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消えた人と、桜のこと


桜の話があちこちから聞こえてくる日々のなかで、
なぜか、ぽっかりと空白の裂け目ができることがある。

そんな時。


桜の季節に思いだす句がある。

ひとはみな
ひとわすれゆく
さくらかな

『人はみな、
人を忘れていくものだなあ、桜よ』


散る桜  残る桜も 散る桜(良寛)


若いころは「人を忘れていく」側に立っていた。

けれど齢を重ねると言葉の奥が
見えることがある。

いつの間にか

「忘れられる」側に立っているということ。

人はみな
人を忘れ
そして
自分もまた忘れられていくのだな



このnoteの世界で
仲良くなった人が、ふっと消えた。

また戻ってくるのではないかと
待っている。

仕事が忙しいのか。
家庭の事情なのか。
それとも、ただ気持が離れただけなのか。

それはもう、知ることができない。

気がつけば、その人の気配はどこにもない。



しばらくの間は
コメントだけが残っていた。

それもまた
いつの間にか消えていた。

記憶に残るのは
小さなアイコンひとつ。

散りゆく桜のようだ。


even fallen, still spring.
散っても、春


やがて私は少しずつ
その人の事を忘れていくのだろう。

そしてその人も
私のことを忘れるのだろう。

散った桜を見ながらそんな事を思った。

人はみな
人を忘れ
そして自分も忘れられていく。


だから
桜の季節になると
思いだす。黒田杏子さんの句。

ひとはみな
ひとわすれゆく
さくらかな



We forget.
And somday, we are forgotten.

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