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花たちばなの香りは昔の記憶


海へと続く茶畑を眺めながら、何となくそんなものかなという気分になった朝。

駿河路や花たちばなも茶の匂ひ」というのは松尾芭蕉が駿河にいたときに詠んだのだそうです。お世話になった方への感謝を伝えるためとか。

炭俵(芭蕉七部集)の中の句です。

たちばなの花ってこちらでは普段あまり目にしませんね。

匂いは人の記憶に残りやすいといわれています。香りによって遠い過去や懐かしい人々を呼び起こす花。

芭蕉が言うには、駿河の道ではその名高い花橘の香りさえ茶の匂いに包まれているということだとか。

目の前の土地の息づかいに心を奪われる旅人の気持ちが表われています。

過去への憧憬と現在の発見が、響き合っている美しい句だなぁと思いました。

戻りたくないわけではないし、戻れないわけでもないけれどいつの間にか距離が開いてしまった場所はありませんか。

わたしも昔のことを、そして現在のことをそんなふうに思えたら良いです。

◆自然や季節の移り変わりなど、写真と文章で創作・記録しています
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