【ラットのラト丸④】病理解剖、検査結果
闘病の末、安楽死したラットのラト丸を解剖して検査に回しました。
ほぼ無料ですが解剖画像などは有料記事とさせていただきますことをご了承ください。
前回の話はこちら
病理解剖とは死因の特定のために行う解剖のこと。
本来は全ての臓器を調べるのが普通ですが、当時の勤務先は検査代が実費だったこと、給料が少なかったことなどを理由に気になっていた肺しか検査に出しませんでした。
※後に病理の先生に全部見せてくれと怒られました…。
また他の検査として
・細菌培養同定検査
・薬剤感受性検査
を実施しました。
これは何菌がいて、その菌には何の薬が効くかを調べる検査です。
ラト丸の病理検査結果
肺のリンパ腫(B細胞リンパ腫)
気管支膿瘍
所見:肺は灰白色充実性の腫瘤によって既存の肺組織はほとんど置換されている。
血管周囲を主体に腫瘍細胞がびまん性、シート状に増殖。
肺の非腫瘍性部分では鬱血や水腫が見られ、肺胞内に泡沫状マクロファージが浸潤
右肺には気管支膿瘍が見られる。
わかりやすくいうと
ラト丸の肺はリンパ腫というがんに侵されていて、肺のほとんどががんである。
右肺の気管支には膿が溜まっている。
とのこと
膿というのは感染がおこったあとに残る菌や細胞の死んだ塊です。
菌の正体
細菌培養検査、薬剤感受性検査の結果です。

出てきた菌は
1. Enterococcus (腸球菌)
2. Enterobacter cloacoe
どちらも常在菌といって普通にラットの腸内にいる菌ですが、肺にいるとなると病気を引き起こすことになります。
がんによって免疫が落ちて感染したのかもしれません。
薬剤感受性試験では耐性も見られました。
左側にたくさん書いてあるのが抗生剤でSが効くお薬、Rが効かないお薬です。
いっぱい効かない薬がある!
本来は薬を飲む前にやる検査ですが小さな動物の呼吸器の菌はそう簡単に取れるもんではないのです…。
麻酔が必要だったり、口の中の菌が混じってしまったり、なかなか正確に肺や気管支にいる菌だけを取り出せません。
答え合わせとしてドキシサイクリンという薬は飲み薬に入れていたのでこれは効いていたことになります。
どうしたらもう少し生きられたか
ラットのような小さな動物では肺の腫瘍を見つけるのはとても難しいです。
CTなどでわかる可能性がありますが、設備がある場所が少ないこと、ラットのCT画像を読める人が少ないことから難しいです。
もしレントゲンやエコーで肺炎ではなく、肺の腫瘍とわかれば、肺に針をついて細胞をとる細胞診をすれば、がんの種類がわかり、抗がん剤ができたかもしれません。
しかし肺に針をつくと、胸の変なところに空気が入ったりするし、血管に刺さると出血死まっしぐら。
麻酔をかけないとできないかもしれないけど麻酔もリスクになります。
現実的には私には針でつく勇気はなかったと思います。
リンパ腫というがんはラットにはかなり多い腫瘍のひとつです。
けして珍しい病気ではありません。
もしラットさんに呼吸器の症状が出ていたら、ただの風邪や鼻炎と片付けず一度病院に連れて行くことをおススメします。
しかし上記のように見つかりにくいものですので、ただの感染ではないかもという考えは持っていたほうがいいと思います。
以下解剖時の画像を載せますので有料とさせていただきます。
興味のある方だけどうぞ。
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