◆介入直前の「最後の退避勧告」発言には「2つ以上の意味」があると三村財務官◆
(MCレポート260616-a)
大型連休中の大規模なドル売り円買い介入を指揮した三村淳財務官の発言などが伝わってきています。
興味深い内容を含んでいるので、筆者のコメントをお伝えします。

片山財務相と「フランス留学組」の結束
月刊誌「文藝春秋」26年7月号の「霞が関コンフィデンシャル」欄に、「★国際派に集まる視線」という記事が掲載された。以下に一部を引用する。
「一方、市場の荒波に揉まれる財務省でも、国際系の人材に視線が集まる。円安阻止の市場介入直前に『最後の退避勧告』を出した三村淳財務官(元年、旧大蔵省)は留任し、「大物」の証とされる三年目に突入しそうだ」
「入省後にフランスのエリート養成校である国立行政学院(ENA)に留学し、片山さつき財務相(昭和57年、同)にとっては後輩に当たる。フランス留学組の結束は固く、『片山氏とは普段から率直に語り合う間柄。市場へのメッセージも分かりやすい』(局長経験者)」
「どんな仕事でも徹底してやり抜くのが持ち味だ。国際会議ではスコット・ベッセント米財務長官の発言を正確に記憶し、高市早苗首相も、大事な局面では片山氏との会談に三村氏の同席を認めている。財務官僚にありがちな押しの強さとは無縁で、『麻布高出身らしいスマートな立ち居振る舞いが好感を持たれている』(首相周辺)」
三村財務官と、「フランス留学組」の先輩である片山財務相との間には強い結束や信頼関係があること、「どんな仕事も徹底的にやる抜くのが持ち味」であることなどが、上記からわかる。
だが、大型連休期間中に実施した11.7兆円という巨額のドル売り円買い介入の効果は意外に長続きせず、約1か月後にはドル/円相場が160円近辺に戻ってしまった。
その原因の一つとして、実施直前に三村財務官が「最後の退避勧告」と発言したことから介入のサプライズ感が薄れてしまった点を指摘する向きもある。
「最後の退避勧告」には「2つ以上の意味」と三村財務官
三村財務官は5月28日と6月2日の2回に分けて、著名ジャーナリストの西野智彦氏(時事通信特別編集委員)によるロングインタビューに応じた。
その一端を報じたのが、6月11日に時事が配信した「〔金融観測〕三村財務官『発信15字以内、英訳可』が基本=異例長時間インタビュー」である。
三村氏は大型連休中の大規模な為替介入について、「明らかにファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)から乖離(かいり)した動きが続いている中での究極のメッセージの手段だ」とした上で、市場の「マインドセット・チェンジ」により「どこかの時点で必ずファンダメンタルズに見合ったところに収れんする」という、強気の見通しを示した。
また、為替が大きく変動した際のメディアのぶら下がり取材では「15文字以内、英訳可能」を原則に発信していることを、三村氏は明らかにした。外国人にも分かりやすいシンプルなメッセージ発信が基本だということのようである。
興味深いのは、「最後の退避勧告」というメッセージの真意である。
時事通信社発行のニューズレター「金融財政ビジネス」6月11日号に掲載されたインタビュー詳報によると、三村財務官から下記の発言があった。
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