投手に長距離は要らない。でも、その"心"はどう鍛えるのか
かつての名選手は、ほぼ全員が長距離走を積んできた。松坂世代も、その前の世代も、オフには走り込みで走行距離を積むのが当たり前だった。今はその理論は否定されつつある。ピッチングに必要な速筋線維の動員パターンと、長時間の低強度有酸素運動は別物だというのが、スポーツ科学の共通認識になってきているからだ。
体に長距離はもう要らない。でも、長距離を走り切れるだけの"心"を持っていない選手は、どこかで折れる。これは間違いない。
では、その心はどこで鍛えられるのか。自分は「オールアウトできる練習を、限界まで積めるかどうか」だと考えている。長距離走の本質的な価値は距離そのものではなく、**「あと少しもできない」というところまで自分を追い込み、それでも一歩出す**経験の蓄積だった。つまり手段は長距離である必要はないが、"限界まで出し切る"という負荷の質そのものは、心を鍛える上で代替できない。
問題は、ではその「オールアウトする心」を、走る以外の方法でどう再現し、どう鍛えるのか、という一点に尽きる。今日はこれを心理学・統計学・栄養学の3つの切り口から、できるだけ具体的に掘り下げてみたい。
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