【RTX5060ti】Qwen3.6 35B A3Bを使ってみた話②【MoE×ゲーミングPC】
はじめに
前回のつづきです。
LLM(大規模言語モデル)をローカルで動かすには、大量のメモリ(特にGPUメモリ)が必要になります。
LLMに限らずAIの演算は行列の塊を一気に処理するので、100人101脚競争のように、個々の演算で最も遅い者(ボトルネック)に律速します。一人でも1/10の速度になれば、全体も1/10になります。つまり少しでも高速なGPUメモリ(演算)から溢れるとドボンです。
2026年現在、現実的な価格で手に入るGPUのVRAMは16GBが上限です。NVIDIA製のミドルレンジであれば、
RTX 4060ti 16GB
RTX 5060ti 16GB
あたりに限定されます。※ 昨今の高騰で、従来のミドルレンジという価格帯でもないと思いますが…
ただし、16GBであっても、最新LLMで人気のGemma4 26BやQwen3.6 35Bで利用される一般的なQ4量子化サイズでは、静的なファイルサイズだけでも16GBを大きく超えるため、すべてをGPU処理する事はできません。
単純に考えると動作しないのではと考えてしまいますが、Gemma4 26BやQwen3.5/3.6 35BはMoE(Mixture of Experts)という特殊なアーキテクチャなので、全てのパラメータがアクティブにならず、必要な時のみ利用するという手法によって演算回数を3Bや4Bと同程度に抑える事ができます。最新つよつよCPUなら、CPUのみでも実用的な速度で動作します。
さらに、つよつよCPUでなくとも、演算をCPUとGPUに上手く分散することによって(100人101脚状態ではなく、必ずしても全員が横一列でない)、CPUを利用するボトルネックの速度低下を抑える事もできます。
※ 下記のGemma4と同じ手法です
Qwen3.6 35B A3B(Q4_K_M)をRTX5060tiで利用する
LM Studio公式モデルでは、最もサイズの小さなもの(Q4_K_M)でも、22GBあります。
16GB VRAMに収まりきらないので、そもそもGPU実行できないように思えますが、工夫する事で、かなり高速に動作します。



一般に、コンテキストをリアルに填めるとパフォーマンスは下がりますが、70kトークン消費しても、30 token/s以上を保ちます。

設定のポイント
Gemma4 26Bの時と同じです。


Flash Attention+KVキャッシュの量子化も利用します
KVキャッシュの量子化は、単純にコンテキストによるメモリ消費を半分にしてくれます。もちろん品質劣化はありますが(モデルによりますが)軽微です。
まとめ
エキスパート層のCPU移動機能をOllamaで利用できないのは残念ですが、LM Studio、またはllama.cpp直接利用なら可能になります。
8Gや12GBのVRAMでは、9BやE4Bあたりのパラメータ規模が良いと思いますが、16GBのVRAMを搭載していれば、意外とMoEの(20〜80B)の中規模モデルも大コンテキストサイズ&実用速度でGPU利用できてしまいます。
特に、最新の
Gemma4 26B A4B
Qwen3.6 35B A3B
は(クラウドAI並みに)異常に優秀なので、16GB以上のVRAMを搭載したゲーミングPCがあれば動作挑戦してみる価値があると思います。
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