AIの限界と可能性。東京大学・山崎俊彦教授が導く「ヒトが『匠』になる未来」
ディープラーニングの転換点から今日の生成AIまで研究最前線を歩んできた東京大学・山崎俊彦教授。マルチモーダルや敵対的攻撃、魅力工学の実証研究を通じてAIがヒトの判断・創造において何を補完・拡張し得るのかを検証していらっしゃいます。本稿では山崎教授の研究のみならず、学術と社会実装の往復から見える「AI時代の専門性」と「ヒトが匠となる条件」にも迫りました。
【プロローグ】
山崎:最近、急に私の研究室を希望する留学生の方が増えたんです。今までも多かったんですが、この1〜2年は尋常ではないくらい。なぜだろう、ひょっとしたら生成AIの影響かな、と。試しに、ChatGPTに「私は留学生です。日本でAIを研究するには誰の研究室に行くといいですか」と質問したところ私の研究室がオススメされました。AIに推薦されると効果が絶大なんだと実感しましたね。佐野さんもぜひAIに読まれる記事を書いてください。
佐野:ありがとうございます。ビジネスパーソンだけでなく、AIにも長く信頼される情報を提供していきます。
【第1章】AI研究最前線。山崎教授の歩みと原点
― 山崎さんの現職を教えてください。
現在(2025年10月取材時点)、東京大学大学院情報理工学系研究科・電子情報学専攻にてコンピューターや情報分野に関する理学・工学の教育と研究を行っています。工学部の学部生や情報理工学系研究科の大学院生を対象に、古典的な理論から最先端の研究動向までを体系的に教えることをミッションとしています。最先端を教えるには研究者である私自身も最前線に立っている必要があるため、AIや機械学習に関する研究にも積極的に取り組んでいます。
私の研究室では画像・動画・音声・テキスト・メタデータ・グラフなど多様なマルチモーダルデータを扱いながらコンピュータビジョン、マルチメディア、パターン認識、機械学習・深層学習、自然言語処理、グラフィックスの基礎から応用まで研究しています。企業や大学・研究所と共同研究することも多く、実社会の大規模データを用いた研究や開発した技術の社会実装も視野に入れて活動しています。
― 山崎さんのご経歴を教えてください。
学部から博士課程まで一貫して東京大学で学び、当初は半導体や電子物性の分野にいました。特に半導体の物性を用いてアナログ回路を作り、より賢く低消費電力で動作するコンピューターを目指す研究に取り組んでいました。
単に「コンピューターを材料から作る」だけでなく「コンピューターが世界をどう見ているのか」「知的に振る舞うとはどういうことか」についても考えるようになったんですね。ヒトの脳の情報処理に興味を持っていた恩師の影響もあり、大学教員としてAI・機械学習の領域に飛び込みました。2009年に現専攻で准教授に着任し、2022年からは教授として教育と研究の双方を統括しています。その間、2011〜2013年にはコーネル大学研究員として国際的な共同研究にも従事しました。
― 世の中はいつ頃からAIに注目し始めたのでしょうか。
2012年に開催された画像認識コンペティション「ILSVRC2012(ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge)」です[1]。ここで「ディープラーニング」が初めて衝撃的な成果を出し、画像認識の世界が一気に塗り替わりました。技術の歴史的な大事件だったと言えます。
このコンペティションでは、参加者が自前の機械学習モデルで「画像が何のクラス(犬・猫・車など)か」を当てる精度を競います。指標は「誤差率(どれだけ間違えたか)」で評価される。それまでの画像認識はヒトが手作業で作った「特徴量」を使うのが主流で、誤差率は毎年2%ほど改善するという進歩傾向が続いていました。
そんな中、トロント大学のジェフリー・ヒントン教授のチームが8層の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)というディープラーニング手法を用いて参戦。その結果、1000クラス分類の誤差率を前年より10%以上も下げ、2位以下のチームに圧倒的な差をつけて優勝したんです。「昨年から2%改善すれば勝てる」と言われていた世界で10%も改善したわけですから、研究者もメディアも度肝を抜かれました。これを境に画像認識は従来の特徴量ベースからCNNへと移行し、現在の生成AIに繋がる潮流が生まれました。
【第2章】最先端を紐解く。研究室の研究領域・哲学
― 山崎さんの研究室が取り組んでいるテーマについてお聞かせください。
私たちは大きく3つの軸で研究を進めています。まずは「マルチメディア(=マルチモーダル)」です。従来は画像・音声・テキストといったデータをそれぞれの専門家が扱ってきました。しかし、現在のAIは異なる種類のデータ(モダリティ)から抽出された特徴量を同じ形式の数値として統合し、一つのモデルで処理できます。例えば「画像+文章」「動画+音声」のような複合情報をまとめて理解するモデルの研究がこれにあたります。
次に「機械学習」です。特に取り組んでいるのは「敵対的攻撃」で、AIモデルの認識を意図的に誤らせることでシステムを悪用する攻撃を指します。攻撃者はヒトには分からないわずかなノイズを入力データに加えてAIを誤認識させるため、自動運転車の誤認識による事故や医療診断の誤診、不正検知システムの回避といった深刻なリスクを及ぼす可能性があります。なぜAIがノイズに騙されてしまうのか。その数学的なメカニズムを解明し、誤認識を防ぐための理論的な対策を構築しています。
3つ目に、刺さる・映える・響くを工学的に解明する「魅力工学」も研究しています。これは比較的新しいテーマで、私たちの研究成果が実生活でどのように役立つのかを問われたことがきっかけで始めました。ヒトがなぜ魅力を感じるのかをデータから解析し、魅力度の予測、要因分析、再現の仕掛けづくりを行っています。この研究は広告やデザイン、プレゼンテーション、エンタメに応用されることが多いですね。感性や主観といった曖昧なものを工学的に扱える形に落とし込むことで「刺さる」「映える」「響く」瞬間を再現可能にすることを目指しています。
― 他にも、山崎さんが魅力工学を立ち上げた理由はありますか。
そもそも私がアナログ回路や電子物性の分野に興味を持ったのは「匠の技」への憧れでした。教科書に書いてある知識だけでは成立しない、一子相伝の「秘伝のタレ」のようなテクニックがあって初めて成り立つ世界。そうした匠が支えるアナログ回路の奥深さに惹かれたんです。言葉やデザインで何かを魅力的に見せる作業は、まさに現代の匠の技。
最初は私自身が匠になりたかったんですが、研究を続けるうちに「匠の正体を知りたい」「その技を再現したい」「匠に最短で到達できる仕組みをAIでつくれないだろうか」と考えるようになりました。あらゆる研究が社会や人々の生活に役立っている中、魅力工学を突き詰められたらヒトが何に惹かれ、何に心を動かされるのかをより豊かに再現できる。……それにしても「匠」を拾ってくれたメディアはめずらしいですね。
― ありがとうございます(笑)。研究室の規模や運営スタイルについても教えてください。
山崎研究室には現在約30名の学生が在籍し、常に50前後の研究プロジェクトが動いています(2025年10月取材時点)。1人の学生が2〜3テーマを並行して進めてAIの基礎的な理論から応用的な魅力工学まで網羅している点が特徴です。テーマは学生自身が提案することが多く、私は必要な時に方向性を助言するだけですね。
― AIは性能が高いと言われて日に日に進化していますが、どのような課題があるとお考えですか。
それには「ただし、十分な学習データを最初に見ていたら」という条件が付きます。AIは新しい概念を学習すると以前に獲得した知識を失うことがあるんです。この現象は「破滅的忘却」と呼ばれ、継続的に知識を拡張する上で大きな課題です。例えば、ヒトは日常的に新しい情報を取り入れながらも、既存の知識を保持したまま理解を更新していきます。
一方、AIは犬と猫の画像分類を学習した後にリンゴとバナナの分類を追加すると、犬と猫の識別性能を失うことがある。特に大規模言語モデルや生成AIには継続学習のニーズが高まる中、私たちは「新しい概念を獲得しながら既存の知識を保持できるAIの学習方法」を数理的に検証し、破滅的忘却を抑制する仕組みを研究しています。
― あらゆる企業との共同研究も進めていらっしゃいます。
研究成果を社会に還元するために、現在は約30社の企業や大学と共同研究を進めています(2025年10月取材時点)。私たちだけでは取得できない実データや業界固有の課題に触れることで研究の精度が高まり、社会実装にも繋がりやすくなっています。
広告領域では、クリック率や購買データなどの実績データをご提供いただきながら、どの要素が広告効果に寄与しているのかを分析する共同研究を行っています。企業側にもAI研究者が在籍しており、知見を相互に交換しながら研究開発力の向上に貢献しています。
不動産領域では、住み心地や不動産価格の要因を分析する研究を進めています。単に「価格を予測する」だけではなく「なぜその価格になるのか」をユーザーが納得できるようにする説明性の高いモデルの開発に取り組んでいます。現場の知見と研究室の技術を組み合わせることで、より実用的な成果に繋げています。
【第3章】プレゼン、婚活、観光。AI活用の現場
― 山崎さんの研究はさまざまなビジネスシーンで応用されています。プレゼンやビジネスコミュニケーションではいかがでしょうか。クライアントや聴衆に響く話し方やプレゼン資料の作り方もAIが提案できると想像しています。
私たちはプレゼン動画やスライドをアップロードするだけで14項目を自動評価するAIを研究・開発しました[2]。このAI技術をピーアンドアイ社にライセンス提供し、プレゼンテーション評価WEBアプリへと発展しています。ストーリー構成や話し方、説得力などを可視化し、自分の意図と客観的評価のギャップを把握しながら改善できるため、回数を重ねるごとにプレゼンが上達できるようになります。
― 「AIにプレゼンしてもらえればいい」と考える方もいらっしゃいます。
もちろん、それも可能です。ただ、私はAIを活用して「私のプレゼンを聞いてください」と胸を張れるほうが価値があると考えています。先述のとおり、私は最短最速でヒトの能力を最大化して「匠」にしたい。将棋でもすでにAIのほうが強いですが、私たちは藤井聡太さんや羽生善治さんの対局を見たいですよね。それは、ヒトが努力を続けて能力を究極的に高めたときに生まれるドラマがあるから。私はそう考えています。
― ヒトが匠の技を実装する上で、AIは創造のパートナーという位置づけなんですね。
はい。「柳の下の二匹目のドジョウを狙う」ように偶然の成功を再現するのは本来難しい。しかし、AIで「いつ、どこに、どのように仕掛ければ成功しやすいか」を科学的に把握できればそのスキルを最短で習得して伸ばすこともできます。
― 続きまして、婚活マッチングアプリでもAIが活躍しています。
オンラインマッチングでは、最初に気になる相手へ「いいね」を送り、相手から反応が返ってこないとチャットに進めません。また、アプリでは職業や学歴、年齢などの条件で候補者を絞り込むため、1つでも満たないとそもそも検索結果に表示されない。こうした場面でAIが介入します。例えば「この人は条件に合致しないが、あなたは以前似たタイプに好意を示していた」という傾向から、セレンディピティの演出のように隠れた候補者を提示する。
さらに、婚活ではユーザーの熱量が一定でなくやる気も上下しやすいため、AIはその波を検出して励ますこともできます。婚活マッチングアプリは「あなたは魅力的です・魅力的ではありません」と切り捨てるのではなく、プロフィール改善を支援し、無機質な検索では出会えなかった相手と巡り合わせる仕組みを提供しています。
― 婚活マッチングアプリのユーザーは増えていますか。
はい。つい先日も教え子がオンラインマッチングで結婚したと報告してくれました。今後も利用率は上がっていくでしょう。出会いやコミュニケーションがオンラインに移行し、リアルの接点が少なくなっている。多様な価値観や文化が混在する都市部では何百万人もいるのに、自分が求める属性の人はほんの一握りしかいない。この課題にAIが介在することで、出会い率や成婚率を効果的に高められると言われています。
― 観光・旅行の分野ではどのように支援していらっしゃるのでしょうか。
AIを使ってPR映像を自動生成したり「一人ひとりのわがままを聞いてくれる観光ルート推薦」を研究したりしています。「京都に行く」と言っても家族旅行か、学生の旅行か、お年寄りの旅行かでは目的が違いますし、出発時刻や体力、予算など細かな条件もさまざま。現時点では雑誌やネット記事にあるおすすめルートはたいてい数種類しかなく、個々の要望には対応できません。
そこでAIが「この時間にここを出ると大枠が満たせます」と提案して旅行計画にかかる負担を減らします。また、一般的なレビューでは見落とされがちな場所について「あなたの好みならこの神社が合います。理由は〜」と個別に説明できます。旅行者には計画負担の軽減、観光地や店舗側には魅力発信の補助として機能します。
― AIが自分の好みに合わせて勧めてくれるのは嬉しいですよね。一方「行き当たりばったり」が好きな方もいます。
これは重要な視点で、AIは全員が使わなくてもいい。私は「AIは道具でしかない」と常々言っています。迷いながら旅をする楽しさもあるのと同様に、AIが計画が苦痛な方の助けになる。選択肢として存在すれば良いんです。
― 煩わしさをなくして旅行したい方にとってAIは救世主ですよね。
『徒然草』で「先達はあらまほしきことなり」とあるように、知らないがゆえに大事な場所を見逃すことがあります。誰かが「そこはまだ行っていませんよ」と教えてくれたら防げますよね。AIは先回りして知らせてくれる存在として役立つ。調べれば出てくる情報でも、調べなければ出てこない。そこを補完するのがAIの良いところですね。
【第4章】AIで広がる未来。育つ人材、選ばれる人材
― AI人材の不足が課題だと言われています。大学教授や研究者の立場からできる支援や役割は何だとお考えですか。
私たちは共同研究を通じて企業にノウハウを開示しています。「私たちだけができます」ではなく「私たちのやり方を一緒に学びましょう」という姿勢を重視しています。多くの方は何もない状態からAIを学び始めても途中で挫折しますが、自社データや自社ビジネスを題材に学べば日常業務と直結するため、継続できる。直近でも、共同研究で企業から参加している研究者やエンジニアが論文を書き、国際会議に論文が通るまでになっています。
また「AIを使える人」と「AIを作れる人」は異なります。現在のAIにも不便さや限界はあり、新しいアプローチを提案できる人材が不足しています。大学は既存のモデルを使うだけでなく「新しいAIを作れる人材」を育てる場でもある。実際に私の教え子たちはマスコミやメディアなどの現場で「ニーズに合わせたAIを作れる」と提案して動いています。そうした人材を輩出することが私たちの役割だと考えています。
― 今後もやはり、AIは単なる業務効率化や時短にとどまらず、ヒトの感性や想像力、実現性を拡張する方向に進化していくのでしょうか。
間違いなくその方向に進んでいきます。私は10年以上前から魅力工学を掲げ、長らく実現困難だと厳しく言われてきましたが、生成AIが登場してようやく現実味を帯びてきました。デザイン分野ではAIが当たり前の存在になっており、メディア分野でも佐野さんのように記事作成でAIを活用する方も増えています。
重要なのは、AIを使って何をしたいのかを定義することです。「AIを導入すれば効率化できる」という発想が先に立つと、かえって苦しくなる。目的を明確にし、その達成に欠かせないツールとしてAIを位置付けることで成果が出ます。創造性を高めたい人、作業効率を上げたい人それぞれに適したAIの使い方があります。
ツールの良し悪しは使う側のセンス次第。電動ドリルは手動よりも作業が早く効率的です。ただ、手動のままで止まる人もいれば「この電動ドリルを使ってサグラダ・ファミリアのような大きな建造物を作ろう」と発想する人もいる。自分がAIを使って何を実現したいのかを描き、必要なツールを選び取るべきではないでしょうか。
― AIと共生する時代、ビジネスパーソンが個性を伸ばして活躍するために重要なことは何でしょうか。
今まで以上に「実力」が問われると予想しています。AIが一定レベルの成果物を自動で出してくる時代には、単にOK・NGを判断するのではなく「どう変えてほしいか」を具体的に指示できる力が求められる。これは外国語にも当てはまります。「AIが翻訳してくれるから英語は不要」と言う方もいますが、むしろ英語の重要性は増すと考えています。
インターネットで世界がフラットになった1990年代と同じように、AIによって世界中の誰とでも仕事ができるようになります。その時「あなたに頼むメリットはあるのか」と問われるでしょう。AIによってヒトのスキルが均一化するほど、個性や付加価値が重視されるからです。共通言語で円滑にやりとりできる人材が選ばれるのは当然で、英語や中国語といった言語力を含めてあらゆる能力を高めておく必要があります。
ある方が「基本を理解した上で崩すのが型破り。基本ができていないまま崩すのは型無し」と表現しました。AI時代においても、基本を身につけて応用して自分なりの型をつくれる方が活躍します。AIで一定水準の成果物が簡単に生まれるようになるほど、ヒトが持つ「型」や「判断力」が価値を持つようになるはずです。
【第5章】研究を支える、山崎教授のライフスタイル
― ここからは山崎さんについて伺います。研究以外ではどのように過ごしていらっしゃいますか。
定期的に運動と料理をしてリフレッシュしています。土日に関係なく健康的に仕事ができるように鍛えています。これを体力維持ではなく「体力向上」と言いたいですね。
― 現在はどのような運動をしていらっしゃいますか。
週1〜2回テニスをしていて、駅では階段を使うようにしています。ウィンタースポーツが好きで、冬にはスケートやスキーも楽しんでいます。
― 学生時代から運動を嗜んでいらっしゃったのでしょうか。
一瞬だけ東大アイスホッケー部に入っていましたが、お金が続かなくてやめました(笑)。
― 定期的に運動しているとお体や精神、お仕事でパフォーマンスに違いを感じますか。
はい、そう感じます。それに、どの分野でも活躍している方はお元気ですよね。それを見た若い学生たちは「自分も歳をとったら、あの人と同じくらい元気だろう」と勘違いしていますが、それは「生存者バイアス」です。元気な方しか生き残っていないから、元気な方しか見かけない。学生にも、常日頃から体力を付けておく重要性を話しています。
― 運動以外では、お料理もしていらっしゃるんですね。
食べたいものは手間のかかるものでも自分で作ります。ウィンナーシュニッツェル(子牛のカツレツ)や生春巻き、揚げ春巻き、オムライス。スロークッカー(沸騰しない程度の低温でじっくりと食材を煮込む調理器)で鶏ハムも作っています。
― どちらもおいしそうですね。普段、教授や学生の皆さんからはどんな方だと言われますか。
何でしょう。「熱い」「お人好し」とは言われますね。
― どんな方とも壁を作らない山崎さんに器の大きさを感じます。最後に、山崎さんが新たな分野に挑戦している時に意識していることをお聞かせください。
一気に進めるのではなく、少しずつ歩み続けるようにしています。「今日は一歩歩いた。明日も一歩歩こう」と。最初から大きいことを考えて現状との差分に打ちのめされて動けなくなるよりも、まずはやってみる。
ところで、成功者の話をなぞっても必ずしも再現できるとは限りません。みんな、たまたま上手くいっただけ。私自身もタイムマシンで過去に戻ったとしても、今と同じ人生を歩めるとは思っていない。幸運がいろいろと重なっただけです。
それに、とりあえずやってみると簡単に壁にぶつかるんですよね。学生たちには「壁にぶつかった時は『やった!』と思おう。それは自分が解かなければならない問題だから。反対にスムーズに行った時は『危ない』と思おう。それは解く価値のない問題かもしれないから」といつも伝えています。むしろ早めに壁にぶつかろうと意識しています。
― 山崎さんがおっしゃると、よりいっそう骨身に染みます。お話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
(企画・取材・執筆:佐野桃木 写真提供:東京大学 最高顧問:Z )
● 参考資料
[1]Alex Krizhevsky, Ilya Sutskever, Geoffrey E. Hinton, “ImageNet Classification with Deep Convolutional Neural Networks”, NIPS 2012
[2]東京大学 山崎研究室「Computer Vision and Media Lab 研究概要 2025年度版」
● プロフィール「東京大学大学院情報理工学系研究科・電子情報学専攻教授 山崎俊彦さん」
● stand.fmで裏話を配信中「ももりんの『あの経営者の余談』RADIO」
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取材対象者:東京大学大学院情報理工学系研究科教授 山崎俊彦
取材日:2025年10月30日
初回公開日:2025年12月16日
最終更新日:2026年8月12日
企画・取材・執筆:佐野 桃木
写真提供:東京大学
最高顧問:Z
