『月』見て、思う 〜チャレがや企画〜
企画に参加させていただきます!
いつだったか……。
もう定かではないような、小さい頃。
私は、夜がとても怖かった。
真っ黒に塗りつぶされて……昼間とは全く違ってしまう景色。
家の中から見た夜道。廊下の奥の暗がり。
至るところから、闇は、こちらに侵入してくる気がして。
暗闇は音を吸い込み、重くのしかかってくる。
今にも取り込まれてしまいそうで……。
自分をふるい立たせるために、私は窓から大声で叫んで、威嚇して……
近所迷惑だと母に叱られた。
中でも一番怖かったのは……空に浮かぶ月。
昨日はなかったのに、今日はある。
今日は、全く形が違う。
太陽でもないのに、平然と輝いていて……。
その冷たい光に、心が震えた。
昼間とも、闇夜とも違う景色をぼんやり浮かび上がらせる月の光。
いや。
世界を水底に沈め、色を奪っているだけなのか。
見ていると、心もだんだん冷えていく。
ある日、車に乗っていて……それにつきまとわれていることに気づいて。
パニックになって騒いだことがある。
怖くて怖くて、仕方がなくて。
『ごめんなさい!いい子になるから、もう私を許してください!』
私は何度も、そう心の中で唱えていた。
……あの頃の私。
何をそこまで怯えていたのか。
何を思って許しを請うたのか。
帳が下りる度に、思い出す。
もう月に恐怖はない。
胸の奥はざわざわ騒ぐけれど、その美しさを確かめたくて、今日も私は月を探す。
なぜこんなにも心を囚われ、魅了されているのか……。月は不思議だと思ってしまう。
それでも、満月の夜になると……なぜか叫びたい気持ちにかられる。
そこに、何かを探してしまう。
