【メタ批評】世界は『果てしなきスカーレット』をどう観たか。(1/19更新)
日本では今日から入場特典にミニ色紙!
興行収入はようやく5億超え、これで補填できるだろうか。
あっ、お客様、補填とはそういう意味ではありません、ダメですよ転売しては…。
それにしても入場特典まで過去作の歴代ヒロインとは、どこまで外した広告戦略なのか。

※ランダムでの配布となります。絵柄は選べません。
※劇場により数に限りがございます。
※特典は非売品です。転売、内容の複写・複製・転用等は一切禁止となります。
海の向こうでの戦いがスタート。
一方、北米10都市では『Scarlet』として主に批評家向けIMAX上映が始まった。
これはいわゆるFYC公開(For Your Consideration=ご検討ください)で、1週間だけ。本公開は2月6日から。
Mamoru Hosoda's #Scarlet begins a one-week awards-qualifying run in 10 IMAX theaters across the country today.
— The Film Stage 📽 (@TheFilmStage) December 12, 2025
Read @judysquirrels' NYFF review: https://t.co/M8UYGICjfZ pic.twitter.com/6fy7xgLn7x
果たしてスカーレットは、アカデミー賞ノミネートにたどり着くことができるのか。
ノミネートにさえ漕ぎ着ければ、今年は娯楽枠(K-popガールズ、ズートピア2、哪吒2、鬼滅の刃)がお互い喰い合う位置関係なのでワンチャンある。むしろ作家枠(アルコ、アメリ)との競合関係が重要だ。
北米でのFYC公開では1週間で10スクリーンでしか公開していないから売り上げの額は微々たるもの。売上の数字より重要なのは、批評家が集まるか。
NY(34th St)とLA(Americana)の夜回が目安になる。

予想通り(世間の予想は少し違ったようだが)、『スカーレット』はアニー賞でノミネートされた。
オスカー前哨戦現況(随時更新)。
1月11日のゴールデングローブ賞発表時点での状況。かなり状況は絞り込まれてきた。まもなくアカデミー賞のノミネート発表、来月にはアニー賞やBAFTA・PGAの発表となる。


4枠目はPixarの『星つなぎのエリオ』がリードしているとのことだが、
自分は『アメリと雨の物語』の方が強いと見る。

また、アカデミー賞長編アニメーション部門を予想するオンラインカジノがいくつかある(日本では違法なため、賭けないようにご注意を)。
それらのをオッズを串刺しに並べて紹介しているサイトがあるので、それを見ていただこう。



『果てしなきスカーレット』は15倍の5番人気に、『哪吒2』が同じく15倍に後退、『星つなぎのエリオ』は21倍、『鬼滅の刃』は9番人気の34倍で変わらず。
海外記者の批評を要約・紹介する。
The Wrap誌のウィリアム・ビビアーニは『Scarlet』を「2025年で最高の『ハムレット』翻案、92/100」と評価。これは実写で『Hamnet』がアカデミー賞有力候補に、『Grand Theft Hamlet』が批評家の間で絶賛されていることを考えると非常に高い評価。
ただの原典リメイクではなく、古典の核心を現代/アニメ的に拡張し、大胆で幻想的な映像表現とテーマが融合。
過去の細田作品と比べて最も挑戦的な作品と評した。
「もし窓の外にぶら下げられて、今生きている中で最も偉大な映画監督は誰かと聞かれたら、私はあまりの恐怖で何も考えられないだろう。しかし今はそうは言わずに、答えはおそらく細田監督だろうとだけ言おう」とは言い切ったな感が出てて楽しい。https://t.co/c8mZI2V5xm
— タニグチリウイチ:2023年も引き続き週何日か三鷹通い (@uranichi) December 13, 2025
辛口で有名な、Screen Daily 誌のティム・グリアソンは 『Scarlet』を 90/100と採点。
ハムレットを自由に翻案、復讐と赦しを主題に据えた、成熟した観客を想定したアニメーション作品と紹介。
視覚的な空間スペクタクルと、深い感情的展開を結びつける演出力を評価した。
ロンドン批評家協会映画賞の主催者リッチ・クラインは『Scarlet』を、感情的な引力を持つ、新鮮で独自の物語。80/100と評価。
圧倒されるほどの迫力と同時に、静かな美しさを備えたスペクタクル、その中でも常に、スカーレットと聖が互いに新しい世界の見方を学んでいく過程を丁寧に描いている、と評した。
コモンセンスメディアのタラ・マクナマラは『Scarlet』を、80 /100と評価。
自由な創作表現が、観客を難解な物語世界へ誘う作品。
古典が生き残るのは、まさに新たな解釈が可能であるからで、古典を知る読者にとってこのアニメはモグラ叩きゲームのように楽しい、と評した。

カルチャーミックスやピープル誌などの批評家カーラ・ヘイは、『Scarlet』を、物語は簡潔で展開は予測可能だが、復讐と赦しを巡る哲学的な思索が軸となる作品、73/100 と評価。 窮地の王女が毎回聖に助けられる点に注文を付けつつ、殺陣よりも感情面の葛藤を、本作の真骨頂と記す。
AP通信の批評家ジェイク・コイルは 50/100 との評価。
『Scarlet』はバロックなデザイン・感情・物語が積み重なった、力一杯振り切った野心作、だが報われなかった、と評価。
劇中の情熱は終始一貫しており、#細田守 がオペラ的高揚に到達できる監督であることは依然として示している、と評した。
映画脚本家であるオルガ・アルテミエヴァはScreen Anarchyで『Scarlet』を紹介。なお、メタ批評サイト未収録記事で点数は不明。
細田の過去作と同様、人が特定の感情に固執する危うさを道徳的主題として掲げる。奥寺との共同脚本作品に比べると、単純化され理想主義的に傾く傾向があるが、異なる時代・設定・神話を大胆に混交させる構成は野心的だ、と評価。
台湾での公開も始まっている。
台湾でのレビューは、現在49レビューで平均スコア 4.74 / 5 となっている。

売上は台北しか数字出ていないが、12-14日の3日間で週末27万美元で19位。なお台湾版予告編は渋谷ダンスを全面に押し出し攻めている。
先行して公開されているズートピア2が圧倒的に客を集めてる状況。
以下、様々な批評をご紹介。
本作は実に多様で豊かな読み方をされている。
