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AI面接を入れる会社、対面に戻す会社 ── 採用のやり方が各社でバラバラに変わっている理由


データは2026年4月時点の公開情報に基づいており、引用した報道・プレスリリース・調査の出典は文中に記載しています。各社の取り組みは現在進行形であり、本記事の整理は2026年4月時点の状況に基づく一つの見方です。

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第1章:バラバラに見える動きが、同時に起きている

採用の現場で、一見正反対に見える動きが同時に起きている。

ロート製薬は2025年12月、2027年4月入社の新卒採用からエントリーシートによる書類選考を廃止すると発表した。代わりに人事担当者との15分間の対話による選考「Entry Meet(エントリーミート)」を全国8拠点で実施する。生成AIの普及で応募書類の内容が均質化したことが理由だ。

ローソンとキリンホールディングスは、2026年4月入社の新卒採用から一次面接にAIを導入した。三菱ケミカル、出光興産、大和ハウス工業も同じVARIETAS社のAI面接サービスを導入している。丸紅は本選考の前段階で「AI面談」を実施し、2027年度入社新卒採用からは本選考プロセスにも組み込む方針だ。

富士通は2026年度から新卒一括採用そのものを廃止し、通年採用に移行した。新卒と中途の区別をなくし、採用計画数も定めない。経団連加盟企業の既卒通年採用率はすでに9割超に達している。

ロート製薬は「直接会う」方向に振り、ローソンやキリンは「AIで一次面接を代行する」方向に振り、富士通は「新卒一括採用そのものをやめる」方向に振った。一見バラバラに見えるが、共通しているのは「人を見る工程をどう設計し直すか」という問いに対する、各社の異なる答えである ということだ。

本記事の問いは次のとおりだ。人を見る工程は、AIで代替できるのか。代替してよいのか。

これは技術論でもなく、効率論でもない。人を扱う工程の設計思想の問題として、構造を分解していく。

出典:
ロート製薬——"エントリーシートによる書類選考を廃止し、対話を起点とした「Entry Meet採用」を導入"(2025年12月15日、プレスリリース)
https://www.rohto.co.jp/news/release/2025/1215_01

Business Insider Japan——"「AI面接」で採用はどう変わったか。ローソンとキリンに聞いた"効率化ではない導入理由""(2026年3月12日)
https://www.businessinsider.jp/article/2603-beyond-efficiency-ai-hiring-case-studies/

THE BRIDGE——"キリン、ローソンも導入のAI面接官──VARIETAS木下CEO「多様性重視の採用へ」"(2025年3月)
https://thebridge.jp/2025/03/kirin-and-lawson-also-adopt-ai-interviewer-varietas-raised-600m-yen-from-allstarsaasfund-and-globalbrains

日本経済新聞——"富士通、新卒一括採用を廃止 職務・専門に応じ通年募集"(2025年3月7日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC07B870X00C25A3000000/


第2章:採用フローの工程の役割を整理する

議論の前提として、採用フローの各工程が何を目的にした工程かを整理しておく必要がある。

採用は本来、書類選考と面接という異なる役割を持つ工程の組み合わせで設計されている。

書類選考はフィルタリングの工程だ。候補者は職務経歴書・履歴書・ESに時間をかけて自分の情報を整理して出し、会社はそれを読んで絞り込む。両者がそれぞれコストを払い、候補者の数を一定の規模まで絞ることが目的になる。

面接はマッチングの工程として設計されてきた。書類で絞られた候補者と会社が、同じ場で対面し、双方向に情報交換する。会社は候補者の人となりや思考の特性を見るが、それと同時に、候補者も会社の人と直接会うことで「この会社で働けるか」を判断する材料を得る。面接という工程は、設計思想として双方向性を組み込んでいる

ここで本記事における「双方向性」を定義しておく。双方向性とは、同じ場で、会社が候補者を見るのと同時に、候補者が会社を見ることができる情報の対称性のことだ。商談における「信頼形成」のような最終的な意思決定の性質ではなく、情報の流れの方向性として捉える。書類選考でも候補者は会社の情報をある程度得ているが、それは会社が一方的に発信した情報を受け取るだけで、双方向ではない。面接という工程の固有性は、対話の中で会社側の人間がどう反応するかを候補者が観察できる点にある。

ただし、これはあくまで設計思想としての話だ。実態として、書類選考通過後の一次面接は、多くの企業で「会社側が候補者をスクリーニングする工程」として運用されてきた面がある。集団面接、構造化面接、行動面接、いずれも会社側が評価する設計になっており、候補者が会社を見る情報量は限定的だった。面接の双方向性は、もともと完全に実装されていたわけではない。本記事の議論は、面接の双方向性を「あるべき姿」として置いた上で、AI面接の導入がその設計思想からどれだけ離れる方向の選択なのかを論じる。

この役割分担は、採用フロー全体の設計思想の核心だ。書類選考でフィルタリングを完了させ、面接では双方向のマッチングをやる。両工程がそれぞれの役割を果たすことで、採用は機能する想定になっていた。

ところが2024年以降、この役割分担が両端で異なる種類の変化を起こしている。書類選考は生成AIによる均質化で機能不全に陥り、面接は一次面接へのAI導入によって、最初の接点における双方向性が構造的に失われつつある。多くの企業は二次面接以降に人間の面接官を残しており、双方向性が完全に消えるわけではない。ただし、最初の接点が人ではなくAIになることの意味は、フローの後段で人と会えるという事実だけでは打ち消せない。次の章から、それぞれの変化の中身を見ていく。


第3章:書類選考の機能不全 ── ロート製薬の判断

ロート製薬がESを廃止した理由は、人事担当者の証言で明確になっている。

「ロート製薬の理念に不自然なほど共感しているESや、明らかに高評価を狙っていると見られる均質的なESが年々増加していたのは事実です」(ロート製薬人事総務部の藤原結衣氏)。

生成AIの普及で、ESが書類選考のフィルタリングツールとして機能しなくなっている。誰でも一定水準の整った文章を作れるようになり、応募者の個性や思考の特性を書類で見分けることが構造的に難しくなった。

ロート製薬の選択で重要なのは、ESの代替にAI面接を選ばなかった点だ。ロート製薬の人事担当者は次のように語っている。

「最近は書類選考の代わりに AI 面接を導入する企業も増えています。確かに書類よりは、等身大のみなさんを知ることができる効率のよい方法でしょう。それでもロート製薬は、仲間探しをAIに委ねない努力をしたいと考えました」

「『ひとつでも多くESを出さなきゃ』『すべてを読むわけにはいかないから、学歴やAIで絞ろう』この構図こそが、学生のみなさんの負担を増やしているのではないか。そんな問題意識があります」

ロート製薬は12年前の2013年にも「とりあえずやめます!宣言」を出し、就職情報サイトからのネット募集をやめて応募を電話受付に変更した経緯がある。今回のES廃止も、同じ思想の延長線上にある。効率の悪さを引き受けてでも、人を見る工程を直接の対話に戻すという選択だ。

ロート製薬がEntry Meetを全国8拠点で実施できているのは、エントリー数が15分対面で捌ける規模だからだ。一方、エントリー数万件規模の企業が同じ選択を取ることは、現実的に難しい。だからこそ次の章で見る別の方向、つまりAI面接の導入が広がっている。

出典:
ITmedia——"ロート製薬、新卒採用のエントリーシート廃止 「生成AIで内容が均質化」 代行手段は"直接会って話す""(2025年12月16日)
https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2512/15/news123.html

ロート製薬 採用担当note——""まず会う"から始める採用。ロートがエントリーシート廃止に込めた想い"(2025年12月15日)
https://note.com/rohto610/n/n26aeb39611a5

日経ビジネス——"ロート製薬、AI普及で新卒エントリーシート廃止 対面で「人生」に耳を傾ける"(2026年2月)
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00636/020300073/


第4章:面接の機能不全 ── AI面接の広がり方

書類選考が機能しなくなる一方で、面接の段階にAIを入れる流れが大企業を中心に広がっている。

キリンホールディングスは2026年卒の新卒採用から一次面接をAIに切り替えた。エントリーは約2万件、新卒採用人数は例年100人強。倍率にして約200倍だ。

人事担当者の根津拓登氏は「決して採用をおろそかにしたいわけではありません。むしろ、これまで以上に力を入れています。効率化が目的ではありません」と明言している。導入背景は新卒採用の「コース別化」だ。同社は2024年卒から職種別コース採用を強化し、従来の5コースから12コースへと拡大した。コースが増えると面接官も多様になり、経験値・スキル差・相性・自分と似たタイプを高く評価する傾向が出る。評価基準を設けても、面接官が人である以上、完全な均質化には限界があった——これを解決するためにAIを導入した、というのがキリンの説明だ。

ローソンも2026年4月入社の新卒採用でAI面談を導入した。一次面接の通過率自体に大きな変化はなかったが、その後の選考通過率が改善し、内定承諾率は約1割向上、辞退率も同程度改善した。AI面談を受けた約500人を対象としたアンケートでは98%が「よかった」と回答している。なお、これらの数字はAI面談を通過した候補者および選考に進んだ候補者を対象にしたものであり、AI面談で落ちた候補者の評価は含まれない点には留意が必要だ。

VARIETAS社のAI面接官サービスは、キリンとローソン以外にも三菱ケミカル、出光興産、大和ハウス工業など大手企業に導入されている。同社CEOの木下氏は「業務効率化ではなくて、新しい付加価値」を目指すと語る。

ここで重要なのは、各社が「効率化が目的ではない」と一貫して主張している点だ。AI面接の導入は、単なる効率化として正当化されているわけではない。各社それぞれに、「マッチングの精度を上げる」ための論理を持っている。

  • キリン:面接官の主観バイアス(類似性バイアス、スキル差)を減らす

  • ローソン:候補者にフィードバックを返し、候補者の自己理解を支援する

  • VARIETAS:全候補者に面接機会を提供する(従来は書類で落とされていた候補者にも対話の場を)

ただし、これらの主張する「マッチング精度の向上」は、いずれも「評価する側」「候補者側の自己理解」「機会の平等」のいずれか一面であり、第2章で定義した双方向性(同じ場で会社が候補者を見るのと同時に、候補者が会社を見ることができる情報の対称性)には触れていない。各社が言う「マッチング」が、面接の設計思想として組み込まれてきた双方向性とどう関係するのかは、各社の発信からは見えにくい。この「マッチング」が指している工程の位置づけそのものについては、第5章で構造的に検討する。

候補者側のデータからも、関連する観察ができる。マイナビの調査によると、企業が選考の評価にAIを使うことに対する学生の賛否は、評価対象によって大きく異なる。適性検査での利用は賛成49.8%・反対20.0%と賛成が上回るが、面接内容の評価では賛成24.2%・反対47.5%と反対が約2倍に逆転する。面接(=人を見る工程)へのAI導入には、適性検査への導入とは違う抵抗が候補者側にある。約半数が面接でのAI評価に否定的という事実は、面接という工程に候補者側が双方向性を期待していることの一定の傍証と読める。

出典:
Business Insider Japan——"「AI面接」で採用はどう変わったか。ローソンとキリンに聞いた"効率化ではない導入理由""(2026年3月12日)
https://www.businessinsider.jp/article/2603-beyond-efficiency-ai-hiring-case-studies/

THE BRIDGE——"キリン、ローソンも導入のAI面接官──VARIETAS木下CEO「多様性重視の採用へ」"(2025年3月)
https://thebridge.jp/2025/03/kirin-and-lawson-also-adopt-ai-interviewer-varietas-raised-600m-yen-from-allstarsaasfund-and-globalbrains

Business Insider Japan——"丸紅「合否を判断しないAI面談」導入の理由。優秀学生から"選ばれたい"期待も…?"(2025年9月、マイナビ調査の数値はこの記事より引用)
https://www.businessinsider.jp/article/2509-marubenis-use-of-ai-in-recruitment/


第5章:採用フローのどこにAIを置くか ── BtoB営業との対比

ここで、構造を別の角度から見るために、BtoB営業の世界を参照したい。

BtoB営業のファネルは、大きく3つの工程に分かれる。マーケティングで広く認知を取り、インサイドセールスでリードをスコアリングして絞り込み、フィールドセールスで商談に進む。

このファネルの中で、AIによる自動化は実は広く普及している。リードナーチャリングのAI、チャットボットによる一次対応、自動アポ取得ツール、AIダイヤラー、商談録音AIによる予測分析——いずれも営業ファネルの上流から中流で、AIによる代替・補助が進んでいる。HubSpot Breeze、Salesforce Einstein、amptalk、JamRollなど、業務の自動化を担うツールは数多く存在する。

しかし、ファネルの終端である商談そのものにAIアバターを出す会社は、見当たらない。商談を補助するAIは無数にあるが、商談の場に売り手側として立つのはAIではなく人だ。これは、商談が買い手と売り手が同じ場で対等に情報交換する工程として、契約という意思決定の最終段階に位置づけられているからだ。仮に「うちはAIアバターしか出しません、お客様だけ人間で来てください」と言う会社があれば、商材を真剣に売る気がないと判断される。

ここから見える構造は、「上流のAI化は許容され、終端のAI化は拒否される」という非対称である。この非対称は、営業ファネルの設計思想そのものを反映している。上流は絞り込みであり、AIで効率化しても情報の対称性は要求されない。終端は契約成立の場であり、双方向の情報交換が前提になる。

採用フローを同じ構造で見ると、対応関係は次のようになる。

  • マーケティング = 採用広報、求人媒体への掲載

  • リードのスコアリング = 書類選考

  • 商談 = 最終面接

この対応で見ると、書類選考のAI化(ESのスクリーニングAI、適性検査でのAI利用)は、営業ファネルの上流のAI化と同じ位置づけになる。実際、適性検査でのAI利用は学生の49.8%が肯定的だ。ここまでは営業の構造とも整合する。

問題は、一次面接にAIを入れることの位置づけだ。第2章で書いた通り、一次面接は本来、書類選考でフィルタリングを完了させた後の双方向のマッチングを開始する工程として設計されている。営業ファネルで言えば「商談の入口」に近い位置だ。商談の入口にAIアバターが座るBtoB営業は、見当たらない。

ただし、ここでアナロジーには限界がある。一次面接の実態は、商談というよりも「リードの絞り込みの最終段階」に近い性質を持っているという反論が成立する。多くの企業で一次面接は会社側が候補者を絞り込む工程として運用されてきた。この反論は構造的に妥当だ。営業ファネルで「リードの絞り込みの最終段階」がAI化されるかどうかは、各社の判断による。

つまりBtoB営業のアナロジーは、「一次面接にAIを出すのは絶対におかしい」という結論を支えるほどには強くない。ただし、ファネルの位置によってAI化の許容度が変わるという構造の観察は、採用にも応用できる。一次面接はファネルのどの位置にあるのか——リードの絞り込みの最終段階か、商談の入口か——という問いが、AI面接導入の是非を考える上での実質的な分岐点になる。

ここまでの観察を踏まえて、各社の選択を「絞り込み型」と「商談入口型」に分類すると、構造はもう少し見えてくる。

  • 絞り込み型として一次面接を設計している会社:キリン、ローソン、三菱ケミカル、出光興産、大和ハウス工業。一次面接を「会社側が候補者を絞り込む工程」として位置づけ、AIで代替している。評価の均質化や機会の平等を主張する論理は、この設計思想と整合する

  • 商談入口型として一次面接を設計している会社:ロート製薬。書類選考の段階から「Entry Meet」で直接対話を始め、選考プロセスの最初の対話を双方向の場として設計している

  • その中間に位置する会社:丸紅。本選考前のAI面談を「合否非直結」に置き、フィードバックレポートに社員インタビューを含めた。一次面接を絞り込みの工程としてはまだ位置づけず、商談入口性の保持を試みている

この分類で見ると、各社が「マッチング精度を上げるためにAIを使う」と主張するとき、その「マッチング」が指している工程の位置づけは、各社で違う。絞り込み型の会社は、一次面接を絞り込みとして設計した上で、その絞り込みの精度を上げるためにAIを使っている。これは構造的に整合する。商談入口型の会社は、最初の対話を双方向の場として保つために、AIを使わない選択をしている。これも整合する。

問題は、設計思想を明示せずに「マッチング」という言葉が使われていることだ。「マッチング」と言いながら絞り込みの設計を取っている会社と、「マッチング」と言いながら商談入口の設計を取っている会社を、同じ言葉で語ることは、議論を曖昧にする。本記事の事例の中でも、各社が「マッチング」と言うときに何を指しているかは、明示的には語られていない。

ここまでの分類は、各社の選択がそれぞれの設計思想と整合していることを示している。各社内では、設計と運用にズレはない。ただし、業界全体を採用フローの工程の役割分担という観点で見ると、別の問題が浮かび上がる

絞り込み型として設計されている一次面接は、実質的にはマッチングの工程ではなく、フィルタリングの延長である。第2章で整理した工程の役割分担に照らすと、書類選考はフィルタリング、面接はマッチングという設計だった。絞り込み型のAI面接は、この役割分担の中で言えば、面接の場でフィルタリングを実施しているということになる。にもかかわらず「マッチング」「候補者体験」という言葉が使われ続けていることは、採用フローにおける工程の役割の境界が曖昧になっていることを示している。書類選考が機能不全に陥り、フィルタリングを面接の場で補おうとした結果、面接という工程の名目と実態がずれてきた、と整理することもできる。


第6章:候補者が会社を選ぶ決め手は何か

ここまでの議論では「人を見る工程」を主に会社側の視点で扱ってきた。しかし面接には会社が候補者を見る側面と、候補者が会社を見る側面の両方がある。後者の側面で、AI面接が何を奪っているかを考えたい。

候補者が会社を選ぶときに使える情報は、大きく分けると以下に整理できる。

  1. 会社の客観情報:売上、利益、業界順位、知名度、待遇、福利厚生

  2. 会社が発信している情報:理念、ビジョン、事業内容、求める人物像

  3. 会社の人:面接で会った人、社員、人事担当者

1と2の客観情報・公開情報だけで判断すると、構造的に**「客観指標で上位の会社」を選ぶ以外の選択肢が消える**。売上、知名度、年収で並べれば、トップ企業から順に選ぶのが合理的になる。

しかし実際には、客観指標でトップではない会社にも人は入る。その決め手は1と2では説明できない。「面接で会った人がよかった」「現場の人と話して働くイメージが持てた」という、人を介して得られる情報が決め手になっている。

人を介した情報は、候補者にとって会社という抽象を、具体的な意思決定に変換するインターフェースとして機能している。説明会・インターン・カジュアル面談・社員のSNS発信など、面接以外にも人を介した情報接点はある。ただし選考プロセスの中で会社が自分という個人を見て、その対話の中で会社側がどう反応するかを観察できる場としては、面接が中心的な位置を占めている。

AI面接の導入は、候補者から見ると、この選考プロセスの中での情報接点を構造的に減らす。一次面接の段階で「この会社の人」と話す機会が、AIに置き換わる。二次以降で人と会えるとしても、それは一次のフィルタリングを通過した候補者だけの話だ。落ちた候補者は、その会社の人を一切見ずに「あなたは合いません」と言われたのと同じ経験をする。

ローソンが報告した「内定承諾率1割向上」「98%が好評価」という数字は、ここで読み方に注意が必要だ。この数字は通過した候補者の中での話であり、AI面接で落ちた候補者がその会社をどう感じたかは含まれていない。承諾率向上の原因も、AI面接後のフィードバックの丁寧さや、二次以降で会った人の質かもしれない。通過した候補者だけのデータでAI面接の正当性を語ることは、構造の片側しか見ていない

ここで一つの観察を提示したい。第5章では各社の選択を「絞り込み型/商談入口型/中間」という設計思想の軸で分類したが、別の軸——人を介した情報接点を選考プロセスの中にどれだけ組み込んでいるかという量の軸——で見ると、客観指標で勝てない会社が、その接点を意識的に増やす方向に設計している事例がある。

丸紅は、自社の純利益が総合商社の中で5番手だと認識している。「合否非直結のAI面談」を導入し、フィードバックレポートには**「学生の特性に近い丸紅社員のインタビュー」を含める**設計を取った。AIを使いつつも、人を介した情報接点を意図的に組み込んでいる(第5章では「中間」と分類した会社だが、人を介した接点の量という軸で見ると、この設計の意図は明確だ)。

ロート製薬も、製薬業界のトップ層と並ぶ規模ではない。ESを廃止し、効率の悪さを引き受けてでも「直接会う」を選んだ。

両社の方向性は異なる(丸紅はAIを使いつつ人の接点を増やす、ロート製薬はAIを避けて人の接点に振る)が、共通するのは人を介した情報接点を選考プロセスの中に意識的に組み込んでいることだ。

ただし、これは2社の事例であり、構造仮説として一般化するには弱い。業界上位の企業がAI面接を選ぶケース(キリンはビール業界2位、ローソンはコンビニ業界3位)も多く存在し、「業界トップでない会社がAI面接を選ばない」という相関は、本記事の事例の範囲では見られない。客観指標と設計思想の関係は、もっと多くの事例を見ないと判断できない。検証は今後の事例蓄積を待ちたい。

出典:
Business Insider Japan——"丸紅「合否を判断しないAI面談」導入の理由。優秀学生から"選ばれたい"期待も…?"(2025年9月)
https://www.businessinsider.jp/article/2509-marubenis-use-of-ai-in-recruitment/

日経BP——"丸紅の「AI面談」、新卒採用に加え次世代リーダー育成にも活用"(2026年3月)
https://project.nikkeibp.co.jp/HumanCapital/atcl/column/00066/033000020/


第7章:各社の分岐は何を反映しているか

ここまで見てきた事例を一覧で整理すると、各社の対応は以下のように分岐している。

  • ロート製薬:書類選考(ES)を廃止し、直接対話の場に置き換えた。AI面接という選択肢も拒否

  • 丸紅:選考に直結させない位置でAI面談を導入し、フィードバックレポートに社員インタビューを含めた。2027年卒からは本選考に組み込む方針

  • ローソン、キリン、三菱ケミカル、出光興産、大和ハウス工業:一次面接にAIを導入し、評価の均質化や機会の平等を理由として説明

  • 富士通:採用システム自体を作り直し、新卒一括採用を廃止して通年採用・ジョブ型に移行

これらは倫理的に対立しているのではなく、「人を見る工程に何を期待するか」の設計思想の違いとして読める。

ここで一つ留保しておくべき点がある。AI面接で代替する設計を選ぶ会社が、候補者から見たときの選ばれ方(=候補者が会社を見る側の情報量がどう変わるか)をどう認識しているかは、公表されている情報からは明示的には読み取れない。「候補者体験」を改善するためのAI面接、という主張はあるが、その「候補者体験」が候補者の意思決定に必要な情報の量と質を含んでいるかは、各社の発信からは見えにくい。

そして、これらの分岐はバラバラに起きているわけではない。新卒一括採用というシステム全体の前提が崩れる中で、各社がそれぞれの応答を試みている、と捉えると、分岐の意味がより見えやすくなる。次の章では、その大きな構造を見る。


第8章:より大きな構造 ── 新卒一括採用の揺らぎ

ここまで「人を見る工程」の話として議論してきたが、視点を一段引くと、この議論はより大きな構造の中にある。

書類選考の機能不全(ロート製薬のES廃止)、面接の機能不全(AI面接の広がり)、そして採用システム自体の変化(富士通の新卒一括採用廃止、通年採用への移行)は、すべて同じ構造的揺らぎの異なる現れ方として読める。

富士通は2025年3月、2026年度から新卒一括採用を廃止すると発表した。新卒と中途の区別をなくし、採用計画数も定めず、職務内容に応じて必要な人材を必要な時に獲得するジョブ型人事制度の定着を目指す。学歴別の一律初任給も廃止し、ジョブレベルに応じた年収550〜700万円(高度専門人材は1000万円程度)を設定した。

経団連加盟企業の動向もこの流れを裏付けている。経験者(既卒者)の通年採用を導入する会員企業はすでに9割超に上る。新卒の通年採用は3割程度にとどまるが、経団連幹部は「新卒でも通年採用を活用することこそが若者に広く門戸を開く有益な方法だ」と発言している。日本経済新聞の社説は、新卒一括採用を「時代遅れとなった」と明確に書いた。

新卒一括採用は、戦後の日本型雇用システムの一部として作られた慣習だ。終身雇用、年功序列、新卒一括採用がセットで機能していた時代には、書類選考と面接の工程設計も、その前提の上で成立していた。同じ時期に大量の学生を一律の処遇で採り、入社後に時間をかけて育成する。この前提があれば、書類選考で一定の学力・志望度を確認し、面接で人柄を見て、配属は会社が決める、という工程設計が機能した。

ジョブ型雇用への移行が進む中で、この前提が崩れている。職務内容を明示して人材を配置する以上、「同じ時期に大量に採って後で配属を決める」という方式は維持できない。職務に応じた専門性の見極めが必要になり、それは書類選考や短時間の面接で完結するものではない。富士通が有償インターンシップを大幅に拡大し、1〜6カ月かけて学生と企業の相互理解を深める取り組みに移行しているのは、この変化の現れだ。

AI面接の導入も、ESの廃止も、通年採用への移行も、この大きな構造的揺らぎの中で起きている。AI面接そのものの是非を技術論として論じることは、症状を見て病名を決めるようなものだ。本質的には、新卒一括採用というシステムの前提が崩れる中で、各社が「人を見る工程」をどう再設計するかという問題に直面している。

第5章で見た「面接の場でフィルタリングが行われる(=面接の名目と実態のズレ)」という現象も、この大きな構造変化の一つの現れ方として読める。書類選考と面接が役割分担できていた前提が崩れ、書類選考の機能不全がフィルタリングを面接側に押し出した結果、工程の境界が曖昧になっている。これは新卒一括採用というシステムが前提としていた採用フロー全体の役割分担の崩れと、地続きの現象だ。

出典:
日本経済新聞——"富士通、新卒一括採用を廃止 職務・専門に応じ通年募集"(2025年3月7日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC07B870X00C25A3000000/

日本経済新聞——"新卒一括採用は時代遅れ 富士通、廃止の覚悟と勝算"(2025年5月18日、社説)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD137QT0T10C25A5000000/

あさがくナビ——"【人事のホンネ 特別編】「新卒一括採用廃止」富士通に聞く真意 高い挑戦意欲持つ人に来てほしい"(2025年5月21日)
https://asahi.gakujo.ne.jp/teach/jinji_real/detail/id=4081

マンパワーグループ——"新卒一括採用は廃止すべき?変わる雇用の常識"(2025年6月、経団連調査の数値はこの記事より引用)
https://www.manpowergroup.jp/client/manpowerclip/employ/rethinking-bulk-graduate-hiring.html


第9章:同じフレームワークを中途採用に当てはめる

ここまで本記事は新卒採用の事例を中心に扱ってきた。最後に、本記事で組み立てたフレームワークを中途採用に当てはめるとどうなるかを整理しておきたい。

ここで一つ、最初に確認しておくべき事実がある。中途採用にもAI面接の導入は現在進行形で広がっている。AI面接サービス国内最大手のSHaiNは、2025年2月に中途採用に特化した面接版の提供を開始した。導入企業は2025年2月時点で700社を超え、製薬業の中途採用(グリーンカプス製薬、2022年導入)や外食業の中途採用(吉野家、2018年導入)など、業種を問わず中途採用での公開事例が広がっている。「現職を持つ候補者の時間制約への対応」「24時間365日対応」「日程調整の柔軟性」といった理由が、中途採用におけるAI面接導入の主な動機として挙げられている。

本記事のフレームワークと、この実態は食い違う方向にある。以下では本記事のフレームワークに沿って中途採用を整理した上で、その食い違いをどう読むかを最後にまとめる。

新卒採用は、依然として「会社が選ぶ側」の構造が強い。キリンのエントリー約2万件に対して採用100人強というデータが示すように、応募者数が採用枠を大きく上回っており、会社側の絞り込みが選考の中心に置かれている。中途採用市場の構造はこれとは異なる傾向にある。dodaの転職求人倍率は2026年3月時点で2.39倍。厚生労働省の有効求人倍率も2026年2月時点で1.19倍と、求人数が求職者数を上回る売り手市場の圏内にある。ただし職種による差は大きく、マイナビの2024年データでは「建築・土木・測量技術者」が6.68倍と高い一方、「一般事務」は1.0を割り買い手市場になっている。エンジニア職種など人材獲得が難しい領域では、優秀な候補者は複数のオファーを並行して比較することになる。

会社が候補者を選ぶ場であると同時に、候補者が会社を選ぶ場でもあり、職種によっては後者の比重が新卒より大きくなる。第6章で整理したとおり、候補者が会社を選ぶ決め手は「人を介した情報接点」になりやすい。中途採用の売り手市場の職種では、この構造が新卒以上に強く効く可能性がある。一次面接にAIを置くことは、候補者から見たときの「会社の人と直接話す機会」を選考プロセスの最初の段階で削ることになり、意思決定の材料が減る。

応募の規模も新卒とは異なる。新卒採用でAI面接が導入されている動機の一つは、大量応募への対応である。エントリーが数万件規模になり、物理的に全員と対面することが不可能な規模で起きている。第5章で整理した「絞り込み型として一次面接を設計する」という選択は、この前提があるからこそ一定の合理性を持つ。

中途採用では、新卒のように同時期に応募が集中することはなく、ポジションごとに継続的に応募が発生する形になる。職種・企業規模・採用方式(エージェント経由か直接応募か)によって応募規模は大きく変わるが、新卒のような「数万件を一度に捌く」状況はホワイトカラー中途採用では一般的ではない。新卒で「絞り込み型」を支えていた規模の前提が、中途採用では成り立ちにくい。「全員と対面することが不可能だからAIを使う」という、新卒で機能していた効率化動機は、中途採用では同じ強度では使えない。

評価軸も中途採用では性質が異なる。新卒採用のAI面接は、社会人基礎力など汎用的な評価軸に基づいて候補者をスコアリングする設計を取っている。職務経歴がない候補者を共通の尺度で評価する方法として、この設計には一定の合理性がある。

中途採用で見るべきものは、候補者ごとに異なる傾向がある。職務経歴、実績、専門性、過去のプロジェクトでの判断や成果。特に高度専門職や管理職では、候補者によって深掘りすべき方向が違う。共通の質問セットを全員に投げて同じ尺度でスコアリングする発想は、こうした層の評価軸とは噛み合いにくい。

ただし中途採用でも、職務内容が標準化されている領域では、汎用的な評価軸でのスコアリングが機能する。ファッション業界の販売職や外食チェーンのアルバイト・中途採用でAI面接が以前から使われてきたのは、求められるスキルセットが比較的均質だからだ。SHaiNが2025年2月に中途採用特化版を出した背景には、この「標準化された評価軸でも捉えられる中途採用」の領域が拡大していることがあると読める。

3つの観点を整理すると、本記事のフレームワークに照らした場合、中途採用にAI面接を導入することの構造的妥当性は、職種によっては新卒採用より弱くなる方向にある。候補者が会社を選ぶ側の比重が職種によっては大きく、人を介した情報接点を削るコストが大きい。大量応募を捌くという効率化動機が成り立ちにくい。共通尺度でのスコアリング設計が、特に高度専門職・管理職の評価軸と合いにくい。

しかし冒頭で述べたとおり、実態としては中途採用にもAI面接は広がっている。この食い違いをどう読むか。

一つの解釈は、中途採用におけるAI面接の導入動機が、新卒の「絞り込みの精度を上げる」とは違う軸で支えられているというものだ。中途採用の場合、「現職を持つ候補者の時間制約への対応」「日程調整の柔軟性」といった、候補者の応募ハードルを下げる動機が前面に出る。これは第5章の「絞り込み型/商談入口型」の分類とは別の軸であり、本記事のフレームワークではそのまま評価できない。

もう一つの解釈は、中途採用市場の中でも標準化された職種領域(販売職、店舗運営、コールセンター等)に導入が集中しており、本記事のフレームワークが当てはまりにくい高度専門職・管理職への展開はまだ限定的というものだ。SHaiNの公開事例を見ても、職務内容が標準化されている領域での導入が中心で、判断や交渉の質を見るような領域での導入事例はまだ多くない。

どちらの解釈もありうる。中途採用に本記事のフレームワークを当てはめるときは、新卒採用と同じ「絞り込み型/商談入口型」の軸ではなく、別の軸で評価する必要があると整理しておきたい。新卒採用におけるAI面接の議論をそのまま中途採用に持ち込むと、構造を見誤る可能性がある。

出典:
タレントアンドアセスメント——"対話型AI面接サービスSHaiN 面接カテゴリー別の質問を提供開始!~第一弾!中途採用バージョン~"(2025年2月18日、プレスリリース)
https://www.taleasse.co.jp/2025/02/18/update_midcaree

タレントアンドアセスメント——"対話型AI面接サービスSHaiN導入企業700社を突破!"(2025年2月26日、プレスリリース)
https://www.taleasse.co.jp/2025/02/26/700companies

SHaiN導入事例——"AI面接で人となりを引き出し、コア人材の採用育成をめざす(グリーンカプス製薬株式会社)"(2022年から中途採用でSHaiNを年間15名程度活用)
https://shain-ai.jp/greencaps/

タレントアンドアセスメント——"株式会社吉野家が中途採用にAI面接サービスSHaiNを導入"(2018年9月、プレスリリース)
https://www.taleasse.co.jp/2018/09/04/shain-yoshinoya

doda——"転職求人倍率レポート(2026年3月)"
https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/

厚生労働省——"一般職業紹介状況(令和8年2月分)について"(2026年3月公表、有効求人倍率1.19倍)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71946.html

マイナビキャリアリサーチLab——"中途採用・転職総括レポート(2025年版)"(2025年5月、職業別有効求人倍率の数値)
https://career-research.mynavi.jp/wp-content/uploads/2025/06/2025_tyutosoukatu.pdf


第10章:「人を見る工程」の設計思想を、各社が選び直している

最後に、ここまで見てきた構造を整理する。

「人を見る工程をAIで代替する」という選択は、技術的に可能になっただけで、構造的には新卒一括採用というシステム全体の変化の中で評価されるべき問題である。

各社の分岐は、それぞれが「人を見る工程に何を期待するか」を再定義しているプロセスとして見える。ロート製薬は「直接会うこと」を再定義の核に据え、丸紅は「合否非直結のフェーズで接点を増やすこと」に再定義の核を置いた。ローソンやキリンは「評価の均質化」と「候補者体験の向上」に核を置き、富士通は採用システム自体を作り直すことで「人を見る工程」の意味そのものを変えようとしている。

候補者側の視点を含めると、ここに重要な論点が残る。AI面接で代替された一次面接は、「会社の人を見る機会」が同時に失われている工程だ。マッチング精度を上げる目的でAIを使うという人事側の主張は理解できる。実際、面接官の主観バイアスをAIで均質化する効果や、候補者へのフィードバックを返す仕組みは、既存の面接にはなかった価値だ。

しかしその「マッチング」の定義に、候補者が会社を見る側の情報量が含まれているかどうかは、各社の公表する論理からは読み取りにくい。マッチングという言葉は、双方が対等に選び合う場を意味しているはずだが、実態は会社側の評価精度を上げる工程に寄っている。マッチングという言葉と、その実態の間にズレがある——このズレが、候補者側からの違和感の構造的な正体ではないだろうか。第5章で整理したように、絞り込み型として設計されているAI面接が、依然として「マッチング」と呼ばれ続けていることに、このズレは具体的に表れている。

人を見る工程の設計には、複数の立場が成立する。「面接官の主観バイアスをAIで均質化することこそが公平」という立場があり、これはキリンやローソンの導入論理と整合する。「文字では感じ取れないものこそ、働く上で本質的に大切」という立場もあり、これはロート製薬のEntry Meet導入の論理と整合する。「AIを使いつつ人を介した接点も保つ」という中間の立場は、丸紅の合否非直結AI面談に表れている。「採用システムそのものを作り直す」という立場は、富士通の通年採用への移行に表れている。

これらの立場は、どれが正解でどれが間違いという関係にはない。それぞれが「人を見る工程に何を期待するか」という問いに対する異なる答えであり、その答えが各社の事業特性、客観指標での位置づけ、組織文化、採用規模などと結びついて、それぞれの設計選択になっている。

ここまでの議論は新卒採用を中心に組み立ててきた。第9章で見たように、中途採用に同じフレームワークを当てはめると、AI面接の導入動機が「絞り込みの精度を上げる」とは違う軸(現職を持つ候補者の時間制約への対応など)で支えられている。富士通の通年採用への移行が示すように、新卒・中途の境界そのものが揺らぎつつある中で、「人を見る工程」の設計思想の議論は、新卒採用の枠を超えて統合的に考える必要がある段階に入っている。AI面接の評価を「絞り込み型/商談入口型」のような単一の軸で済ませず、新卒採用と中途採用で異なる軸の存在を踏まえて議論することが、今後の設計思想の選び直しに求められる。

AI面接の是非を「効率化か、候補者体験か」という単純な対立軸で論じるのではなく、人を見る工程の設計思想の選択として論じる必要がある。設計思想を明示せずに「マッチング」「候補者体験」という同じ言葉が使われるとき、その言葉が指している中身は会社ごとに違う。この違いを明示する議論こそが、AI面接の評価を進める上で不足している。

少なくとも2026年4月時点では、「人を見る工程」をAIに任せるか、人に戻すか、システムごと作り直すかの分岐の中で、各社がそれぞれの設計思想を選び直している段階だと観察できる。この揺らぎがどこに収束するかは、各社が自社の設計思想をどれだけ明示的に言語化できるかにかかっているのではないだろうか。


2026年4月

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ちかちくり ここまで読んでいただき本当にありがとうございます!よろしければ今後とも応援何卒何卒よろしくお願いいたします!!