レビュー/ドラマ1122/②絆が強い夫婦って何?
1122(いいふうふ)は元々漫画が原作のドラマである。
ここ最近では2024年11月19日に主人公を演じた高畑充希さんと、
その夫役の岡田将生さんが
このドラマをきっかけとして真剣交際ののち、
結婚したことでも話題になった作品だ。
主人公である一子(いちこ)と二也(おとや)。
二人は結婚7年目の夫婦で、
夫婦仲がいいものの、何故か「公認不倫」をしているという内容のドラマ。
現在Amazonプライムにて公開されている、
このドラマは様々な観点から味わい深い。
夫婦の関係性、お互いの性についてや、
結婚に対しての考え方。
結婚と不倫との関係性や、
子供、そして不妊治療のこと。
様々な問題が複雑に絡み合い、
そして混じり合いながら緩やかに物語が進んでいく。
今回はそんな1122のドラマを視聴し
私自身が感じたことや、ドラマ自体の問題提起部分について触れながら
複数回に分けて話していきたいと思う。
第二回目は「本当に絆が強い夫婦はどっち?」である。
(第一回目の記事はこちらです)
このドラマには主人公である一子とその夫の二也のほかに、
二也の「公認不倫」相手である
生花教室であった「美月」とその夫の家庭が出てくる。
ちなみに美月側は公認不倫ではなく、
夫に隠して会っている
いわゆる「婚外恋愛」というやつである。
美月とその夫の間には子供が存在し、
療育園に通っているような雰囲気である。
美月の家庭は完全なるワンオペ。
夫は仕事をバリバリし、妻は専業主婦で家庭を支える。
子供に担当は妻。俺は関わり合わない、というスタンスの夫。
一昔前はこういう家庭が普通だったのだろうか?
夫は帰宅し椅子に座ると一切動くことがなく、
美月自身もそれを気にしている様子もなく甲斐甲斐しく世話を焼く。
一つ救われるとしたら
夫は決して威圧的ではないと言うことだ。
「この形が当然」という気持ちはあれど、
妻のことを道具として見ている様子はない。
この辺りは生きてきた家庭環境も
大きく影響しているところなんだと思う。
どうしても人は自分が経験したことを
「正しいものだ」と認識してしまう。
だからこそ子育てというのは難しく、
そして(きっと)楽しいものであると思う。
自分自身の無意識と闘い、
子を育てていく中で「固定概念」を取払い
自分自身も自由になっていけるのである。
しかしながら、無意識が染み付いてしまうと
この美月の夫のようになってしまうのである。
その形がお互いにとって心地よければ
何ら問題はないのではあるが
きっと美月自身は、
どこかに息苦しさを覚えていたのだろう。
結果的に主人公の夫の二也と肉体関係を持ってしまう。
(ちなみに美月はまあまあに情熱的な女で、
自分のことを、自信が傷つくことなく捨てようとするニ也の大事なところに、生花で使う剣山(先ほど自分がプレゼントしたもの)
を突きつけてしまうというオモシロ展開がある)
(男とは、どんな状況でもかっこつけるやつなんやと、実感できるエピソードなので、ぜひ見て欲しい。笑)
それ以降もまあまあの分量を使って、
美月とその夫の陰鬱なシーンが続く。
そのシーンを見ている人は
みんなきっと
「あぁ主人公夫婦は何でも話せて仲が良くて良いな。それに比べてこの美月たちは終わりやな!子供がいるから別れられないだけで関係は終わっとるわ」
と思うのである。
典型的な対比の例なのだから
そう思うのは当然のこと。
しかし結果的には、
主人公夫婦は離婚し、美月たち夫婦は二人目を産み海外赴任にみんなで行く。
どちらが幸せなのかは、
人によっての価値観がある為、断言はできないものの
とはいえ一般的には離婚よりは家族が増え関係が続いていく方が
「幸せ」という場合が多いだろう。
となると、美月たち夫婦の方が
結果的に幸せだということになるのかもしれない。
最初のエピソードを見た後に
急に最終回近辺を見た人だと、作画が違いすぎて戸惑うのではないだろうか?笑
一つの要因は「子供」だと思う。
美月たちの子供は、
まあまあに子育てハードモードである。
そして夫は使い物にならず、夫の母親も癖が強い。
唯一の救いは、
美月の母親が子育てに理解があることだ。
幼少期の教育は、どんな子にも暗い点を落とし
それは大人になって自身が子育てをする際に出てきてしまうものだ。
だからこそ私は子育てに神経質だし、
覚悟を持って育てているつもりだ。
このドラマではその辺りも
丁寧に描かれているので、
今後のテーマの一つとして
書いていきたいと思っている。
子供がいるということは
一見足枷になりやすいが、
一方で強い絆にもなるのである。
子供がいることで人は成長できるし、
子がいることは人が成長できる最後のチャンスでもあるのだ。
ここを逃すと、
ただのハリボテの人間になる。
(子供がいることが素晴らしいのでは決してない。子供がいなくても自分をアップデートできる人の方が200倍すばらしいからである)
美月たちに子供がいなければ
二人は別れていたかもしれないし
二人に子供がいたから、
(そして夫が妻を本当に愛していたから)
美月たち夫婦は続いたのかもしれない
と思うのである。
とはいえ主人公夫婦たちには子供がいなかったから
離婚したのか?というと、
それもまた違うと思うのである。
二人は逆に
子供をつくろうとしたから、離婚したのではないだろうか。
離婚する少し前、
二人は子供をつくろうと不妊治療をしていた。
結果は中々うまくいかず、
そのせいで離婚したとは言っていなかったが、
私的にはそれはとても大きいことだと感じた。
もう少し細かく書くのであれば…。
子供がきっかけではありながらも、
大きな原因は二人の対話のあり方であったのだと思う。
二人は何かに縋りたかったのだ。
二人の何か、目標になるゴールのようなもの。
この関係を続けるための新たな光のようなもの。
それを子供に当ててしまったから失敗した。
ある意味、不妊治療で生まれなかったことは子供にとって
幸せなことだったのかもしれない。
子のためではなく、
自分たちのために、子をつくる行為は
一般的に不幸せの第一歩だから。
(これは私自身にも耳が痛い言葉である)
子を持つには子を持つための(人間の)器がある。
器が欠けている(私のような)人間が
子を持つと大変なことになる。
子は足枷になり、希望になり、絆になり、
そして新しい欠けた器を生み出す悪となる恐れもある。
子は自分とは別の人間だ。
それを意識して取り扱わないと、
自分も子供も不幸になってしまうのだ。
だからこそ慎重に、
そして大切に育てなければいけないし、
自分たちの絆のためだけに子供を使うことはいけないことだと思う。
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