第2章⑨ 吐き気と戦う主人の背中を、ただ撫でていた
抗がん剤が始まった。
2種類の薬を混ぜた治療だった。
次の日には、もう副作用が来ていた。
吐き気が主人を襲い、治療をしている間も、終わってからも、数日間ずっと続いた。
私にできることは何もなかった。
薬を飲ませることも、痛みを代わることも。
ただそばに居て
背中をさする事しか出来なかった。
何度も何度も、手を動かし続けた。
「大丈夫?」と聞くことすら憚られた。大丈夫じゃないことは、わかっていたから。
こんなに無力だと感じたことはなかった。
愛する人が苦しんでいるのに、何もできない。
その無力感がじわじわと積み重なっていっても、逃げるわけにはいかなかった。
この人のそばに居ることが、今の私にできる全てだった。
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いつも、読んでいただきありがとうございます。
誰にも言えなかった私の気持ち。
小さい娘を抱きしめて、歯を食いしばった事、皆さんに読んでいただき救われます。
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