還暦オヤジのやりたい放題 03 資格について
価値観の変化
40歳を超えたころ、この会社は自分を認めないだろうと漠然と感じ始めました。自分の価値観と上司のそれに乖離があって、組織とはそんなものだろうという諦めの気持ちと、自身の気力体力の衰えが重なる時期でした。
品質保証部門出身の自分は、若い頃にその先輩達から、メーカーにおける品質の重要性を教えられてきました。今でも忘れられない所長の言葉があります。
「我が社の市場での製品品質は、我ら品質保証部門が全ての責任を負う。設計や量産、物流等が起因の問題であったとしても、それらを予測できず見逃した我々の責任である。社内では嫌われ役になるかもしれないが、その覚悟をもって業務に取り組んでほしい」
それ以来、メーカーにとって製品の品質は絶対であり、ユーザーが安心して使って頂ける事へのこだわりが、品質を担当する者の責務でありプライドだと考えています。
ただ、その後異動等で開発部門内の他社機評価の部門に配属になり、いつしか自分の考えに共感する人が周りにいなくなっていました。
価値観の変化に適応できない、自分で納得できないと何もできない不器用な自分が、この先この会社の社員としてどう過ごせばいいか大いに迷っている時、偶然こんな事がありました。
資格取得のきっかけ
ピザ屋さんの懸賞で、1日アルバイトで日当10万という企画があり、その応募には履歴書が必要という事で、ちょっと書いてみようかと、履歴書を書き始めたら「免許・資格」のところに自動車免許くらいしか書けず、改めて自分の能力や知識を証明するものを何も持っていない事を痛感し、愕然としました。
そして、こんな考えが浮かびました。
「この会社で評価されないのなら、自身の知識や経験を認めてくれるもの、それを証明するものって何? 会社なんてちっぽけな組織じゃなく、もっと広く通用する??国に??? それって国家資格だ!」
45歳でこの会社でのキャリアアップを諦め、比較的取り組みやすくて個人的に興味のある資格を手始めに、「1年に一つ国家資格を取得する事」を目標として、会社での仕事は適当に流しながら独学で資格取得の勉強をする事としました。
一番最初は、学生の時に友人がバイトの時給が良くなると言って取っていた「危険物取扱乙種4類」を思い出して、早速教本をネットで調べて勉強を始めました。最初は勉強癖がついていないので、慣れるまでは大変でした。
でも、悔しさとか情けなさとかをバネにすることで、朝早く起きて1時間勉強する等、自分の意識や生活が少しずつ変わっていきました。
会社でも昼休みに勉強をしていたのですが、同僚がそれを見て
「ケビンさん、そんな資格取って何がしたいんですか?今の仕事に何の関係があるんですか?ガテン系へでも転職ですか?」
昇格もできないやつが何やってるんだとばかりに冗談交じりに笑ってました。でも、自分は悔しいというよりは、逆に会社に依存して何もしない同僚を見て、自分はそれに早く気付いて行動できて良かったと思いました。
そんなに難しい資格は取っていませんが、定年までに取得した国家資格は
以下の通り
・中型自動車二種/大型特殊/普通自動二輪
・小型船舶一級
・フォークリフト/車両系建設機械+解体
・工事担任者 総合通信
・2種電気工事士
・2級ボイラー技士
・第三種冷凍機械責任者
・危険物取扱者 乙種3/4/5/6種
・消防設備士 甲種4類/乙種6類/7類
・甲種防火管理者
・毒物劇物取扱者
・特別管理産業廃棄物管理責任者
・第一種衛生管理者
・初級シスアド
・ウェブデザイン技能士3級
・第一種陸上特殊無線技士/アマ無線3級
・全国手話3級(国家資格ではありません)
コツコツとこれらの資格を取得して分かったことは
「資格を取っただけでは何もできない」
という事。(笑)
経験が伴わないと、資格だけでは殆ど意味を成さない。取得難易度が高ければ高いほどその傾向にあります。
ではなぜ資格取得を?との問いの答えは、実は資格を取ること自体が最終目的ではなく、目先の損得でない謙虚な気持ちで、新しい知識や経験を身に着けようとする姿勢こそが自身を豊かにし、次の可能性を大きく広げるという事に気付いたからです。
他に強いて言うなら、履歴書に資格を並べると好印象だという事。
正直資格の数に大した意味はないが、面談する側のレベルが低い人(会社の人事等)は結構感心してくれます。資格の意味が分からない人ほどそんな傾向があり、きっと選ぶ際に他に説明しやすいからだと思います。もっと中身を見ないで大丈夫?ってこっちが心配になります。(笑)
先日昔の同僚と会う事があって、その彼も多分定年後の事が気になる年齢のようで、いきなり自分に聞いてきました。
「ケビンさんって資格いくつ持っているんですか?」(数?)
「資格もってればいろいろと出来ていいですよね?」(経験がないとねぇ)
会社で役職やってても、会社にどっぷり依存してると結局その程度の意識なんだなぁと、勉強を始めた頃に笑っていた同僚達を思い出しました。
実はその後、これらの資格が自衛隊への入隊や社内での自己申告異動を可能とし、新しい出会いや現場での経験も相まって、それらが自身を未知の世界へ誘うきっかけになるなんて、始めた当初は想像もしていませんでした。
次回は予備自衛官についてお話します。
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還暦オヤジの戯言に共感してもらえたら宜しくお願いします。