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■スペイン・フランス旅note■④:サラゴサという街を歩く(後編:ピラール大聖堂とその周辺の美しい町並み)

年末年始のスペイン旅行のことを、忘れ去らないうちに記事にしてしまおうと思いながら書いています。印象に残ったことは今のところ結構覚えているものです。そんなことをいくつか書いていきたいと思います。

前回は、スペインのバルセロナとマドリードの中間にある内陸の古都、サラゴサに到着し、市街地を少し歩き、トラムに乗ってエブロ川を渡り、川沿いを歩いてピラール教会やピエドラ橋を眺めました。(前回の記事はこちら)

今回は、サラゴサ訪問の後編、いよいよサラゴサの旧市街に足を踏み入れます。

◎1 ラ・セオの後陣(世界遺産)

まずは、ピエドラ橋を渡ってすぐのところにある、ラ・セオの塔がある教会へ。この教会は、「アラゴンのムデハル様式の建築物」という世界遺産の構成要素として登録されています。

正式名称が「サンサルバドル教会」、通称「ラ・セオ」と呼ばれています。
先ほどまでの雨で、とても濡れている路面(笑)。

ちなみに、ムデハル様式とは、スペインに見られる建築様式で、ザックリ説明すると、かつてイスラム教の勢力が支配していたこの地域を、キリスト教の勢力が「再征服」するレコンキスタが起きた後で、残存したイスラム圏の勢力の建築様式をキリスト教建築に取り入れたもの、だそうです。

この外壁の幾何学模様が、
イスラム圏の建築様式と融合してできたものなのだとか。

教会内もなかなかきれいなのだそうですが、日帰り弾丸ツアーなので、建物の中は入らず、外観からイスラム圏とキリスト教の建築様式の融合したものを見ていました。

◎2 ローマ時代の劇場

次に訪れたのは、発掘されたローマ時代(1世紀ごろ)の劇場跡です。今では博物館として保存されています。

ローマ時代の劇場跡。博物館として保存されています。

実はサラゴサは、ローマ時代には「カエサルアウグスタ」という地名でした。アウグスタとは、ローマ帝国の初代皇帝、アウグストゥスのことで、アウグストゥスが作った植民地の街がこの街のルーツです。その後イスラムに支配された際に地名が「サラクスタ」に変わり、その後先ほど説明したレコンキスタを経て、「サラゴサ」という名前に変わっていったそうです。

博物館は休館中でしたが、ミュージアムカフェでちょっと一服。

◎3 クリスマスマーケットで賑わうピラール広場

さて、少し歩いてサラゴサの街のシンボル、ピラール大聖堂のすぐ前にある、ピラール広場に行ってみましょう。ピラール広場はとても大きな広場で、サラゴサのシンボル。お祭りをやったりするときは、やはりこの場所になるのでしょうね。この時期はクリスマスマーケットで賑わっていました。

ピラール広場に出現した、氷のすべり台。
訪れた時期は12月25日を過ぎていましたが、こちらでは
年始過ぎまでクリスマスマーケットが続く場所も多いとか。
大聖堂の前に行列が。どうやら聖書に書かれた物語を再現した
ミニチュアを見て歩くようですが・・。

日本のクリスマスは、どちらかというと恋人同士で楽しむような雰囲気があり、お正月は家族で・・という感じが多い気がしますが、こちらはクリスマスは家族でクリスマスマーケットなどを楽しむ雰囲気で、お正月にカップルでカウントダウンを楽しむ・・というような風潮がある感じで、何だか日本と逆転している感じがしました。

◎4 ゴヤとピラール大聖堂

そして、サラゴサのシンボルは、何といってもピラール大聖堂。キリスト教の「ピラール(柱)の聖母」の聖地とされる場所です。マリア様がこの地に降臨したという伝説があり、ここはその聖地とされています。それで、マリア様が降臨したとされるのが、10月12日。この日はこのピラール広場を中心に、ピラール祭というお祭りが開かれ、多くの人で賑わいます。

というわけで、柱のような塔が建ち並ぶ、ピラール大聖堂です。

現在のこの聖堂は、17世紀に建設され、18世紀に増築され、今の姿になったそうです。18世紀に増築された際には、この地出身のスペインを代表する画家、フランシスコ・デ・ゴアに聖堂の中の壁画や天井画などを描いています。ゴアさんは、今でもサラゴサの象徴ともいえる人物として知られています。

聖堂の中に入りました。中は教会なので撮影禁止でしたが、とても大きな建物の中にいくつもの祈りの場があり、ゴアさんが描いた壁画や天井画なども素晴らしかったです。

正面から眺めた大聖堂。大きすぎるので、なかなか全体を撮影するのが大変です。

◎5 サラゴサ旧市街地を歩く

というわけで、ピラール大聖堂の正面から伸びる通りは、サラゴサ旧市街のショッピングストリートとしてにぎわっています。日本で言うと浅草の仲見世通りや、長野の善光寺の門前の通りのようなものでしょうか(笑)。

大聖堂をバックにショッピングが楽しめます。
夜にはイルミネーションが点灯するのでしょう。美しい街です。
このストリートがT字路の差し掛かったところに、
ちょうどトラムが走る道が交差します。

ちょうどトラムが通過したので、動画を撮影してみました(笑)。

◎6 アラゴン王国の宮殿、アルファフェリア宮殿(世界遺産)

さて、サラゴサ旧市街をもう少し歩くと、11世紀に作られたという、アルファフェリア宮殿があります。この宮殿も、先ほどのラ・セオの後陣と同様に、ムデハル様式の建物として知られ、イスラム圏の文化の色を残した作りになっています。こちらも建物の中に入りたかったですが、ちょっと時間が無いので外観だけの見学になりました。

円筒形の塔がいくつも建ち並ぶ、独特の感じの宮殿です。
建物の周りには、こんな感じで空堀がめぐらされています。
堀を跨ぐアーチの石橋が印象的。
いやはや、なかなか大きな宮殿です。

◎7 デリシャス駅に向かう

さて、日帰りのサラゴサ周遊を終え、デリシャス駅からバルセロナに高速鉄道で向かいます。

サラゴサの市街地は、徒歩でも十分回れるくらいのコンパクトな街。
町はずれに姿を見せた、デリシャス駅。地下には鉄道が走っている道路です。
デリシャス駅は、何だか大規模な近代的な建物です。

このデリシャス駅から、歩道橋(斜張橋)が繋がっていて、さらにエブロ川を渡る橋がずっと繋がっています。今は人影まばらでちょっと寂しい感じです・・。実はこれ、2008年に開かれた、サラゴサ国際博覧会(サラゴサ万博)の会場につながるルートでした。残念ながら今はあまり人通りも少なく、万博のレガシーが継承されている感じは受けませんでした。とはいいつつ、このデリシャス駅や、市内を走るトラムも、万博を機に整備されたようなので、そういう意味では万博を機にこの街は大きく変わった、と言っても良さそうですが・・。

サラゴサ国際博覧会の会場跡につながる道。
今は通行人もまばらな、ちょっと寂しい通りになっています。


デリシャス駅の旧駅舎でしょうか?
ひっそりと今の駅舎の脇で佇んでいました。
旧駅舎と、新駅舎の関係はこんな感じです。
デリシャス駅から、高速鉄道に乗ります。

行きは、スペイン国鉄(Renfe)のAlviaという軌間可変ができる高速列車に乗りましたが、帰りはiryoという、イタリアの会社が運行する高速列車に乗ります。実は、スペインの高速鉄道は、上下分離がされていて、鉄道インフラは、ADIFと呼ばれる公営企業が運営していて、高速列車を走らせる事業者は複数いるスタイルです。同じ線路を様々な会社が列車を走らせているという、ちょっと面白い形になります。

駅に留置されているのは、スペイン国鉄(Renfe)の車両。

そして、iryoの車両は、赤い色が鮮やかなこんな列車です。

車内の雰囲気は落ち着いた雰囲気で、1+2列シートでコンセントなどもついているので、とても快適なのですが・・。座席が固定されていて、自身が乗った車両は後ろ向けに走っていたので、そこはちょっと残念かな、という感じでした。

車内はこんな感じの落ち着いた雰囲気です。後ろ向きに疾走する列車。

列車は1時間半もせずに、ノンストップでバルセロナ・サンツ駅に到着。なかなか楽しい1日でした。

■終わりに

スペインの内陸部のサラゴサ観光を1日楽しみました。コンパクトな街の中に、世界遺産がいくつかあり、街のシンボルの素敵なピラール大聖堂と、その門前にある門前町ともいえる商店街。古都でもあるその街並みを満喫することができました。初めてのヨーロッパですが、やはり歴史ある街はなかなか味わい深い、と認識しました。


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