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アニー賞ノミネート発表。

(他のどこよりも早い詳報だよ。)


アニー賞で『果てしなきスカーレット』が3部門でノミネートされた。

同賞は、国際アニメーション映画協会が主催する「アニメ界のアカデミー賞」であり、過去に日本作品では『未来のミライ』が(共同制作では『レッドタートル』も)長編インディペンデント作品賞を受賞している。
日本時間の本日未明に発表されたノミネートは、受賞候補作として2025年の全世界作品から各5作品が選ばれた。この中から決定した受賞作は、2月21日土曜日の第53回アニー賞授賞式で発表される

https://x.com/ASIFAHollywood/status/2008245923764171080  対抗馬『Arco』も案の定残った。

海外では『Scarlet』として知られる『果てしなきスカーレット』は今回、日本勢では最多となる3部門でノミネートされ、ファンからは喜びの声が上がった。監督賞なら監督が、脚本賞なら脚本家が選考することで、信用を築き上げたアニー賞。ノミネートだけでも栄誉なことだからね。

②長編インディペンデント作品賞(Best Feature - Independent)

候補作(ノミニー)は次の5作品。32部門中、第2の部門として挙げられていることからわかるように、重要な賞だが、最もチャンスがある。

  1. フランスの巨匠シルヴァン・ショメの『A Magnificent Life (邦題未定、原題は『マルセルとパニョル氏』)』

  2. ナタリー・ポートマン制作のSF映画『Arco(邦題未定)』

  3. メキシコのストップモーション映画『私はフランケルダI'm Frankelda、原題はSoy Frankelda)』

  4. Netflix初の韓国アニメ映画『あの星に君がいる(Lost In Starlight、原題は 이 별에 필요한 )

  5. 細田守とスタジオ地図の果てしなきスカーレット(Scarlet)』。過去に2018年に『未来のミライ』で受賞、『バケモノの子』『竜とそばかすの姫』でもノミネート。なお、『ミライ』は計2部門ノミネート、『竜そば』は計5部門ノミネートだった。

⑳長編監督賞(Best Direction - Feature)

ノミニーは次の5作品。フランス2作、日本2作が食い合いそうな構図で、KPOP鉄板かな。𠮷原監督には30代でノミネートというすばらしい経験に。個人的には中山監督で突き抜けたらワンチャンあったのでは、という気もする。

  1. SF映画『Arco(邦題未定)』のウーゴ・ビアンヴニュ監督。イラストレータとして台頭、『もののけ姫』でアニメを志した38歳の新進気鋭。

  2. 年末に国内100億越えた『劇場版 チェンソーマン レゼ篇』の𠮷原 "よしお" 達矢監督、37歳。『波打際のむろみさん』監督以来注目。『チェンソーマン』では中山竜監督のもと、第4話・第10話の絵コンテとアクションディレクター。劇場版で監督に。

  3. Netflixの大ヒット作『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』のマギー・カン監督(『カンフーパンダ』などで絵コンテ、本作を企画、43歳)・クリス・アッペルハンス監督(『ウィッシュ・ドラゴン』で初監督)。大本命、鉄板級。

  4. アメリー・ノートンの自伝的小説を原作に、1960年代神戸生まれのベルギー人少女の日々を描く『アメリと雨の物語』のメイリス・ヴァラド & リアーヌ=チョ・ハン監督。フランスで脚本や演出でキャリアを積み、ふたりともこれが初の長編監督作品。対抗。

  5. 『果てしなきスカーレット』の細田守監督。過去に『サマーウォーズ』『竜とそばかすの姫』でもノミネート。

㉚長編脚本賞(Best Writing - Feature)

ノミニーは次の5作品。ネトフリ対フランスの構図ではないかな、エリオもあるかも。細田脚本がこれらに並んでノミネートされただけで快挙。あの難解で挑戦的な脚本が受賞したら、歴史的事件になる。

  1. Pixarの『星つなぎのエリオ』脚本はベテラントリオのジュリア・チョー、マーク・ハマー、マイク・ジョーンズ。ジョーンズは過去何度もノミネート。単穴。

  2. Netflixの『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』脚本はダーニャ・ヒメネス、ハンナ・マクメカンと、マギー・カンクリス・アッペルハンスの両監督。大本命。

  3. フランスの『アメリと雨の物語』脚本はオード・ピー、エディーヌ・ノエルと、メイリス・ヴァラド & リアーヌ=チョ・ハンの両監督。対抗。

  4. 日本の『果てしなきスカーレット』脚本は細田守監督。過去に『未来のミライ』『竜とそばかすの姫』でもノミネート。

  5. ディズニーの『ズートピア2』脚本はジャレド・ブッシュ監督。過去に『ズートピア』で受賞。『ミラベルと魔法だらけの家』でノミネート。


多部門ノミネートの状況。

映画では他に、大ヒット『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』とPixarの『星つなぎのエリオ』が最多のそれぞれ10部門、『アメリと雨の物語』と『ズートピア2』はそれぞれ7部門、『Arco』と年末からアマプラで配信が始まった映画『バッドガイズ2』がそれぞれ5部門ノミネートとなっている。

また配信・放送のTVシリーズでは、Pixar→Disney+の『ウィン OR ルーズ』が6部門、Netflixのシリーズ『アステリックスとオベリックス: 史上最大のバトル』、マニアにきわめて高い評価を得ているシリーズ『Common Side Effects』がそれぞれ5部門ノミネートされ受賞を争っている。


日本人作品・クリエイターのノミネート。

⑳長編監督賞では『果てしなきスカーレット』の細田監督と並び、『チェンソーマンレゼ篇』の吉原監督もノミネートされている。また

それぞれノミネートに入った。各位の受賞を祈る。

ワコムが技術功労賞アブ・アイワークス賞を受賞。

功労賞部門では一足早く受賞が発表され、ペンタブ・液タブ等の製品が世界で愛される株式会社ワコム(Wacom)が、アブ・アイワークス賞の受賞に輝いた。おめでとうございます。
アニメ界に影響を与えた技術の進歩に与えられる同賞、その名にはディズニーの伝説的アニメーターで、「ミッキーマウスの生みの親」と呼ばれるアイワークスの氏名が冠されている。

短評:アニー賞「長編脚本賞」へのノミネートには息を呑んだ。

「映画の脚本とは、わかりやすく・鮮やか・スッキリ!でなければならない」という偏狭な視点に対する、世界からの静かな回答だ。

https://x.com/ASIFAHollywood/status/2008210697918816605 より。

海外での批評では概ね好評とはいえ、本作の脚本を激賞した自分でも、今回長編脚本賞でのノミネートには確信が持てなかった。ちゃんと評価してもらえるのか? 読み解いてもらえるのか? と一抹の不安があった。

細田守の脚本は、セリフで全てを語らせず、演出によって沈黙をつくり、行為の選択そのものに(ポリコレでなく)倫理を宿らせる
物語を説明するのではなく、観客の内側にしみ込ませる脚本だ。
それは教義ではなく、選択の重さを描く、現代の寓話

アニー賞の脚本賞審査員は、長年アニメの脚本を書き、その難しさと醍醐味を知り尽くした脚本家たちが担っている。 その彼らがはっきりと示した。
── 脚本とは情報整理ではなく、人間観の設計なのだ、と。

近年の「タイパ」を重視する風潮の中では、「わかりやすさ」が過剰に求められ、余白が削ぎ落とされがち。 そんな流れに正面から抗う、愚直でわかりにくい愛と救済の物語が、日本で改めて評価されることを願っている。


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