 順調に進んでいる
というサインでもあります
茎は 体の中をつなぐ通り道
ジャガイモの茎は
ただ体を支えるだけの部分ではありません
葉を光の当たる場所へ導く
根から吸い上げた水や養分を 葉へ送る
葉でつくられた糖を 地下へ運ぶ
体の中の流れを まとめて受け持つ
通り道(パイプライン) の役割をしています
止まったようで 止まっていない成長
成長が進むと
茎の先に花房(かぼう) があらわれます
このとき
その茎の先の成長は いったん止まります
ところが
すぐ下の部分から 新しい枝が伸び始めます
畑で見ていると
「止まったと思ったら また伸びている」
と感じるかもしれません
これは
成長の中心を 交代しながら続く
ジャガイモの特徴です
この枝分かれのしかたを
「仮軸分枝(かじくぶんし) 」といいます
一か所に頼らず
役割を引き継ぎながら広がることで
ジャガイモは
効率よく光を受け続けられるのです
茎の長さは 条件によって変わりますが
一般には50〜100cmほどまで伸びます
葉の仕事と 地下での準備
葉は
ジャガイモのエネルギー工場です
太陽の光 水 二酸化炭素を使って
光合成により 「糖」をつくります
葉の数が増え
畑が緑でいっぱいになるころ
地上部は ほぼ完成に近づきます
その一方で
地下では静かに 次の準備が始まっています
塊茎は
花が咲く少し前 または咲くころに
つくられ始めます
ただし
この時点では まだとても小さく
「これから大きくなる準備ができた」
という合図にすぎません
花はゴールではなく 次の段階へ進むサイン
やがて
ジャガイモは花を咲かせます
しかし
花そのものが目的ではありません
花は
茎と葉が十分に育ち
栄養をたくわえる段階に入ったことを
知らせる合図です
ここからは
葉でつくられた糖を
どれだけ安定して
地下へ送り続けられるかが
重要になります
よく育った 茎と葉は
すでにフル回転する 大きな工場です
地上では 緑が光を受け
地下では エネルギーが
少しずつ たくわえられていく――
こうして
ジャガイモ栽培の中心となる
「塊茎の肥大」 が 始まっていくのです
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