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千葉とうしろう・プロフィール

 論理好きです。論証にこだわり、誤謬を見つけると嬉しくなります。相手の非論理が気になるので、よく反論します。教育系プラットフォームで「アニメで学ぶ論理と反論の技術」を開催。

 読書でアイデンティティを形成したので、プロフィールとして影響された本を記載します。

1.反論・詭弁・誤謬

(1)香西秀信

 何よりも香西秀信が好きです。論理的表現のレトリック学者。彼のコア思想は、初著『反論の技術』に集約されます。反論は意見の本質であって、真理を保証するものであって、立論を強化するものなのです。

 香西の魅力は、知性とともに表現される皮肉が効いたユーモア。どこか昭和的な話し方で、やや古風難解な語彙を使うのも特徴です。

 論理的思考力や議論の能力など、所詮は弱者の当てにならない護身術である。強者には、そんなものは要らない。いわゆる議論のルールなど、弱者の甘え以外の何者でもない。他人の議論をルール違反だの詭弁だのと言って非難するのは、「後生だから、そんな手を使わんで下され」と弱者が悲鳴を上げているのだ。そして、そのような悲鳴にすぎないものを、偉そうに、勝ち誇って告げるのも、また弱者の特徴である。

論より詭弁〜反論理的思考のすすめ〜

しかし、それこそ言葉尻を捉えるようで恐縮だが、その「相手のことばじり」はなぜ捉えられたのか。それは要するに、相手の言葉が、杜撰、不正確、非論理的出会ったからではないのか。「尻」だから見逃せと言っても、そうは問屋が卸さぬ。そもそも、それが「ことばじり」だと誰が決めるのか。捉えられた相手が「それは本体でなく尻である」と言っているだけではないか。つまりは、自分の誤りをできるだけ軽微に見せかけようとする言い逃れにすぎない。

教師のための読書の技術ー思考量を増やす読み方ー

 詭弁のエッセンスは、『論より詭弁』或いは『論理病をなおす!』で学ぶことができます。

 香西の著書の中でも作品としての面白さは、『修辞的思考 論理でとらえきれぬもの』で読むことができます。古典的文学作品の修辞的批評。レトリックという切り口から、というか香西的知的ユーモアの視点から、山月記の李徴やジュリアス・シーザーのアントニーなどをバッサリ切ります。

 『教師のための読書の技術』は、教師でなくとも読書や思考好きなら楽しめる本。議論に強くなりたい方には、まずは『レトリックと詭弁』です。本書は、議論における「問い」の有効性について書かれており、この「問い」を学ことで、議論には相当強くなれます。多くの人が「問い」に無防備でしょうから。

 『「反論力」養成ノート』及び『議論入門』も、議論での振る舞い方を知りたい方におすすめ。相手の論証の不備を見つけ、その痛いところを「問い」という無垢な体を装って攻撃するのです。

(2)誤謬論入門

 香西秀信を読んで誤謬の魅力に気づいたら、今度は『誤謬論入門』を読んでみてください。誤謬を身につけるのに必須の書と言えます。約60種類もの誤謬が網羅されており、誤謬の辞書的に使えます。

 誤謬が頭にあると、他人の意見の誤謬に気づくようになります。相手の言っている非論理が気になってしょうがない。当然ながら、あまり誤謬を指摘しすぎると、友人を無くします。香西曰く、人間は「理詰めで説得されることをあたかも精神の敗北のように感じ」るらしいですから。香西秀信から誤謬論入門の読書コースは、友人を無くす王道と言えるでしょう。

2.論理学

(1)三浦俊彦

 「論理学」という大見出しをつけておきがらナンパな本から紹介するようですが、これらは決して軟派な、論理的軟弱な本ではありません。論理的に極めて硬派な読み物。

 まずは『エンドレスエイトの驚愕』。これは凄かった。論理というお堅いハイカルチャーと、アニメという緩いサブカルチャーが、高次元で交錯している。三浦の頭の中にはどちらもハイレベルで存在しているので、本書のような特異な切り口が成立するのでしょう。論理学者の視点からアニメを語るという野心的な、それでいてオタク的な、哲学系読書ガチ勢向けの本になります。

 論理用語を使えるようになりたいなら『戦争論理学』がおすすめ。「特定者バイアス」や「意図主義」や「完璧主義の誤謬」など、使えば「おお!」と知的に思われそうな論理用語が、文章の中で自然に使われています。

 『論理学入門』は、哲学的科学的な「宇宙について」の視点を提供してくれる本です。本書でも他の本でも、三浦が頻繁に使う人間原理は凄い。数学や物理の知識がなくとも、この宇宙が多宇宙であることが妥当に導かれてしまいます。

論理学がわかる事典』は、論理学の読み物(比較的ライト)として面白いです。論理学の疑問が色々と解消されて、ライトな読み応えながら痒いところに手の届くようにな本です。「論理学とは何か」や、論理学で当たり前のように使われる論理学の規則(斉一性原理など)が書かれています。

 様相論理や可能世界について興味があるなら、『可能世界の哲学』一択です。可能世界という多宇宙的な概念がもっともらしく書かれています。

(2)マグロウヒル現代論理学

 この本で構文論を理解できました。86ページの後件否定式が美しくて好きです。後件否定式はシンプルなのに強力、しかも日常によく現れる。条件文は会話で頻出しますが、論理的に理解している人は多くありません。相手が使う「ならば」にうまく反応できれば、後件否定式を使って沈黙に追い込めます。この本には『マグロウヒル・下巻』も存在します。

(3)論証の教室

 非形式論理学の本。マグロウヒル現代論理学の非形式論理学の部分を、やさしく、しかもボリュームアップしたような本。わかりやすいです。

3.論理的思考

(1)小野田 博一

 小野田からは、「常に論理的であれ」という姿勢の影響を受けています。彼の本には「飛躍しないで、言葉にされていることを読む」「伝えたいことは言葉にしなければ伝わらない」などメッセージが多く見られます。

「〜すべきだ」と考えたにもかかわらず「しない」のであれば、それは論理的に考えていないことを意味します。

論理的に考える方法 本質への筋道が読める

 ただ、こんなにも論理的な姿勢をとっていたら、さっきも言ったとおり「友人がゼロ」にもなってしまうでしょう。理屈屋とは誰もしゃべりたがらないのが現実ですし。著書に書いてあるような高論理的態度を謳う小野田は、人間の優しさ・温かさを忘れてしまったのでしょうか。

 『論理的な小論文を書く方法』は、論理的な文章を書くうえで有用です。文章構成に則りながら、どのように論理性を加えていくかが書かれています。『論理的に考える方法』には、論理的思考を実践するための考え方が書かれています。「要するに何を言いたいのか、を明言する」とか「自分自身の表現力に頼り、読み手に察するよう期待してはいけない」とか。確かに小野田の提唱するとおり、常に論理的なのであれば、「忖度」なんてのは生まれないのでしょうね。機械人間みたいな、無情な主張です。

(2)具体と抽象

 「具体例」の具体とは何かを、この本からは学べます。「抽象」との関係で考えると「具体とは何か」が輪郭を帯びて、文章の「具体性を出す」が何を意味することかがわかってきます。
 抽象は「まとめて1つ」であり、その特徴は下記のとおり。

直接目に見えない
実体と乖離
解釈の自由度が高い
応用が効く

 それに対して具体は「個別バラバラ」であり、その特徴は下記のとおり。

直接目に見える
実体と直結
解釈の自由度が低い
応用が効かない

 文章において具体理を書いていると、気持ちが良くなっていつの間にか論点からズレることがあります。が、上記具体の特徴を知っていれば、論点からズレるのを抑えることができます。

4.その他

(1)宇宙創成

ビッグバン宇宙論をめぐる史実の読み物。天地創造を信じていた時代から始まり、CMB放射が検出された現代まで。各時代における宇宙の真の姿を巡る思想はとても熱い。




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